Re: 親父補完委員会((笑))【ゲン ( No.56 ) |
- 日時: 2014/07/27 15:50
- 名前: 何処 ID:mtNBkCE4SAE
- 【−都合と思惑U−】
「おい、時田さんはどこだ?」
「格納庫ですよ、もう嬉しくて仕方無いんじゃないですかね?」
「だろうな、何しろアレ(JA)は時田さんの情熱の結晶だからな。」
「私達もですよ、あれは傑作ですからね。」
「そうだな…じゃ格納庫に行ってみるよ。」
「あ、いたいた。時田さーん!」
「おお、筑紫君か。見たまえ、このジェットアローンの勇姿を。」
「…漸く完成しましたね…。」
「ああ、やっとだ… 歩行試験も済んだ、後は調整中のS装置再搭載待ちだ、これさえ完成すればもう大丈夫だ、無駄な金食い虫のネルフはおろか役立たずの戦略自衛隊すら不要になる。」
「全くです、こいつの性能を見てネルフや戦略自衛隊の連中がどんな顔をするか楽しみですね。」
「ああ、空間偏向による物理的遮蔽技術なぞ奴等には真似出来んよ。」
「全くです、ミサイルもレーザーも絶対直撃出来ない、レーダーすら正確な位置を把握出来ない、将来的には完全ステルスによる光学迷彩効果も…」
「ステルス時の照準方式さえ確立出来れば現時点でも完全ステルスは可能だよ、まぁ“能力的には”だが。」
「戦闘モードでの連続使用は実機試験では05:28でしたね、設計上08:00以上持つ筈でしたが…」
「うん、残念ながらそれが現状だ。 リミッターを切り出力全開にした完全ステルス状態ならば概そ想定出来る稼働時間はその1/4弱…恐らく1分強程度で機器能力が限界になるだろう。 最も使徒相手ならそれで充分だろうな。」
「何しろ相手の肉体は一応生物の域ですからね、パワーなら絶対値が違います。例え外装兵器無しでも殴り合いならこっちの勝ちですよ。 それにウチで納品したプログレッシブナイフは見事使徒に通用しましたからねぇ、格闘になれば腕部に仕込んだ内蔵型単分子切断刃の威力を発揮出来ます。」
「ああ、幾らエヴァンゲリオンが1万2千枚の特殊装甲に守られているとは言え所詮有人機だ。こちらは同等以上の装甲を備えた自律戦闘機械、端から比べ物にならんよ。 ましてや運用費は概算でエヴァンゲリオンの1/4以下、兵装内部搭載量はエヴァンゲリオンの数倍、実に護衛艦2隻分だ。 加えて外部兵装携行も可能、行動制限時間は殆ど無し、量産可能、既存インフラで整備可能な上に平時には発電施設としても救難機器や重機代わりにもなる、将来的にはダウンサイジングも可能…」
「小型化すれば民生用も考えられますしね、これからですよ、時田さん!」
「ああ、これからだよ…そう、そうだ、これからだ。」
《CHILD ONLY》http://www.youtube.com/watch?v=mtNBkCE4SAE&sns=em
―――
「で、どうだ?」
「はい、トライデント計画への参加は認められました。 私達の持ち分はリアクター及び胴体装甲板の完全依託受注生産です。」
「そうか…これでやっと一息つけるな。」
「全くです…大型リアクターと違い民生用には需要の低い超小型リアクターでしたからね、 これを単価の高い軍事用として売り込めたのは成功でした。」
「他社はどうだ?」
「日ノ出が脚関節、東山がタービンを落札しました。」
「ふむ…妥当な所だな。どれも特殊技術だから単価が稼げる…これで各社から恨まれずに済むよ。」
「ええ、JA計画では大分借りを作りましたからね、彼等も単価で稼げる特殊部位を落とせて何よりでした。 そもそもリアクターに限らず民生品は既存のインフラや規格に合わせて生産しないと各方面の既存権益に影響が出ますからね。 例え高効率かつ安価な新製品を開発出来てもインフラの更新頻度によってはそもそも販売しない場合がありますし。 …しかし自分で言うのも何ですが、質の悪い詐偽みたいな物ですね。」
「まぁそう言うな、我が社もそれで食っている以上人の事は言えんからな。 この絶対資本主義の元では折角の新製品も儲けが薄ければ無意味だ、技術陣には気の毒だが…」
「止むを得ませんな、革命的新製品で社会を変革するより先ずは我々の食い扶持を稼ぐのが先ですから。」
「全くだ…JA計画も余りに敵を作り過ぎた。 今の我々では単独でJA計画を推進する余力は無い、さりとて現状では他の部門を切り捨てねばJAは量産出来ぬ上に特許の関係上造れば造る程赤字となる。 負け戦と決まったJA計画の為に既存権益を賭ける様な馬鹿な真似をする訳にはいかんからな。」
