Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう ( No.1 )
日時: 2009/05/31 00:00
名前: Various


【Date:】 13 May 2009 20:38:00
【From:】 "tamb"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

一部修正。

>>20
>まぁそういう意味じゃ、レイに

レイじゃねぇや(爆)。
レスは後ほど(するかもしれない 汗)。



【Date:】 13 May 2009 20:54:00
【From:】 "鯖"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

ま、結論としては、EOEとは、

EOEに至るまでは「自分の物語の中の他者」であった筈のレイの状況や情念すら「無視して、気付こうともしないで」、只管「我が身の不幸」を嘆き、とりあえずヒステリー起こしても自分に「独占欲と言う名の好意・執着」を示す(とあの精神世界?の中でシンジが見なした)アスカとの「修羅場」で自己憐憫に浸る…そこで今度は「自分に都合の良い包容力を示すレイ」に「やさしく諭される」…

ど・こ・ま・で 自分に甘く他者に無神経な話なんだ…と(苦笑)

そんな状況で「傷つけられても他者を求める」決断の勇気、とか一歩、と言われても、それでレイは首切り落とされるし世界はなんかエライ事になってるし…

あれで「希望はあった」「良かった」と言ってる人たちの発想は「どーなっとんじゃ」と思った訳ですね(苦笑)『俺は未成年の犯罪者には厳しいんだよ!』と思わず言ってしまいそうになります(笑)

更生、ってのはな…テメエの罪を悔いて、テメエが手に掛けた相手の事を決して忘れずに日々心がけて、一生かけてやるもんなんだよええ?というのは脱線ですが(苦笑)

結局、「都合の悪い存在」…「人造人間、モンスターとしての得体の知れない少女」と言う意味でのレイをシンジは「一度として受容していない」!拒絶し、逃げて、結局「わがままと事態収拾の道具」として使い捨てて「希望なのよ」と言うなーんか物凄く「都合の良い理由」で「もう用済みだからいいや」とやっている(苦笑)

これで「他者との云々」と言われても…全く説得力の欠片も無い(苦笑)そして、それを「肯定的に再生の物語」として読み解き批評として語った人々の「他者」観と言うのも…まあ、実に都合の良いものじゃあないか…と。

なんだか「更生した少年は被害者の事は忘れるべき」と言う理屈に「それは更生って言うんだろうか?」と言う根深い疑問を抱いたのと似た「ざらつき」だけが残ってしまう。

そんな印象を「ずっともっている」訳です。
EOE現象、と言うものには。

まあ、そんな「感覚」が勝手に呼び覚まされてしまっただけの事で、これは…前述の如く緒形様の作品とは「何のかかわりも無い事」なのです。

純粋に小生の「思い出」を、こんな記憶が呼び覚まされました…と再びの語り草にしただけの事なのです。

ほんとうに御迷惑をお掛けしていると反省だけはしています(汗)

「こんなものは感想とは言わない!」とお叱りを頂くのを覚悟で、ついつらつらながながと書いてしまいました。

恐らく呆れていらっしゃる事と思います。お付き合いいただき、本当にありがとう御座いました。



【Date:】 14 May 2009 00:00:00
【From:】 "緒形ゆう"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

 『幸せをつくろう』を書いた者としての願い(?)と、緒形個人としてのちょっと考えて
みたところをつらつら書いてみます。

 tamb様

>これは要するに〜というようなことであると思います

 この手の「常識」がない私に大きな助けとなりました。なるほど、そう考える人もいるん
ですね。私の「解釈」と重なる部分もあるのでしょうが、私はこの発想には行き着きません
でした。

>まぁそういう意味じゃ、レイに

>――全てのシミュラークルは一者をもとに記憶資源から生み出され、流出し、生成
>変化し、脱構築され、記憶資源となり、またシミュラークルが生み出される

> と言われて、

>――うん

> と納得するなよとかは思うけど(笑)。

 後に修正されていらっしゃるのも拝見しました。十分伝わるので大丈夫です。

 この指摘は痛いです。ごめんなさいとしか言えません(泣)甘かったですね……もう少し
別のセリフが必要でした。
 痛いですがこういうツッコミはとても参考になるのでありがたいです。

