誰にでも中学生だった頃はあったはずで、それは今ではこんなわけの分からぬおっさんになってしまった私とて例外ではない。
大多数の人がそうであると思うが、中学生だった頃の私にも好きな女の子がいた。幸いにもと言うべきか、学校から一緒に帰ったり、二人で遊びに行ったりした事もあった。
当時は――今と異なり――純情でシャイな少年であった私は、彼女の隣にいるだけで、彼女のそばにいるだけで本当に幸せだった。
今月のAを見て本当に思う。あのこ達は今、幸せなのだろうと。その幸せが束の間でないことを、心から祈りたい。
一緒にいるだけで、キスなんてしなくても幸せだった。ずっと一緒にいられたらどんなに幸せだろうと思った。肉体という言語に頼らなくても、キスなんてしなくても、互いの想いが確認できた。それはもしかするとあの季節だけの特権、もっと言うと幼さなのかもしれないけれど、それは素晴らしいことだと思う。
今は、好きな娘とキスをして抱き合うっているとすごく幸せだということを知ってしまった。しかし私は、それを堕落だとか不潔だとか言うつもりもない。それも自然な幸せの形だと思う。
でもあのこ達には、今は手をつないで一緒にいること、一緒にいられることの幸せを感じていて欲しいと思う。そしてその幸せを忘れないでいて欲しい。
サルベージ時の注:今月のAとは、コミックス8巻STAGE54「ネルフ誕生」だと思われます。