死ぬまで生きる
2003.5.28(日記よりサルベージ)

 人は生まれてきて、いつか死ぬことを運命づけられている。いつかは必ず死ぬ。であるならば、なぜいま死んではならないのかという問いに対して論理的に答えるのは難しい。君が死ぬと僕は悲しい、と言うことはできる。しかしそれは、その問いに対する有効な解答ではないと思う。
 いつかは必ず死ぬのだから、そう焦って死ぬこともあるまい。生きているうちにやりたいことは全部やって、それから死ねばいい。死後の世界を仮定したとしても、生きてるうちに出来る事が死んでからも出来るとは限らないのだから。と言ったとすると、やりたい事は全部やりましたとなれば、じゃあ元気に死になさいという話になる。本当に全部やったのかと問う事は出来るが。

 私ももういい加減いい歳なので一般論としてそう珍しい話でもないのだが、数年前に友人を亡くした。エヴァにハマる前の話だ。葬式の時は泣いたが、はっきり言って全く実感がなかった。今でもない。どっかで読んだような話だなと思っても、軽くスルーして頂きたい。私とて補完されたい時はあるのだよ。
 誰かが死ぬ、という事を受け止めるのは難しい。少なくとも私にはそういう覚悟はない。ガンダムでリュウが死んだ時にテレビの前で泣いて、泣きながらオレってバカだなと思ったりしたが、例えば自作の小説で誰かが死んだとして、それを登場人物がどう受け止めるのか想像できない。だから、と言うわけでもないのだろうか、なかなか殺せない。
 とかなんとか言いながら、大藪晴彦氏の小説で人が虫けらのごとく死んでいくのは全然平気、と言うよりある種のカタルシスを感じたりもするので、全くもって一貫性ゼロである。人の心は、それが自分の心であっても理解しがたい物である。いわんや他人をは。使い方と字はあってるか?
 まぁこういう文章を書ける程度には受け止められるようになったということか。

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