魔法は解けないwritten by tamb
わたしは知らない。 愛する苦しみも。 愛される歓びも。 見上げた空の青さ。 潮の匂い。 お味噌汁の温かさ。 繋いだ手のぬくもりも。 わたしは知らなかった。 「ねえアスカ。綾波なんだけどさ」 「愛しの彼女がどうかした? 言っとくけどあんたなんかにファーストは渡さないわよ?」 謎の先制パンチだが、いつものことだ。軽く笑って受け流し、シンジは続ける。 「痩せすぎな気がするんだ。アスカはどう思う?」 「痩せてる方だとは思うけど、そうね……」彼女はわずかに上を見て、少しだけ考えた。「病的なほど痩せてるってわけじゃないと思うわ。……そもそも、あんだけ頻繁に健康診断だか定期検診だか検査だか受けまくってるんだから、基本的な健康状態は大丈夫なんじゃない?」 「それはそうなんだけど」 「あんた最近、ファーストの裸、見た?」 「みみみ見てないよ」 「なにうろたえてんのよ」 「別にぼくはうろたえてなんか」 「出るとこはそれなりに出てるし、アバラ浮き出て骨と皮ばかりってんでもないわよ。心配ないと思うけど。もっとも――」アスカは虚空から目線を戻し、シンジを横目で見ながら言った。「もう少し脂肪が乗ってむちむちな方がかわいくていいって言うなら、それは好みの問題だからあたしに言うことは何もないけど」 「いや好みとかそういう問題じゃなくて、もう少し健康的というか何というか――」 「お風呂入ってくる」 レイがタオルを頭に巻き付け、Tシャツ姿の上気した顔でリビングに戻った。シンジはそんなレイから目を逸らす。レイが葛城家に住むようになってから一ヶ月になるが、いまだに風呂上がりの彼女を直視することはできなかった。 丈の長いTシャツは淡い青で、大腿の半分ほどを隠していた。彼女が風呂上がりに着るロング丈のTシャツはいつもそんな淡い色使いか、あるいは純粋な白だった。恐らくその下はショートパンツかスパッツだろう。だがそうではないかもしれない。おまけに頬はほのかなピンク色に染まっている。その破壊力の凄まじさはあのサードインパクトすら連想させた。 果てしない妄想は止まるところを知らず、謎が謎のままではいずれ発狂するのは確実なのではないだろうか。 だがTシャツの下の謎を解き明かす日がいつか来るとは、シンジには思えなかった。永遠に謎だろう。凝視どころか横目で見ることすらできないのだ。だから恐らく、そこには夢が詰まっているのだろう。夢を見ながら発狂することになるのだ。 「なに赤くなってんのよこのヘンタイバカシンジ」 冷や水を浴びせられ、彼は現実に戻った。 ※※※ 「あんたはもうちょっと太った方がいいかもね」 お昼のお弁当を食べながら、アスカは何気ない感じでそう言った。太るというのはD型装備化するのと同義である。その装備を実際にその目で見たことはないが、そう信じているレイにとって、太った方がいいという言葉は全く想定外の言葉だった。 「どうして?」 「普通に痩せすぎじゃないの? あんたは。太り過ぎも困るけど、もうちょっとむちむちしてた方が、男の子だって触っててどきどきするんじゃない?」 この短いセリフに含まれた凄まじい情報量にレイは圧倒された。 まず、太るということ。ちょっとむちむちするということ。 確かに今のレイが太ったとして、瞬時にいきなりD型装備化するのではない。当たり前である。その間には無限ともいえる段階があるのだ。ややD型装備、ほぼD型装備。D型装備風味、ほんのりD型装備、などなど。アスカは、ちょっとだけ、と言っている。つまり完璧にD型装備化する必要はないのだ。 次に、男の子がどきどきするということ。 基本的にこれは謎だった。男子には性欲と呼ばれる欲望が存在する。もちろん女子にもある。レイもシンジの傍にいたいと思う。