Re: サイト開設十周年カウントダウン企画・十一月 ( No.19 ) |
- 日時: 2011/05/12 01:04
- 名前: calu
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■□ 息も絶え絶え - Thrill - ■□ 「碇くん、またやってしまったわ」 「ど、どうしたんだよ、綾波……ま、またATフィールドで父さんを打っちゃったの!?」 「違うわ。ギターを買ったの」 「そ、そう。それなら良かった…じゃなくって! こないだファイアバードを買ったばかりじゃないか!」 「必要なんだもの」 「で、でも、また高かったんじゃないの?」 「そんなこと無い。あのランディ・ローズの74年レスポールカスタムが、たった六十万円だったもの」 「た、高いよ!」 「問題無いわ。ネルフカード使えたもの。一回払いで」 「ええっ!? 来月、落ちるかなぁ? 実はさ、僕も今日さ、本部からの帰り道に、その…やっちゃったんだ」 「人でも刺したの?」
ちがうよ、これ、と足元に置いていたブラウンのハードケースを上がり框に置くと、シンジは宝箱を見つけ た子供のように表情を輝かせケースを開けた。
「67年のフェンダームスタングなんだ。昔チャーが使ってたのと同じものなんだけど、三十万円で安かった んだ」 「無駄遣いだわ」 「ど、どうしてさ? 必要だったんだから仕方がないじゃないか!?」 「嘘。碇くん、こないだストラト買ったばかり」 「違うんだよ。こいつのフェイズアウトサウンドじゃないとダメな曲も、その、あるんだ」 「シングルコイルの音、良くわからない」 「音像がデカいだけのハムバッカーとは違うよ」 「音だけじゃない。とても奇麗なの。見て、このランディローズホワイト」 「黄ばみ具合じゃムスタングも負けないよ! チューニングなんて全然合わないんだ!」 「碇くん、酷い。わたしのギター黄ばんでなんかない。チューニングも狂わないもの」 「…やっぱり決着をつけるしかないんだね、綾波」 「ギター・バトルなら受けて立つわ」 「じゃあ、僕は『スモーキー』。綾波は?」 「『クレイジートレイン』。じゃ、お先に。碇くん、アンプはこれで行くわ」
気まぐれな風にふわりと捲られたスカートのように、翻ったシーツの下から顔を見せたのは一点の曇りなき 1959RRの純白のヘッド。これも一回払いなの、と清流のようにシンジの耳を過ったレイの言葉に、エド ヴァルド・ムンクの叫びそのものの形相に顔をモディファイさせたシンジ。その無辜の少年を尻目に、レイの 怒涛のチョーキングビブラートが天地を裂く。
「ちょ、ちょっと待ってよ、綾波!」 「何?」 「その、もう少しストラップを長くしてさ、ギターを立てるように構えた方がカッコいいと思うよ」 「……こう?」 「い、いや、ちょっと後ろからゴメンよ。……こう、こんな感じでさ」 「いい感じだわ」 「うーん、でも、まだ何かが違うんだ、けど……そうだ! スカートが長過ぎるんだ」 「制服なんだもの……あっ、でも、このあいだマリが泊っていったときに忘れていったのがあるわ。あれなら 短い。ちょっと待ってて、碇くん」 「う、うん」
「どう、碇くん?」 「あ、綾波、いい、凄くいいよ。その、とてもカワイイよ」 「でも、何だかスースーするわ」 「それでギターを構えてよ。……そう、ヘッドを立てるように構えて」 「こう?」 「それでさ、少し脚を開くんだ」 「え?」 「こう!」 「ひゃん!」 「あ綾波、もう少しだけ、こう…」 「嫌…碇くん、いや…」 「ああ綾波、ダメだよ、さ、最強のメタルガールを目指すんなら、我慢しなくちゃ。ぼ、僕も我慢してるんだ からさ」 「何? 我慢って…嫌、碇くんの息…荒い……あ?」 「な、何さ?」 「……鼻血」
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……ごめんなさい、タン塩さん
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