Re: 親父補完委員会((笑))【ゲン ( No.43 ) |
- 日時: 2014/04/27 22:44
- 名前: 何処 ID:GKGJwdfN0QQ
- 【−月光V−】
『…かな?』
「はい、連絡が来ました。 UNからの都市復興予算無償貸与及び使徒迎撃設備緊急復旧予算の拠出執行は申請通り無事認可されました、総理。」
『うん、セカンドインパクト後の復興事業が一段落し低迷する国内産業には朗報だ。 碇君、君の尽力には感謝するよ。』
「しかし、今回は些か被害額が多くなりました。」
『構わんよ、人類の未来と言う大義名分もある。 寧ろ今回の被害は使徒の脅威を喧伝するのには具合が良い位だ。』
「人は見た目で判断する、と言う事ですね。」
『ああ、前回までの戦闘は専門家はともかく民衆に使徒の力を見せ付けるにはややインパクトが薄かったからな。 今回の戦闘記録は政府やネルフに対する反論を抑えるに充分な迫力だった。 そして人的被害を抑えられたのが一番効果的だったよ、これなら世論の誘導も楽だ。』
「反ネルフを唱える団体は未だ多い筈でしたが?」
『いつ、どこにでも反対派は居るよ碇君。 要は彼等を追い詰めない事だよ、過激派にならず且つ少数派に成らざるを得ない発言と表現の自由を保証しておけば良いんだ。』
「自由…ですか。」
『ああ、反対派は常にある程度存在する、言わば少数派だ。 統制は集結を呼ぶが自由である限り彼等は纏まらんよ、妥協出来ぬ故に彼等は少数派なのだから。 複数に分派してくれれば手間は更に掛からなくなるな。』
「私には纏まった方が楽に思えますが。」
『なあに、手数は掛かるが労力は少ないよ。 要は利害でお互いを牽制させれば済む話だ。』
「…流石は総理。」
『神輿相手におためごかしは止めたまえ碇君。 君程辣腕で無い凡夫が経験から編み出した苦肉の策さ。』
「総理の御苦労はお察ししますよ。 何しろこの国で使徒迎撃を行うネルフと言う組織に反感を持つ存在は多方面に広く居ますから。」
『それはネルフの責任では無いよ、 どうせ使徒に負ければ世界中が旧東京や南極と同じく滅ぶしか無いのだ、ならば何処で戦おうと一緒だ。 寧ろ使徒迎撃都市を設営したお陰で他国に先駆けて復興を成し遂げたのだからリスクは甘んじねばならん。』
「ご理解感謝いたします。党への力添えも微力ながら…」
『期待させて貰うよ…で、碇君。君は‘JAプロジェクト’と言う話を聞いた事があるかね?実は…』
―――
市内のホテルで行われた総理との極秘回線による密談が終わり、私は待ち受ける車両へ乗り込むべくロビーを出た。
既に街は夜の帳に覆われている、私を迎えたのは二台の護衛車両、一台のロールスロイス、SP達、そして…
独り夜空に輝く月だった。
車に乗り込み、貴重な時間を仮眠に充てるべく瞼を閉じる。
睡魔に身を委ねながら私は先日の赤木博士とのやり取りを思い出していた…
―――
執務卓を挟み一組の男女が向き合っている。
固い表情のまま立っている女に、男は手にした一冊のファイルを示して事実を告げた。
「そうだ…これこそがマルドゥク機関そのもの、これはエヴァンゲリオンパイロット候補者名簿だ。」
「な!?」
珍しく慌てた様子の女に男は何時もの姿勢のまま答える。
「もう一度言おう、このファイルにはエヴァンゲリオンパイロット候補チルドレン達が記されている。」
「そ、そんな!?既に候補者が?だってまさか…」
「…エヴァンゲリオンパイロット適格者たるチルドレン、オーナインシステム適合こそがその条件…確率的には千億分の1。 しかしチルドレンは3名…確率的にほぼあり得ない事は君も理解している筈だ。」
「…つまりオーナインシステムは…虚偽だと?」
「否、確かにオーナインシステムは存在し、その同期確率は千億分の1だ。しかしそれはある条件下において変更される…」
「条件?」
「エヴァンゲリオンパイロットたるチルドレン、彼等が何故シンクロ出来るのかは承知しているな?」
「…拝見した画像で…」