これも一種の性欲ではあるし、シンジの隣に座ってなんでもない会話を交わしているだけでどきどきするしぽかぽかもする。 だがシンジはレイに触れては来ない。もちろんキスなんかしたこともない。ただ時々手を繋ぐだけだ。それでもそんな時、レイは自分の体温が上昇するのを自覚する。どきどきする。 シンジはそうは思わないのだろうか。男の子は好きな女の子に触れたいと思うものらしい。だがシンジは触れてこない。 それは、自分たちがまだ子供だからなのかもしれない。子供であれば、性欲はストレートには発露しない。 もう一つ可能性があった。シンジがレイをそれほど好きではないという可能性だ。 これについては頑張るしかないとレイは決意していた。諦めるという選択肢はない。好きになってもらえるように、振り向いてもらえるように頑張るのだ。 好きという気持ちはよくわからない。わからないが、例えば体育の授業の後、着替えている時にアスカが急に胸に触れて来たりすることがある。手のひらサイズ。いいわね。そうされて特に思うことも感じることも何もない。だが同じことをシンジにされたらと想像すると、体温が軽く五、六度は上昇する。それがレイにとってのアスカとシンジの違いだった。アスカのことももちろん好きだ。だがシンジはそれとは別次元だった。それが好きということなのではないか。男の子に対しての、好き。 そして、もう一つの可能性が示唆された。好きでも触りたいとは思わないという可能性だ。好きなのに触ってもどきどきしない。痩せすぎで触ってもどきどきしない。これは想定外だったが、考えてみれば例えば骨に直接触れてどきどきするというのも想像し難い。はっきり言って骨に発情するようでは変態に近い。世の中にはグラビアアイドルというような職業が存在するが、彼女たちは痩せぎすのガリガリではない。痩せすぎと痩せぎすの違いはよくわからないが、つまり痩せすぎとD型装備の中間にある。ジェンダー的に微妙な領域に入りつつあるが、グラビアアイドルのレゾンデートルを考えれば、それはある意味で理想的な体型だと言えるだろう。自分がそのような体型になれるとはとても思えないが、近づくことは可能だと思えた。つまり、少しだけ太る。アスカの言う通りに、だ。そうすればシンジもどきどきしてくれるのかもしれない。見てくれるかもしれない。触れてくるかもしれない。 「なに赤くなってんの?」 アスカの言葉はレイの耳には入らなかった。 ※※※ この年頃の女の子は、食欲に身を委ねていれば多少は太るものだ。しかし、もちろん個人の体質にもよるが、過度な食欲や間食を控え、適度な運動によって体型はキープできる。ダイエットしなきゃとか言ってる女の子は少なくないが、真面目に実行したら消えてなくなるのではないかと思われる。何事も程度問題だし、気にしすぎるのは良くない。 さらに言えば、今まさに逆ダイエットを敢行せんとする綾波レイには驚愕の体重コントロール技術があった。それはこうである。 まず、体内に微小なATフィールドを展開し、それで過剰な脂肪分を包み込む。そして、彼女の体内に生息している綾波レイの乳酸菌が、彼らの生成するマイクロブラックホールを通してATフィールドに包まれた余分な脂肪を虚空へと放出するのだ。食べ放題である。これは綾波レイという閉じた系の中で質量が保存されないという驚異的な事象である。もちろん質量はエネルギーに転換できるので、厳密に言えば質量保存の法則は常に成立しているわけではない。だが言うまでもなくこれはそういう話ではない。広島型原爆は0.7gの質量がエネルギーに転換したとされているが、レイの周辺で頻繁に核爆発級の大惨事が発生しているわけではない。いわゆるインパクトなど三回かせいぜい四回もあれば十分である。単に質量を虚空に放出しているだけである。