「…只のデモンストレーター計画がとんだ化け物企画と化しましたな。 しかし勿体無い、折角の新技術を詰め込んだコンセプトモデルとしては完璧な開発機が完成前からスクラップ行き確定とは…」
「朗報もある。リアクターの売却先はJAを暴走させる気だ、こちらの裏プログラムに気付かずハッキングして来た。」
「では…ウイルスを?」
「うん。見事な出来らしい、間違い無く暴走するだろう。」
「…これで予定のリストラ計画に口実が出来ますね。」
「こちらで小細工を労せずにな、加えて向こうの尻尾も掴んだ。 これでもし向こうがパテント料で悪どくゴネてもいざとなればこいつで黙らせられる。」
「ほう、其程に悪質な代物でしたか?」
「ああ、解析担当者の報告によれば機体が暴走しリアクターも制御が切れ最終的に自爆する事になるそうだ… 機械的安全装置さえ無ければだが。」
「あの設計図に無い安全装置ですか… しかしタイマーによる自動停止装置とは余りに原始的だと思いましたが…手は打っておく物ですね。」
「最もこの事実は私達しか知らん…つまり暴走の責任は現場に在り、と言う訳だ。」
「…時田君も気の毒に…」
「その分見返りは用意するさ、流石に我々の都合だけで彼程の技術者を使い捨てには出来まい。 当面開発部門の子会社へ技術顧問として出向して貰う、本社へ呼び戻すのはほどぼりが冷め…」
―――
「碇、青葉がJAの詳しいスペックを調べ上げて来たぞ。」
「そうか。」
「連中やけに自信を持っているなとは思っておったが…見ろ碇、こんな玩具をいつの間にか手に入れておった。」
「…ほう、これは…」
「うむ、擬似ATフィールド発生装置だ。」
「単独で開発出来る代物では無いな、恐らく例のペタニアベースから流出した情報を元に重工連が開発した代物だろう。」
「多分な。しかしこのS装置の正体がネルフから流出した技術だと知ればさぞ… 否、そもそもATフィールドの正体が多層湾曲空間とは彼等は知らんか。」
「しかし擬似ATフィールド発生装置とは…我々も彼等の実力を侮っていた様だ、これなら確かに自信も頷ける。」
「相手が使徒以外ならば…だがな。」
「ああ、使徒相手には空間偏向など意味が無い…SS機関と核融合炉では絶対出力があまりに違い過ぎる、この程度の出力なら逆に無効化されて終わる。」
「全くだな…開発者には同情するよ。」
「最も実戦に出る前に破棄される運命の機体、開発者の目前で使徒にあえなく撃破される姿を見せる事は無い訳だ、それは或る意味救いだろう。」
「そう…だな…」
―――
信州・松代
旧軍総司令部として戦時中用意された地下壕跡は現在ネルフの予備頭脳たるMAGIー2ndを擁するもう一つのジオフロントの体を為している。
そのMAGIー2ndに緊急通信が入ったのはネルフ本部のMAGIが定期メンテナンスの為休眠状態に入った直後の事だった。
…生体細胞保持物質飽和液(LCL)生産装置保護用に現在製造中の人造蛋白壁(BBC)生産ラインにて何者かが侵入した形跡有り、ネルフ本部へ搬送済みの為現地にて汚染が無いか確認を依頼…
…該当輸送機内にて乗員以外の生体反応を感知、急遽新香港国際空港に検疫の為着陸を指示、乗員はP4施設にて120Hの隔離予定…
…機内点検の結果機器に異常は見付からず何者かが侵入していた可能性大なるも捜査員・捜索犬・各種センサー装備の無人捜索機の何れも対象を発見出来ず、尚捜査員、捜査犬も機内捜査終了後72Hの隔離を指示…
…現在機体より搬出した輸送物を調査中、調査後点検整備の後船便に積み換え第三新東京へ発送予定…
…搬入予定のBBCは到着次第精密検査の後、異常発見時には破棄処分とする。異常無しの場合はランクをCランクに格下げし、δユニット以降の部位へ使用制限を掛けるものとする…
―――
「お帰りマユミ、早かったね。」
「…ただいま帰りました、お義父さん。」
「うん。そう言えば今日は学校の企業見学会だったそうだが…見学先はどうだった?」
「良く…解りませんでした。途中で気分が悪くなって…」
「それはいけない!先生は病院へ連れて行ってくれたかい?」
「いいえ…救護室で休んだら良くなりましたし…貧血だろうと見学先の保健夫の方も…」
「そうか…しかし無理はいけないな、ちゃんと朝御飯は食べているのかい? いつも残しているそうだが…家政婦さんも気にしていたよ、そう言えば夕食は?」
「いえ、未だ…」
「では今夜は久々に食べに出ようか、お父さん最近中華の美味しい店を紹介されてな、今度そこへ…」
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