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[591] サイト開設十周年カウントダウン企画・一月
日時: 2011/01/07 20:19
名前: tamb

月々のお題に沿って適当に書いて投下して頂こうという安易な企画です。作品に対するものは
もちろん、企画全体に対する質問や感想等もこのスレにどうぞ。詳細はこちらをご覧下さい。
http://ayasachi.sweet-tone.net/kikaku/10y_anv_cd/10y_anv_cd.htm

今月のお題は

・好きだと顔に書いてある
・肉が足りない
・クロスロード

です。
八月〜十二月の企画及び1111111ヒット記念企画も鋭意継続中です。

Cube-Web.net終了騒動でスレ立てんの忘れてたぜよ(爆)。
メンテ

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Re: サイト開設十周年カウントダウン企画・一月 ( No.16 )
日時: 2011/06/25 07:04
名前: tamb


 ***** Traveling *****


 あの時、わたしは十字路に立っていた。
 今にして思えば、わたしはあの時、悪魔に出会っていたのだ。

 悪魔は人間の魂を欲している。理由はわからない。
 そして、悪魔はわたしの魂に目をつけた。ずっと気づかなかったけれど、つまり悪魔はわた
しを人間だと思ったということになる。何を根拠にそう思ったのだろうか。

 悪魔が魂を奪うための手口は実に緻密で用意周到、まさに悪魔的としか言いようのないもの
だった。

 わたしが部屋に鍵を掛ける習慣のないことを調べあげ、シャワーを浴びているタイミングを
見計らって勝手に部屋に上がり込み、わたしの裸体をじっくりと観察したあげく不自然に転ん
で押し倒す。
 わたしを怒らせ、平手打ちにさせる。
 笑顔を見せ、手を差し伸べる。
 美味しいご飯を食べさせる。
 さりげない一言で動揺させる。

 悪魔はそれと悟られないように、じっくりとわたしを絡め取っていった。

 そして最後に、強引な言葉でわたしを導いた。

 その時にはもう他に選択肢などなかった。

 わたしは悪魔の差し伸べた手をつかみ、魂を売り渡した。私を虜にした、優しくて、誰より
も素敵な悪魔に。


 今日もわたしは十字路に立っている。悪魔と待ち合わせで、十字路に立っている。
 神様、わたしを助けて。
 でもやって来たのは、やっぱり悪魔だった。わたしをきゅんとさせる笑顔を浮かべた悪魔。

「碇くん、それはなに?」

 手に持った包みを見てわたしが言う。

「フルーチェ。レモン味だよ。帰ってきたら食べよう」

 今すぐ食べたい。学校なんか休んでしまいたい。
 やっぱりわたしは悪魔に魂を奪われているのだ。
 ならば、悪魔の魂も奪ってしまおう。それがおあいこというものだ。

 わたしは眼を閉じ、軽く口唇を閉じて少しだけ上を向いた。
メンテ

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