ということは、どこぞの時空にマイクロホワイトホールが存在し、そこからATフィールドに包まれたレイ由来の脂肪が放出され漂いまくっているというシュールな光景が展開しているかもしれないのだが、それはそれとして、とりあえず前世紀末に流行った謎のダイエットサプリに近いものと考えていただきたい。 どの程度、体重をコントロールすれば良いのか。問題はそこだった。コントロールを誤ってフルスペックのD型装備化するわけにはいかない。どのくらいむちむちしたら碇くんはどきどきしてくれるのか。見てくれるのか。困った時の常として、彼女はリツ子に相談することにした。 そこで彼女は、今まで誰にも言ったことのなかった脅威の体重コントロール技術を告白することになる。 「やめなさい」戦慄の体重コントロール技術の全てを聞いたリツ子は即座にこう言った。「人間離れしている」 人間離れ。 レイにとってそれは決定的な言葉だった。普通の人間であり続けるというのは、彼女の生涯をかけた目標だと言っても良かった。自爆したり巨大化したり腕を落としたり宙に浮いたり空を飛んだり形象崩壊したりする事なく、普通の人間として、極々普通の女の子として青春を満喫したい。それが今の彼女の願いだった。 もう何もわからなかった。普通の女の子として生きたいだけなのに。碇くんに好きになって欲しいのに。それは大それた願いだというのか。しょせん叶わぬ夢だというのか。青い鳥が舞い降りることはないのか。 「バランスの取れたごく普通の食事を普通に食べる、でいいんじゃないかな」 シンジは半泣きになったレイにそう言った。 そうだ。簡単なことだった。たったそれだけのことなのだ。それはシンジの望むことでもあった。単にATフィールドの展開具合をコントロールすれば良い。体重の増減と食欲のバランスを取り、シュークリームやらフルーチェやらの食べ過ぎに気をつけ、徐々にATフィールド展開率を下げ、最終的にゼロにするのだ。何事も急激に行うから良くない。ソフトランディングすれば良いのだ。その頃には綾波レイの乳酸菌も本来のホメオスタシスコントロールにその役割を戻しているだろう。 こうして、レイとシンジは同じ未来を見ることになった。 どんとはらい、どんとはらい。 しかしながら物事そう簡単には行かなかった。 レイの体内で展開されるATフィールドは既に意思を持ち始めており、彼女のコントロール下を離れていた。レイは綾波レイの乳酸菌の協力も得て夜な夜なATフィールドとの対話を繰り返し、説得を試みた。何より対話が重要である。だがATフィールドは頑なだった。あなたの体重を守る。そう言って聞かなかった。 対抗して作るシンジの料理は、ついにアンチATフィールドを展開するに至った。 そして、シンジの作る料理がアンチATフィールドを展開するやいなや、そのアンチATフィールドも意思を持った。意思を持ったATフィールドに対抗するには意志が必要である。アンチATフィールドが意思を持つのは必然と言えた。 全開状態のアンチATフィールドは、本体たる料理はそっちのけにして、レイの体内で過剰な脂肪を排出し体重を死守しようと奮闘しているATフィールドに殺到した。レイの体内でまさにいま再び使徒戦が始まろうとしていたのである。 ことここに至り、ついにレイがキレた。 「いい加減にしなさい」 こういう女の子がキレると怖い。 互角の取っ組み合いを繰り広げていたATフィールドもアンチATフィールドも気をつけの姿勢で動きを止め立ちすくんだ。 「適切に吸収し、適切な体型に移行します。碇くんに好きになってもらうためです。異論は認めません。何か質問は」 「ありません」 ATフィールドもアンチATフィールドも直立不動で異口同音に答えた。 「わたしも料理を作ります。碇くんに教わります。争いは何も生みません。お互い、協力するように」 「わかりました」 キレたレイに逆らえる者は存在しない。 ※※※ 「お揃いなのが気に入らない」 アスカと会うのは二年振りだった。里帰りと称して日本に戻ると、その足でレイの部屋に来た。いきなり部屋着に着替えて乾杯。アルコールを口にすれば、もう二人のお喋りは止まらなかった。久闊を叙するってやつね、とアスカは言った。それは話し言葉なのかとレイは思ったが、黙っていた。意味は間違っていないように思う。自信はなかったが。 惣流・アスカ・ラングレーは、一葉のプリントされた写真をもう一度眺め、綾波レイに返した。 「しかもお揃い具合が微妙なのが気に入らないわ。なんで色違いなのよ」 「どうしてかしら」 レイは小首を傾げ、不思議そうに手元の写真を見る。 「どうせあれでしょ、君の髪と同じ色だよ、かなんか言って選んだんでしょ。こっちは」 「そうかもね」 たぶんそうなのだろう、とレイは思う。 シンジのエプロンはレイの髪と同じ、空色だった。 そういう選び方を、この頃のシンジは良くしていた。今でもそうかもしれない。レイは少し恥ずかしくなった。 レイのエプロンは山吹色で、初期の零号機の色だ。今までそんなことは意識していなかったけれど。 「まあいいわ」 アスカはヴァイツェンを口にした。 「で、バランスの取れたごく普通の食事ってやつをシンジの指導の元、一緒に作ろうって話になったのね」 「うん」 「いきなりあんたが熱心に料理を始めたのは、そういう経緯があったってわけね」 「アスカのアシストには感謝してるわ」 「これ、いつくらいの写真?」 「たぶん、三年だと思う。中三」 「じゃあ料理はじめたばっかりってことね」 「そうね」 「あんた、不安そうな顔してるもんね」 「清楚で清純で純真無垢で初々しくて可憐で純情で物静かっぽくてかわいいわ」 「何を作ったの?」 「カレーかチャーハン。たぶんカレーだと思う」 「王道ね」 「謎の玉ねぎがいい味だしてるわ」 「カレーに玉ねぎなら謎じゃないと思うけど」 「問題はそこなの」 レイは我が意を得たりと頷いた。 「例えばカレーなら、普通はこれとこれを入れる。玉ねぎとかじゃがいもとか。それはいいの。でも、これは普通は入れないけど入れてみると案外美味しいかもって、そういうのがわたしにはわかるようにならなかった。一年たっても」 「なるほどね」アスカも頷いた。「前例のない飛躍した発想は、大規模言語モデルでも難しいしね」 「碇くんはそれができる。わたしにはできなかった」 「でもそれは経験の問題でしょ? おうちで普通に料理するぶんには決定的な障害になるとは思えないけど」 「今はわたしもそう思う。献立はAIが考えてくれるし、細かいことはおいといて、とりあえずいろんなお料理を作るだけで良かったのに」 冷蔵庫の中身を含め、各家庭の食材の在庫はMAGIに直結した――実際にはMAGI上の仮想システムである――キッチンマネージメントシステムが把握している。どんなものが食べたいか指示すれば、AIが料理法を含め数通りのメニューを提示してくれる。 MAGIに直接メニューを問えば飛躍した発想の料理などいくらでも提示してくるが、民生用のシステムをMAGI上に構築するのはまだコスト面で問題があった。大規模言語モデルを利用したキッチンマネージメントシステム程度のAIなら、事実上無制限に走らせることができる。 「でもそれではAIを超えることはできない」 「だから便利に使えばいいんじゃないの? 普通に料理するぶんには別に全局面でいちいちAIを圧倒し凌駕する必要は――」 「あの頃のわたしには」レイはため息を落とした。「それが決定的な問題に思えた。だから別の道を探ったの」 「別の道?」 「そう。料理にひたすら愛情を込めるという道を」 「愛情が足りないとか、愛に量を求め出すと際限がないわ。血を吐きながら続ける悲しいマラソンね」 「愛の重さを甘く見てはいけない。