 鯖様

 やはり年季が入っていると違いますね。鯖さんの想いの強さに感服いたしました。
 呆れるはずがありません。参考になりました。

 その「状況」を体験していない私としては、うまく想像力が働かない部分もありますが、
様々な取り交わしがあったことだけは漠然とではありますが想像できました。「上記に述べ
た「疑問」だの「癇癪」だのは全て、「97年から数年間における当時のエヴァ及びそのファ
ンフィクション等を取り巻く言説」に向けて発せられたもの」であることは私自身ちゃんと
理解しておりますので、その上で少し思ったところを書いてみます。

>と言うかここで述べたパターナリズムとは概ねこの形の言説から始まる一連の理屈及びそ
の強要を指したりします

 話しがややこしくなるのであまり深くは掘り下げませんが、サブカル界が持っていた「パ
ターナリズム」とは別に、もう少し一般的な視点で、というよりもう少し話を広げて考えて
みると、私としては「パターナリズムの連鎖」にいつも慎重でありたいと考えています(感
情論的には鯖さんに近いと言うのはそれを指しますが)。
 FF界(というより作品内)でもパターナリズムは特に綾波レイを扱った作品に多く「追
いかけて」くる傾向があります。というものシンジ(もしかしたら作者)の「幸福観」を、
綾波レイに押し付ける場合があるからです。彼女の設定(ヒトではないとか、部屋がやばい
とか、食事がおかしいとか)を「利用」して、「人間らしい」生活を「させてあげる」よう
な状況のことです。かなり意地の悪い言い方ですが、これも一種のパターナリズムですね。
(その多くが「料理」や「掃除」や「洗濯」など「母性的なもの」の体裁をとっていること
は不思議なねじれですが)
 もちろん、重要なのはそういったパターナリズムが見られるかどうかではなく、話そのも
のに強度があるかどうかなので最終的には関係のないことなのですが、「パターナリズムの
連鎖」のようなものが見られることだけは気にしていても悪いことではないと思います。こ
の手の話は今作よりも『アイのあいさつ』とそのコメントで重点的に考えたことです。
 『海辺の生活』を勧めてくださった鯖さまはこのあたりに敏感なのではないかと勝手に想
像してみました。

>そう、「お人形」なんです。EOEに於けるレイは。完全に。感情も感覚もそぎ落とされた正
しく傀儡に過ぎない。
 
>ただ、崩れ落ちる彼女の首から血が迸るシーンがあまりに痛々しく、無残で哀れだった事


 このあたりの見解はもしかしたら鯖さんと私の大きな相違点かもしれません。『幸せをつ
くろう』にも関係してくるので少々。議論をふっかけているわけではなく、作品の解説がし
たいだけなのでご容赦ください。
 綾波レイの「二人目」「三人目」論はとても不毛で生産性がないと思うのでしませんが、
私は「綾波レイ」は23話で死んだと思っています。それは生物学的にどうとか倫理的にど
うこうと言う話ではなくて、製作者としては「希望」としての綾波を消し去り、シンジに絶
望を与えることを意図していたと思われるこの話以降、彼女を「生かしておくわけにはいか
ない」と思うのです。ですので「いや、三人目の綾波だって記憶があるから綾波だ!」とか
「三人目は二人目とは違う!」という議論以前に、シンジに少しでも希望を残すなら23話
でもっと別のアプローチをしていただろうと私は思います。トウジがテレ東の規制を受ける
前の原案や貞元版では死んでしまうのと同じレベルの話です。
 ですので私としてはEOEで綾波レイ(リリス)が、綾波レイらしからぬ行動をしたとし
てもまぁ仕方ないと思っています。鯖さまのおっしゃるとおり装置ですね。あのやり方はな
かなか意地悪だとは思いましたが(笑)
 もちろんFF内ではどう設定しようと自由ですが、少なくとも本編に沿うのであれば、私
なら他のプロットを考えます。
 『幸せをつくろう』の1〜5に出てくるレイはシンジが願っていた綾波レイ(ある意味都
合のいい綾波レイ)です。3の“物語”の影響や4でシンジが頑張ることが幸せを掴むこと
の経過になっているのはそういう意味合いを含ませてあります。その過去を「受け入れる」
ために5があるわけですね。

>(二度も、男に裏切られて死んだのですよ。彼女は…)、
 
>結局、「都合の悪い存在」…「人造人間、モンスターとしての得体の知れない少女」と言
う意味でのレイをシンジは「一度として受容していない」!

