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[563] サイト開設十周年カウントダウン企画・九月
日時: 2010/09/02 05:15
名前: tamb

月々のお題に沿って適当に書いて投下して頂こうという安易な企画です。作品に対するものは
もちろん、企画全体に対する質問や感想等もこのスレにどうぞ。詳細はこちらをご覧下さい。
http://ayasachi.sweet-tone.net/kikaku/10y_anv_cd/10y_anv_cd.htm

今月のお題は

・ごはんがおいしすぎて
・空の高さは
・Higher

です。
八月の企画、1111111ヒット記念企画も鋭意継続中、十月中には、インフォシークiswebライト
のサービス終了に伴う雑談掲示板「新・「綾波レイの幸せ」掲示板 二人目」移転記念企画も
ありますので(あるのか?)そちらもよろしくお願いします。

では、どうぞ。
メンテ

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Re: サイト開設十周年カウントダウン企画・九月 ( No.2 )
日時: 2010/09/02 21:09
名前: JUN


            空の高さはvol.1



肌寒い、とレイは思った。こんなことは初めてだ。レイが思った通りのことを言うと、シンジは笑
った。
「秋、って言うんだよ」
「あき?」
「そうだよ。セカンドインパクト前あった四季だね。僕も初めてだけど、悪くないと思うよ」
 これからもっと寒くなるよ、とシンジは言った。
「もっと?」
「うん、ミサトさんが言ってた。次に冬が来て、川が凍りつくんだって」
 そんなの耐えられない。
「わたしも凍っちゃうわ」
「ん、そうかもね……」
 つないだ手はそのままに、シンジは立ち止まった。
「碇くん?」
「そしたら……僕が暖めてあげる。こうして……」
 ふわり、とシンジがレイを包み込んだ。シンジの匂いに、心が落ち着く。
「あったかい……」
 よかった、とシンジが言い、より一層強くレイを抱き締める。火のそれとは全く違う、人の温もり。碇くんの、温もり……

「そういえばね、綾波」
「なぁに……?」
 答えるレイの声は、どこかふわふわとして捉えどころがない。シンジはくすりと笑った。
「昔の人はね、秋のことを“天高く馬肥ゆる秋”って言ったんだって」
「うまこゆる……?」
「秋ってね、空が澄んでて、涼しくて食欲も出るから、馬とかも太っちゃうんだって」
「天が……高いの?」
「うーん、不思議な言い方だよね。でも空ってさ、曇りがなくて綺麗に見えると、宇宙の果てまで広がってるような気がしない?」
「ん……」
 分かるような、分からないような。碇くんは、たまに難しいことを言う。でも、
「碇くんが言うこと、私にはよく分からないけど、でも――」
 シンジの背に回した腕に力をこめ、レイは言った。
「碇くんに出会ってから、私の世界は変わった。何の色もなかった世界に、色をつけてくれた。空が高くなったのも、きっと碇くんの……」
「綾波……」
 声を詰まらせるレイに、シンジはたまらなく愛しい気持ちになる。
「僕も綾波に会えてよかった。いつだって、君は僕を護ってくれてた。でもね」
 じっとレイを見つめ、シンジは笑った。
「これからは、僕が綾波を護るよ。僕意気地なしだから、ちゃんと護ってあげられないかもしれない
けど……」
「そんなことない。碇くんは言ってくれたもの。私、いつまでだって憶えてる……」
 レイも笑った。美しかった。
「綾波は綾波しかいない、って……」
「そうだった、ね……」
 そっとレイの背中をさする。それだけで熱い篭った息を漏らしてしまうレイが、やはり愛しかった。
「大好きだよ、綾波……」
「わたしも…………大好き」


△▼▲▽


「ねえ、いつ出るのよ?」
「うーん、シンジ君も気障だねえ……」
「……あんたが言うなら、きっとそうなんでしょうね」
「アスカ、君も言うようになったね」
「そお?アンタだって最近結構酷いわよ、カヲル」
「そんなことはいいんだよ、いつ出る?」
「ここが通学路じゃなかったらねえ……」
「自覚がないね。あ、アスカ、見てみなよ」
「え、ちょっと、嘘でしょ……?」
「……逸材だね、シンジ君は」
「あいつら結婚でもしたら、子供の将来が心配だわね……」
「全く、好意に値するよ………………はあ、シンジ君は……………………」
 熱い口付けを交わしつつ抱き合うシンジとレイを眺めながら、二人は鉛より重い溜息を吐いた。



                  おしまい
メンテ

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