わたしは気づかなかったの。重すぎる愛は自身の重力によって崩壊を始める。重力崩壊よ」 「はあ?」 「そして愛の自己重力が中性子の核の縮退圧を超え、ついにはシュバルツシルト半径より小さくなり、挙げ句の果てには全てを飲み込むブラックホールに――」 「ならないわよ!」 「危ないところだった。救ってくれたのは、やっぱり碇くんだった」 「酔った?」 「ちょっぴり」 「で、お料理はそれなりにできるようになったの?」 「ドイツビール、美味しいわ。フルーティで、柔らかくて。ヴァイツェンっていうの?」 「ダメだったのね」 「全然ではないけれど。ちょっぴり」 「少しは太れたの?」 「ちょっぴり」 「どのくらい?」 「0.5キロ」 「誤差の範囲ね」 「おなかへった」 ※※※ 例えばカップラーメンにお湯を注ぐ。ご飯をお茶碗によそう。たったそれだけでも、食べる人のことを想えばそれは料理だと、彼はそう言った。その愛情に量の多寡はない。ただあるかないか、それだけだと。 「そういう意味ではデジタルなんだよね。0か1か。あるかないか。受け止め方のほうが大事なんじゃないかな」 彼は続けた。愛情が足りないとか言い出すと田植えから始めることになる。それはそれで楽しいのかもしれないけど、でも優劣なんかないんだ。そもそも田植えは料理じゃないよね。栽培か、えーと農業? 田植えをしてる友人がいる、と彼女は言わなかった。 「でもね」 彼は少し恥ずかしそうに言った。 「電子レンジで温めるだけっていうのが料理だっていうのは、ちょっと難しい気もするんだ。でも電子レンジで温めた、例えばパスタをお皿に移す時は、料理だなって気もするんだよね」 「わからないわ」 「ぼくもわからない。最初からトレーに入ってる冷凍パスタはどうなんだろう」 「冷凍チャーハンとか、電子レンジでもフライパンでも大丈夫っていうの、あるわ」 「あるね」 「それはどうなの?」 「難しいね」 彼は笑った。 「結局、その人がどう思うかなのかもしれないよね」 そう言うなり彼はレイを抱きしめ、そっと口づけた。 「こうすると」 レイの体温が数度上がった。頬が熱い。 「綾波の身体が柔らかくなって、あったかくなって、ぼくはそれを嬉しいと思うよ。綾波はどう思う?」 「恥ずかしい」 「綾波のそういうところ、好きだよ。他の誰かとこうなりたいとは思わない。それと同じなんじゃないかな。つまり、相手を想う気持ち。それで、想われてるってわかってもらえれば、その気持ちが確かなものになるんだ」 シンジが思い切ったように、ほんの僅かに手に力を込め、耳元でささやいた。 「綾波の料理、美味しいよ。ぼくは好きだな」 そして、少し照れたような声で言った。 「ぼくは君を、失いたくない。でも電子レンジはなくてもいいや」 「一緒にしないで?」 レイが悪戯っぽく微笑み、シンジはそんな彼女の頬をつまんで優しく引っ張った。びー、と。 「伸びるね」 「知らない」 「さ、ご飯にしよう。カレーだよ。昨日の続き。サラダを用意するから、綾波はカレーをあっためてくれる?」 「うん」 「デザートにシュークリーム、買ってあるよ」 「やった!」 愛される準備なんかできていなかった。愛する覚悟もなかった。それはシンジも同じかもしれない。夢は夢のままでいいのかもしれない。それでも彼は一歩踏み出した。食事を共にするという、その一点だけで。 ただ、相手を想えばいい。そして相手のその想いを受け止めれば、それだけでいい。他には何もいらない。覚悟も、勇気も。 夢は現実の続きだ。ならばいつか現実になる。現実にすればいい。 見上げれば、空の青がそこにある。 それと同じだ。 美味しいと言えば、ただそれだけでいい。 想いは料理で伝わる。 想いを料理で、伝えよう。 「碇くん」 「うん?」 「カレー、焦げた」 焦げても伝わる。きっと。 |