微妙にマイナー
2005.8.29

 最近はこのサイトも、少なくともLRSの中では十分に大手なのかもしれない。それにどんな意味があるのかは何ともいえない部分ではあるが。つまり、超マイナーなジャンルの中でメジャーだからといって、だから何なのって話だ。
 何をもってマイナーとかメジャーとか言うのかは難しいところだが、ひとつの尺度(measure)として参照数というのはあると思う。今月に関して言えば、現時点で日平均600超えというのは、個人的には十分に大きな数字であると思うが、これはメジャーと呼ぶに値する数値であろうか。

 私がこのサイトを辺境とか微妙にマイナーとか言うのにはそれなりの理由がある。まぁ「微妙にマイナー」という言葉の響きが好きってのも大きな理由の一つなんだけど(笑)。私の敬愛する吾妻ひでおが全盛期に「ビッグマイナー」とか称されてたしね。ちなみに「リトルメジャー」がいしかわじゅん。

 それはともかく、少なくとも当時は私にしてみれば大メジャーだったあるサイトのオーナーが自サイトを称して「辺境」と言っていたのも理由の一つではある。そのサイトには素晴らしい作品がいくつもある。これは私がサイトを開く前の話だったが、このことはずっと頭にあって、少なくともあのサイトを色んな意味で超えるまではメジャーとは言いたくないと思っている。もちろんそのオーナーが辺境と言った言葉の裏には、例えば謙遜とか、綾波レイに拘泥するサイトそのものが辺境であるとかいう意味が込められていたのも理解しているつもりだけど。

 だが一番大きな理由は、ここのようなサイトが大手だったりメジャーだったりするのはまずいんじゃないのかなという気持ちがあるからである。つまり大手だったりメジャーだったりするサイトは、参照数が多いのは当然として、作品の掲載を主目的にしているならば、作品の質を第一に考えなければならないのではないかと思うからだ。結果として参照数が多かったり更新頻度が高いからといっても、それだけでメジャーだとは言いたくない。
 断っておくが、このサイトにもメジャーの名に値する名作はあると思っている。だが残念ながらそれは私の作品ではない。私にもその程度の判断力はある。私も小説めいた物を書く者であるので、誰々さんの名作をたまたま預かっているからといって「大手だメジャーだ」宣言するのはためらいがある。そんな私のこだわりはどうでもいいとしても、その「誰々さんの名作」を預かっているのは、それが名作だからという理由ではないのだ。

 物語を書こうとする以上、作品の質は追求しなければならない。それは当然だと思う。だが最も大事なのは、なぜその物語を書こうと思ったかという気持ちである、というスタンスを、このサイトは取っている。

 エヴァFFである必然性、というのは便利な言葉だ。だがそれがエヴァFFであってはならない理由がないならば、当然だがエヴァFFであっても構わないはずだ。

 ここで私が問題にしたいのは、なぜそれがエヴァFFなのかについて作者が自覚的であるべきだ、ということだ。私は私がエヴァFFを書く根拠を、綾波レイというキャラクターに拘泥すること、そして彼女の幸せを願い考えることに置く。

 正直に言って、感想や反応は欲しい。だがそれは作品の質を高めることによって結果的に得られる成果であるべきだ。感想が来そうな作品をリサーチして書くという行為に、私は意味を見出さない。書きたいことを書きたいのであって、感想が欲しいがゆえに書いているわけではない。その意味において、「感想はいらない」という言葉は逃げではないし、感想が少ないということに対する言い訳でもない。これだけははっきりさせておく。ただ質を高めたいと思い努力するだけだ。

 投稿作家の方々に対しても、質を高める努力は要求する。だが、その作家が何を書きたいと思ったのかについては、それがこのサイトの趣旨を逸脱しない限りにおいては尊重するつもりである。結果として似たような作品が多くなったりすることについて問題にするつもりはない。書いていくうちに新たな切り口や視点は見つかると思う。逆に言えば、書き続けなければ新たな切り口など見つからないだろう。
 作品の質についても同じことで、極少数の天才を除けば最初から名作を書ける奴などいない。努力を積み重ねていくことで名作と呼ばれる作品を書ける可能性が多少は出てくる、という程度の話だ。

 だから私はこのサイトを、読み手が純粋に物語を物語として消費するに足る名作ばかりが掲載されているような、まさに大手と呼ぶにふさわしいサイトにするつもりはない。目指すのはビッグマイナーである。やりたくないことは、それがどんなに受けそうでもやらん。客観的に見てどんなに名作であっても、綾波レイがボロボロの不幸になって何の救いもないのはためらいなくボツだ(そんな名作があるとは思えんけど)。

 以上が、私がここをマイナーサイトと呼ぶ理由である。この基準において、現時点でメジャーと呼ぶに足るサイトがあるのかどうかについては関知しない(笑)。まぁでも参照数がここより多いサイトはいくらでもあると思うよ。他のサイトのカウンターなんていちいち気にしてないけどね。とにかく感想メールが欲しいという作家の方は、そういうサイトに行かれた方が前向きだと思います。

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