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[713] 3年目の微笑み/HIROKI
日時: 2015/08/09 21:23
名前: tamb

 HIROKIさんの手による「3年目の微笑み」は、なんと拙作「離れていても、どこにいても」の二次創作。一般にこういうのを三次創作といったりもしますが、二次の設定を使えば全て三次かというと違うような気もするので、そのあたりはどうでもいいということで。

 さてシンジ君ですが、というかシンジ君に限らず一般論として、14年間待てるかというと待てないんですよね、やっぱり。彼もそれなりにもてるだろうし、桐島さんみたいな女の子がいれば、余計に。
 シンジ君は高二で、それまで恋人らしき人がいた気配はありません。

> 別に友達がほしいとは思わない。誰からも関心を持たれなくていい。
> 僕はただ、生きているだけでいい。ただ、時が過ぎていくだけでいい。

 ただこうして、他人を傷つけたり自分が傷つくことを恐れ、自分の居場所なんかなくてもいい、みんなとの関係性から遠く離れて、ただしゃがみこんで生きていればいい、という生き方を恐らくはしてきたのでしょう。初デートで相手に「他に好きな子がいるんでしょ?」と指摘されるくらいです。肉体はそこにあっても魂は遊離している。これは相当なある種の中二病ですが、初期シンジ君の本質とも言えるでしょう。逃げちゃダメだ、というからにはどこかから逃げるわけですが、その「どこか」すらないという。

 それでもなお生きていこうと思うのは、レイが待っててねと言ったからで、そうでなければ彼は死んでいたのではないでしょうか。
 確かに綾波さんはずるいんですが、ヒトとしてもう一度シンジに逢うという決意をした以上、「待っててね」と言わなければならなかったのはギリギリの選択肢だったのではないでしょうか。

 しかし、こんな廃人同然の生活をレイが望んでいるはずはないでしょう。私がシンジ君なら心の中で「綾波、ごめん!」とか言って余裕で押し倒しますね(爆)。いや、私の話はどうでもよろしい。彼は桐島さん――いや、マナちゃんと呼びましょう――マナちゃんみたいな「華奢で、繊細で、柔らかくて」「優しくて……元気で……とても前向きな……」そして強い女の子に出会って、もちろん親友と呼べる同性の男の子にも出会って、自分を取り戻し、そして成長していくのだと思います。「待つ」というのはとりあえず忘れて、恋人と呼べる相手を見つけてもいい。レイと再会し、そういうことになった時に手慣れた感じで服を脱がすというのは私の願いでもあります(爆)。だから私の願いはどうでもいいって。
 告白する女の子が劇的に増えて思わず――なのか慌ててなのか――帰って来ちゃった、というのはくろねこさんの話ですが、この設定だとレイはまだ三歳の幼児です。気にすることはありません。いざレイと再会して修羅場になったとしてもその時はその時だ!(爆) 頑張れシンジ君! 待つというのはその場でただうずくまることじゃないんだ! マナちゃんがそれを教えてくれたんだ! 相手の女の子に失礼なのはその通りだけど、それはそれ、これはこれだ! もう一度言おう。無理かもしんないけど頑張れシンジ君!

 というわけで、素敵な話をありがとうございました。

 マキさんやミキちゃんは何してますかね?

 作品はこちら
http://ayasachi.sweet-tone.net/cont/hiroki/hiroki01.htm
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Re: 3年目の微笑み/HIROKI ( No.2 )
日時: 2015/08/15 22:01
名前: HIROKI
参照: http://hiroki.dotera.net/suki/

「おい、ちょっといいか?」

彼は、隣のクラスの男子生徒だった。
彼は、僕にそう声をかけてから、じっと僕の顔をみた後、ついて来いという仕草とともに歩きだした。
突然、声をかけられて、僕は訳が分からなかったが、とにかく、いわれるがままに彼の後をおった。

彼が小さな喫茶店のドアをくぐる。僕もあとに続く。
彼はカウンターでアイスコーヒーを2つと告げた後に、奥のテーブル席に座り、向かいの席をあごで示す。

「・・・・・・」

彼は、向かいに座った僕の顔をじっとみる。
僕は、思わず、目線を下げて、テーブルをみる。

「オマエ・・・」

彼は、怒ったような表情で口を開きかけて、思い直したようにキッと口を結ぶ。

「・・・・・・」
「・・・・・・」

沈黙のまま、お互いに、相手の様子をうかがう。
アイスコーヒーが運ばれ、彼は、目の前のグラスを一気に飲み干す。
僕は、目の前に置かれたグラスをみながら、ゆっくりと口をひらく。

「あ、あの・・・僕が、なにか・・・」
「お前・・・本気なんだな?」

僕の問いかけに、つぶやくように彼が口を開く。

「え?」
「だから、本気で好きなんだなって聞いてんだよ」

突然の質問に、僕は顔をあげて問い返すと、彼は口調を少し荒げて、再び問いかける。

本気で好きか?・・・もちろん、そんなのは当たり前だ。
僕は本気で・・・アヤナミ・・・僕は君を愛している。

「あ、あたりまえじゃないか、僕は本気で・・・」
「・・・そうか」

僕の答えを途中で遮るように、彼は小さく冷静な声でつぶやく。

「それじゃあ、何があっても、お前は彼女を守れるんだな?」
「う、うん。もちろん・・・僕は彼女を守る。僕は、もう絶対に、彼女を放さない」

僕は彼の目を見返しながら答えた。

彼は、なぜ、僕のことを・・・綾波のことを知っているのだろう?
いや、そんなことは、今はどうでもいい。
僕は、綾波が好きだ。その気持ちは、ずっと変わらない。だから、僕は待ち続ける。
そして、再び出会う。僕が綾波を守るんだ。今度こそは、もう2度と綾波を放さない。

彼は、真剣な表情で、じっと僕の顔を見る。

「わかった・・・お前を信じる」
「え?」

そういって、彼は、ふっと笑みを浮かべてから、伝票をもって立ち上がった。
僕は驚いて、彼の方をみる。

「俺、ムサシ。ここは奢る。俺が誘ったんだからな」
「あ、ありがとう・・・僕は、シンジ」

「知ってるって」
「あ、そ、そうだね・・・そりゃそうだよね」

「オマエ、暗そうな奴だなと思ってたけど、案外、ヒョウキンな奴なんだな」
「ひょ、ひょうきんって・・・そんなことはじめて言われた」

「まあ、コーヒー飲めよ。じゃ、俺はこれで」
「あ、ありがとう」

そういって、僕は、アイスコーヒーのストローに口をつける。
彼・・・ムサシは、ウインクをして、喫茶店から立ち去っていく。去り際にひとこと残して・・・

「桐島のこと、よろしくな」

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この後、シンジがコーヒーを吹き出して、エラいことになったのは言うまでもない。
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