 上の延長です。シンジがレイを「受容」する必要があるかはどうかを、私は少し悩んでい
ます。本編では二人の描写が少なすぎたので……貞元版では二人の交流がかなり丁寧に描か
れているので説得力がありますが、少なくとも旧劇場版の時点では私はあまり想像できませ
んでした。このあたりも『アイのあいさつ』のコメントで書きましたしテーマの一つでもあ
ります。
 それと、5に関係することなのですが、私としては23話以降シンジがレイを避けるよう
になったのは、彼女が「ヒト」じゃないからとか、いっぱいいたからとかではなくで、目の
前で「崩壊」(リツコ的には「破壊」)する様を見せられてしまったからではないかと思っ
ています。自分の大切な人が目の前でバラバラ(頭や腕や足が引きちぎれ、目玉や臓物が飛
び出し、肉塊と化していく)にされたら、その人はどんな気持ちになるのでしょう。それも
大量に。シンジはレイを見るたびにそのことを生々しく思い出してしまうため避けているの
だと思います。5ではそうはなりませんでした。

 そしてなぜ「これは…前述の如く緒形様の作品とは「何のかかわりも無い事」」とおっし
ゃられたことをわざわざ蒸し返すのかと言うと、鯖さんの強大なコメントに『幸せをつくろ
う』が押し潰されないようにするためです(笑)無礼を承知で作者としての願いを少し書き
ます。

 もしかしたらコメントを見てくださっているかもしれない読者の皆様

 しばらくEOE(エヴァ)解釈やそれに付随したコメントが続きましたし、私自身その方
向でお答えさせていただきました。しかし、EOEに直結するような要素を持っているのは
『幸せをつくろう』では6だけです。他の話はさして関係ありません。
 謎解き(もしくはカタルシス?)が6に集中しているため、もしかしたら6のインパクト
はそれなりに強いかもしれませんが、実際のところ6は重要ではありません。NO.13のコメン
トに「サードインパクト(もしくは人類補完計画)を二次創作の手法を使って表現する」と
書きましたが、重要なのはそのサードインパクトを表現しようと試みた1〜5です。そして
シンジがどういう行動を取るかの結論は、一応は5の最後の時点で出てしまっているわけで
す。6は風呂敷をたたむために用意された、いわばエピローグのようなものです。
 恐らく、読んでいただいた方々の多くは1〜5を読んでいる間「??」となったと思いま
す。その「??」となっていたときの印象(「くだらん」とか「もしかしてこうかな?」)
を私は知りたいと思っています。tambさんにレスがつけにくいと言われてしまいましたが、
それぞれの話し自体はごく普通のFFだと思います。その、それぞれのFFが読者にとって
どのくらいの強度を持っていて、全体としてみたときにどのように見えるか(こんなのは全
然甘っちょろい!いや、結構シンジ頑張ってるじゃん!3だけは好きだ!全部退屈!等々)
そして補完機能を持っているかどうか、それが私が知りたいところです。ただ、そんなこと
考えるほどの強度も魅力もないと言われてしまえばそれまでですが……
 
 そして、細かいレベルでもいろいろ散りばめたつもりです。No.5のコメントでD・Tさん
が「アスカが、シンジの左頬をなでて御飯粒を取るシーンがすごく良いです。不気味だと感
じました。映画のラストシーンを、ここに持ってくる事に何かの意味がありそう。」とおっ
しゃられたのを見て私はもったいないことをしたかな、と思いました。その読みを私は想定
できませんでいたが、アスカとシンジに関してはそういう伏線をもっと張ってもよかったか
なと思っています。少なくともこの時点で「映画のラストシーン」を想起されたD・Tさん
は素晴らしいです。そういう細かいレベルの要素を少しでも触れようと、今回鯖さんのコメ
ントに合わせた形でいくつか解説してみました。私自身の解釈の正当性には全く興味ありま
せんが、この小説の中でどれだけの役割を果たせたかは気になるところです。

 
 以上ですが、要は見るべきところは1〜5にある!ということです(笑)でないとこんな
長い物語になりませんので。無理に感想を求めるわけではありませんが、ご理解だけいただ
けると嬉しいです。

 いつもながら長々と失礼しました。



【Date:】 14 May 2009 01:18:00
【From:】 "鯖"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

すみません、捕捉です(汗)

と言うか、その「パターナリズム」について折角振っていただけたので何も書かずに済ませてしまうには余りに惜しい…(笑)

すなわち、
>というものシンジ(もしかしたら作者)の「幸福観」を、綾波レイに押し付ける場合があるからです。

のご指摘ですね。素晴らしい!