「ファーストチルドレンを除けばエヴァンゲリオンに血縁者…母親を取り込まれた存在がチルドレンとなっている。」
「それは納得出来ます、しかし今回のあの2人はエヴァと直接関係は」
「そうだ。エヴァとあの2人の接点は無い…」
「ならば何故あの2人がシンクロ出来るのです!確かにシンクロ率自体は数%に留まり起動数値には達していません、しかしそのシンクロ出来た事自体が異常です! シンクロ反応を出すだけでも確率はオーセブン…10億分の1です、それが2人揃うなど」
「有る。」
「!?」
「エントリープラグのブラックボックスは君も知っているな?」
「はい…新規導入システムのデータ収集装置…ではないのですか?」
「そう、確かにあれはデータ収集も行っている。そしてそれはデバイス機能と簡易バックアップ及びブースト機能も備えた言わばチューニング装置だ。つまりこのブラックボックスは搭乗者のシンクロ補助を行っている。」
「何ですって!?」
「サードのエヴァンゲリオンへの急速なシンクロ適応を見て気付かなかったか? 言わばつたい歩きの赤ん坊がこの短期間に駆け足はおろか道具の使用、それどころか近接格闘までをもこなすその異常性に。」
「…それは…」
「初号機初陣のあの有り様を考えれば判るだろう、あの局面で暴走…自己防衛機能発現により機体保護機構の自律戦闘プログラムが起動しなければ使徒撃滅はおろか戦闘行動すら出来ずに全てが終わっていた筈だ。」
「しかし司令は出撃させ…暴走を予期されていたのですね?」
「…話を続ける、シンジのエヴァンゲリオンとのシンクロが如何に深化しようが機体に基礎稼働能力が無ければ人の行動思考をトレースして稼働は出来ん。 そしてエヴァンゲリオンへの基礎行動情報入力は二度失敗している…あの画像の通り。」
「…」
「しかし現実はどうだ?本人と機体の適性だけでは説明出来まい。 当然だ、レイによる基礎稼働データを元に基本稼働補正情報を得たブラックボックスの恩恵こそがその理由なのだから。」
「成る程…」
「ブラックボックスはシンクロ試験毎にその情報から学習・自己進化し、機体特性に特化し成長する。 1度の試験で0,001%の情報でも100回で0,1%…10年に渡るレイによる実験は2%の確率上昇を生んだ。 即ち全く適性の無い者でもブラックボックスを搭載したエントリープラグに搭乗すればシンクロ率は2%程度記録される。」
「…それにしてもこの数値は異常です。それに何故その情報が極秘なのです? 確かに無人運用システム化計画は機密扱いですが誰でもエヴァに乗れる様になれば…」
「ああ、君も知っての通りエヴァンゲリオンは将来パイロット不要になる…だがそれは誰しもが乗れる事を示す訳では無い。」
「…何故です?」
「その理由は後で説明する。加えてこのブラックボックスは簡単に生産出来ない。」
「は?」
「このブラックボックスは人間を利用して作られているからだ。」
「!?」
「このブラックボックスの製作には生贄が必要なのだ。」
「生…け…贄…」
「君に見せた実験映像…あれが決め手になった。彼女により初号機はインフィニティ化したと考えられる…」
「…インフィニティ?」
「使徒人間…疑似使徒と言える存在だ。君が極秘に調べている旧東京壊滅、その発端はインフィニティ…そしてそれがが全ての元凶だった。」
「…全てお見通しでしたか…」
「話を続けよう。壊滅の原因となった使徒は首都に出現すると同時に人々を同化して行った。今我々はこれを使徒汚染と呼んでいる。」
「使徒…汚染…」
「そうだ。そして我々は使徒と共に彼等をも処分せねばならなかった…最初のエヴァンゲリオンを犠牲にして。」
「最初!?まさか!」
「その説明も後だ。この使徒に同化され半使徒化した人間達を我々はインフィニティと呼称した。南極においてもインフィニティ化した犠牲者は存在する。その数15名…」
「15…!?そ…それはもしや…」
「そうだ、使徒とは彼等の成れの果てだ。 インフィニティと化した彼等は本来不死身、だが彼等はセカンドインパクトにより発生したアンチATフィールドにより個体を消失し…彼等エルダー達はLCLと化した。」
