Re: 3年目の微笑み/HIROKI ( No.2 ) |
- 日時: 2015/08/15 22:01
- 名前: HIROKI
- 参照: http://hiroki.dotera.net/suki/
- 「おい、ちょっといいか?」
彼は、隣のクラスの男子生徒だった。 彼は、僕にそう声をかけてから、じっと僕の顔をみた後、ついて来いという仕草とともに歩きだした。 突然、声をかけられて、僕は訳が分からなかったが、とにかく、いわれるがままに彼の後をおった。
彼が小さな喫茶店のドアをくぐる。僕もあとに続く。 彼はカウンターでアイスコーヒーを2つと告げた後に、奥のテーブル席に座り、向かいの席をあごで示す。
「・・・・・・」
彼は、向かいに座った僕の顔をじっとみる。 僕は、思わず、目線を下げて、テーブルをみる。
「オマエ・・・」
彼は、怒ったような表情で口を開きかけて、思い直したようにキッと口を結ぶ。
「・・・・・・」 「・・・・・・」
沈黙のまま、お互いに、相手の様子をうかがう。 アイスコーヒーが運ばれ、彼は、目の前のグラスを一気に飲み干す。 僕は、目の前に置かれたグラスをみながら、ゆっくりと口をひらく。
「あ、あの・・・僕が、なにか・・・」 「お前・・・本気なんだな?」
僕の問いかけに、つぶやくように彼が口を開く。
「え?」 「だから、本気で好きなんだなって聞いてんだよ」
突然の質問に、僕は顔をあげて問い返すと、彼は口調を少し荒げて、再び問いかける。
本気で好きか?・・・もちろん、そんなのは当たり前だ。 僕は本気で・・・アヤナミ・・・僕は君を愛している。
「あ、あたりまえじゃないか、僕は本気で・・・」 「・・・そうか」
僕の答えを途中で遮るように、彼は小さく冷静な声でつぶやく。
「それじゃあ、何があっても、お前は彼女を守れるんだな?」 「う、うん。もちろん・・・僕は彼女を守る。僕は、もう絶対に、彼女を放さない」
僕は彼の目を見返しながら答えた。
彼は、なぜ、僕のことを・・・綾波のことを知っているのだろう? いや、そんなことは、今はどうでもいい。 僕は、綾波が好きだ。その気持ちは、ずっと変わらない。だから、僕は待ち続ける。 そして、再び出会う。僕が綾波を守るんだ。今度こそは、もう2度と綾波を放さない。
彼は、真剣な表情で、じっと僕の顔を見る。
「わかった・・・お前を信じる」 「え?」
そういって、彼は、ふっと笑みを浮かべてから、伝票をもって立ち上がった。 僕は驚いて、彼の方をみる。
「俺、ムサシ。ここは奢る。俺が誘ったんだからな」 「あ、ありがとう・・・僕は、シンジ」
「知ってるって」 「あ、そ、そうだね・・・そりゃそうだよね」
「オマエ、暗そうな奴だなと思ってたけど、案外、ヒョウキンな奴なんだな」 「ひょ、ひょうきんって・・・そんなことはじめて言われた」
「まあ、コーヒー飲めよ。じゃ、俺はこれで」 「あ、ありがとう」
そういって、僕は、アイスコーヒーのストローに口をつける。 彼・・・ムサシは、ウインクをして、喫茶店から立ち去っていく。去り際にひとこと残して・・・
「桐島のこと、よろしくな」
---- この後、シンジがコーヒーを吹き出して、エラいことになったのは言うまでもない。
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