Re: サイト開設十周年カウントダウン企画・一月 ( No.1 ) |
- 日時: 2011/01/16 20:05
- 名前: 何処
- 【少女愚考】
私は思う
何故人間は一年中発情期なのだろうか。
これでは諸々のトラブルが絶えないのも当たり前だし、雄の方は出費も嵩む。
ましてや雌…私もそうだが…においては更に大変だ。 独占欲と嫉妬心、羞恥心と見栄が渦巻く女心は意味不明に出費を強い時間を食い潰す。 はしたない女と見られたくない心理、彼に可愛い私を見て貰いたい心理が雌たる私を飾り立てさせる。 化粧、服装、アクセサリー、靴、ダイエットサプリ…
正直ゼミのコンパで「一番の彼氏へのプレゼントったらそら裸エプロン」と言って赤木助教授に殴られた葛城助教授の台詞が一番真実だとは思う。 大体好きな相手としたいのは雄も雌も大差無い。最も雄と違って雌は中々軽々しく物申せない内容だが…
「…イ…」
私の彼氏は巨乳好きだと確信している。好きだと顔に書いてあるもの。 彼が好きなアイドルは金髪碧眼のドイツ系クォーター。彼女のグラビアは女の私から見ても羨ま…いや、魅力的だ。 こっそり彼のコレクションを拝借して半ば嫉妬半分羨望しながら見たが…溜め息しか出ない。
基本的に体の構造から違うんじゃないだろうか?先ず足の長さが違う。スリーサイズに至っては…
「…レ…」
ま、まぁ胸に限って言えば私もそれなりには在る。公称サイズからすれば彼女も私も同じ位な筈だが…アンダーが細い分恐らくブラのカップは私より少し大き…ご免なさい。見栄張りました。
…日本人体型は不利よね… こほん!それはともかく。
何しろ身体的リスクが雌には高い。 それにメンタルが影響する女の感覚は中々説明しにくくて…
「…イってば…」
気持ちが乗らない時は鬱陶しいだけの行為を只嫌われまいとする為だけに行う時など我ながら演技上手いなぁと思う。 男と女のクロスロードは交差すらせず交錯しているだけなのではないだろうか。
「レイってば!」
思索…と言うより妄想に浸った私を同居人の声が現世に引き戻した。
「…あ!?ご、ご免なさい、又ちょっと考え事してて…で、何?」
「肉が足りない!」
食卓に私達は向かい合って座っている…お茶碗とお箸を持って。 どうやら私の作った食事内容にルームシェア相手のマナは声を上げた様だ。
…?…
「マナ…貴女の目の前にあるお皿に乗ってるのは何?」
「レイ特製豆腐ハンバーグよ。」
「…それ半分は挽き肉なんだけど…」
「違う!肉違う!私の求める純粋且つ単純且つ明快な動物性タンパク質と違う!」
…マナが食事に不満を言う時は、大抵彼女のガールフレンド絡みだ。 彼女の特殊な趣味は私には理解し難い点はあるが、私に彼氏が居ると知ってから言い寄られた事は無い。 何でも『お手付きはパス』だそうで…
…は、恥ずかしい…
「…今度は何?」
「李の阿呆が又付き合ってくれって迫って来た所目撃されたのよ…」
見た目とても愛らしい彼女は男女通じて非常にモテる。その特殊な性癖を知ってもアタックをかける男性は多いが…。
「李君もマメね…幼なじみなんでしょ?」
「そ。もーいい加減諦めてくれないかなぁー…あーもー!お陰であの娘はどうにも元気がなくて私もタバコは不味いし食欲は無いし…」
「…ご飯お代わりしないの?」
いつの間にか空になっている彼女のお茶碗を眺め私は聞いた。
「…はぁ、気分転換にナンパして可愛い女の子に声掛けても駄目だったし、そんな傷心のあたしに『お代わりしないの?』だなんて、レイは冷たいわぁ。これだから男がいる女はもう…」
「…そう言いながら空のお茶碗寄越すのね…」
…だからと言って寄越されたお茶碗にご飯を盛る私もどうかと思う…
「もう今日はそんな最悪な感じで仕方ないから家に帰ろうと歩いてると何故か足元に配置してあったのよ…」
「?何が?」
「バナナの皮…まんまと踏んでそれはもう見事にすっ転んでしまいましたわよ!衆人環視の中!」
「あらぁ…」
「腰は強かに打ち付けるわパンツは丸出しだわ恥ずかしいったらありゃしなかったわよ全く!」
パンツ…嫌だ、あたしと彼の出逢い思い出しちゃう… 文字通り出逢い頭の衝突で彼にパンツ見られて… お、思い出す度に、は、恥ずかしい…
「レイってば!」
再び妄想に浸っていた私を彼女の声が現世に引き戻した。
「…あ!?ご、ご免なさい、又あたし…で、何?」
「はぁ、そんな哀しみに打ちひしがれた私を癒してくれる筈のレイは例によって例の如く色ボケ真っ最中だし」
「…何を言うのよ…」
「その赤い顔が色ボケだっちゅうのよ!おまけに私の絶望を癒す筈の食事が何で和風豆腐ハンバーグとおろし大根シラス合えと大根サラダに大根の味噌汁なのよお!何か!?大根の祟りか?それとも大根祭りか今日は!?」
「大根…安かったから…バイト代入るのは来週だし…」
「ううう…経済的状況には勝てぬ…みんな李と貧乏が悪い…ククク…」
…マジ泣きしながらシラスおろしをご飯に掛ける彼女…やれやれ…
「…仕方ないわね…魚肉ソーセージ炒めたのでいい?」
「良い良い良いっ!おー肉!おー肉!おー肉!」
「クスクス…」
私は買い置きの魚肉ソーセージを炒めるべく台所に向かう。背中から彼女の声が聞こえた。
「ねーレイ、あんた必ず魚肉ソーセージ用意してあるけど…ひょっとして彼氏の好物な訳?」
「いいえ…私が彼に最初に作った料理がお味噌汁と魚肉ソーセージ入り野菜炒めだったの。そうしたら二回に一回はリクエストに魚肉ソーセージ入り野菜炒めが…」
「…へーへー、聞いたあたしが馬鹿でしたわぁっと。何その甘甘っぷり。けっ!胸焼けするわこん畜生め!」
「…食べたくないの?」
「ごめんなさいレイ様あたしが悪く在りましただからお願いご飯だけわぁ…」
「「…プッ!クスクスクスクス…」」
私は笑いながら斜に切った魚肉ソーセージを胡麻油で炒め出した。
…碇君に又作ってあげよ… 良い炒め物の匂いと彼の笑顔の思い出が私を高揚させる。思わず鼻歌混じりで料理。
「はい、お待たせ」
「万歳!魚肉万歳!動物性タンパク質万歳!アミノ酸イノシン酸万歳!」
…ふふっ、作り甲斐があるわ… そして私達は笑顔で食事を再開した。
…明日彼にお弁当持って行ってあげよう。魚肉ソーセージ入り野菜炒め入りの。
【おわり】
「あれ?珍しい雑誌が…あ?アスカじゃんこのグラビア。」
「え?知ってるのマナ?」
「うん。幼なじみ。施設の頃からの。?レイ、顔色が変よ?赤くなったり青くなったり…」
…おーまいがっ…
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