「A…T…フィー…ルドの…喪失…な、なんて事…それでは人間…いえ、全ての生物がその存在を保持出来なくなる…」
「セカンドインパクトにより発生したアンチATフィールドの広域展開により南極圏全ての生命は無に帰した筈だった。 だが個を喪失し肉体を消滅され尚彼等インフィニティはLCLより進化、アダム化して復活した。 彼等は人の殻を棄て遂に記憶と個性を無くし全ての意識が共有された存在…使徒となり甦ったのだ。 即ち使徒とは15の魂を持った同一の存在、彼等を完全に無に還すには15回彼等を倒さねばならない…これが15使徒が存在する理由であり一度の出現個体が一体である訳だ。」
女の顔に再び緊張が走る
「そ…そこまで判明していて何故…い、いえ!それより!今の話とブラックボックスやあの少年達のシンクロ率に何の関連が?」
「先ずはシンクロ率から説明する、エヴァンゲリオンは元来人造人間に改造を加えた無人稼働の自律戦闘機械…言わば一種のサイボーグ、或いは生体兵器だ。 だがその無制限な能力を我々人類はコントロール出来なかった。 やむを得ず性能低下を忍びデチューンと有人化が図られた結果が現在の機体だ。 だが有人稼働には問題があった…機体の暴走を抑え人間のコントロール出来るレベルへの改造を以てしても未だ機体の能力は人間の操れるレベルを遥かに越えていた。 しかし使徒を倒す為にはこれ以上のデチューンは不可能、故にチルドレン…エヴァンゲリオン同調適格者の捜索が始まった。」
「チルドレンの条件…機体と同調し、人間の域を越えた感覚を受け止められるのは成長期の若者のみ、それもヒトとしての自我が確立していなければならない…でしたね?」
「そうだ、さも無ければエヴァンゲリオンに過剰同調し精神を汚染され最悪あの映像の様に自我境界線を喪失しLCL化する。 もし生き延びたとしてもヒトとしての自我は崩壊しエヴァンゲリオンと同様意思の無い人形と化すだろう。 ブラックボックスはエヴァンゲリオンとの緩衝材…同調抑制装置としても機能している。」
「…」
「このブラックボックスと新規開発中のシステムを組み込んだエントリープラグ…我々はダミープラグと呼んでいる、これは人工的自律戦闘行動補助システムだ。 このダミーシステムの核は搭乗者の運転の癖や反応を自ら学び、成長するブラックボックスにより成立している。」
「…マギと一緒ですね…」
「そうだ。だが説明の通り誰しもがエヴァンゲリオンのパイロットになれる事は出来ない。 確かに最低稼働シンクロ率を越える確率は在るが、チルドレン以外エヴァンゲリオンを動かす事は出来ん。 言い方を変えよう、チルドレンとはブラックボックスに同調出来る人間の事だ。」
「ブラックボックスに同調…生け贄…チルドレンと言う呼称…もしやブラックボックスとは…」
「話が早くて助かる。 そうだ、このブラックボックスはインフィニティと化した人間を利用して作られた。 そしてこのファイルには旧東京でインフィニティ化したであろう人物とその血縁者のリストが有る。」
「…インフィニティ化した人物の…血縁…? しかし旧東京の犠牲者は全て消滅したのでは? ブラックボックスの元になる人間自体が存在していないのにどう製さ…まさか…そのリスト内の生き延びた誰かを…」
「違う。 ブラックボックスに使用しているインフィニティだが、このリストには記載されていない。 何故ならこのインフィニティは旧東京を壊滅に追い遣った使徒に列なる存在だからだ。」
「使徒に列なる…言わば半使徒ですね、いつ使徒化してもおかしくない…」
「…このネルフにはエヴァンゲリオン初号機以外のインフィニティが存在する、それは君や私の側に居る。」
「!」
「…レイだ。」
《FIRST》 http://www.youtube.com/watch?v=GKGJwdfN0QQ&sns=em
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