まさに、「我が意を得たり!」です(笑)実は、それは小生にとってのFFに関する重要な問題?となっているからです。これも十年越しで思っていたことですが、常に苛立つことは

「何故、ありのままのレイを受け入れることを考えないのか?」

と言う事でもありました。彼女が苦痛を感じてまで「ヒト」になる必要はない。むしろお前(シンジ)が「人外の女神」にいかに寄り添い生きるか、そっちの方を考えろ!と(苦笑)そして「人間の価値観」と言う狭い枠から一皮向けた男にならんかい!と(笑)

その辺のパターナリズム批判と言うのも、実はすでに…有名な高島氏の「かくしEVA」に対する罵詈雑言に近い批判を小生がカマす、と言う見苦しい形で延々とやったりしていたのです(苦笑)

アスカに憧れながらレイに対して「父親」の如く「人間的価値観」を「教え込む」シンジ、と言う物語は小生の如き輩に「到底受け入れられるものではなかった」訳です(苦笑)そして、あまりに其れに対して「純粋かつ従順な」レイと、そのレイの「人形」振りに内心物足りなさを感じ、アスカと常に比較しているようなシンジ…まあ「おふざけで無いよ!」みたいなことは言いました、散々(苦笑)

大人気ない、とはまさにこの事ですが(苦笑)

まあ「自分で勝手に人形として描いといて、しかもその「欠損」とやらにコンプレックスを持ちつつ、アスカの方ばっかり見ているシンジに一途にほれているレイ」???

舐めとんのか?などとつい言ってしまった訳です(苦笑)なーにさまのおつもりで?とか(苦笑)

こう言う事もあって、その種のパターナリズムは…激しく「拒否反応」を喚起するネタの一つだったりもします(笑)

まさにその「価値感の押し付け」は小生にとり時に耐えがたく、又「不遜に感じる」事著しい、と言うケースもままあるものでしたので。

「ありのままの、貴女の全てを受け入れます。だから、どうか傍に居る事を許して欲しい。」

こういわなければならないのはシンジの方だ…と言うのは、小生の常々主張する所です(苦笑)

(その種のネタで色々書こうと試みて残骸があちこちにチラホラ今も転がっています 苦笑)



【Date:】 14 May 2009 05:14:00
【From:】 "tamb"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

 時間もないのでひとつだけお二方に聞いておきたいんですけど――真実のレイ(ありの
ままのレイ)とは何かというのが解釈論に発展するという問題は保留にするとして――
「いわゆる言論人→おたく」のパターナリズム(なにぶんにもこの言葉はこのスレで知っ
たので、用語の使い方に問題があれば使い方に問題があればご教示(教授?)下さい)は
「シンジ→レイ」(あるいはそれを描く作家→レイ)のパターナリズムに直結すると思わ
れますか?
 ちゃんと読めてないんで外してるかもしれませんが、今そこにいるあなたの全てを受け
入れるというのは成長の否定にも読めるんで。もちろん成長というのは誰かに押し付けら
れてするもんじゃないってのはその通りですが、だからといって一人で何もかもを悟るの
も無理だと思うし。

 返信は24時間後以降になります(汗)。

 ついでに緒形ゆうさんに私信。
 懸案事項、忘れてません。これも24時間後以降の対応になりますが(爆)、ひとつご容赦
のほどよろしくお願いしたく。



【Date:】 14 May 2009 09:51:00
【From:】 "鯖"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

tamb様

延々と申し訳ありませんでした。
又、時に他サイトの過去作品に関する危ない発言等、キワドい事ばかりやってすみません(汗)

>直結

「相似形」である事は間違いないと思いますが、必ずしも直結とは限らないかもしれません。繋がっていてもよく「捩れた」形に成っている事もあると思います。



「幸福観の押し付け」←(作者乃至ヲタク)←「ヲタクの男性至上主義的発想(ギャルゲー的な)への言論人の批判に基づく脱ヲタ論」

これだと「捩れた二重のパターナリズム」となりますね。「男性中心主義」的パターナリズムと、其れに対するフェミニズム(メンズリブ)的パターナリズムの強要と言う二重構造ですな…

そして、過去を見る限り、「ヲタクを容認した上でメールショーを正す」と言うのではなくいきなり「ヲタク否定」に行く、と言う様な発想になってますね(苦笑)同様の形はエヴァFF関連においては「レイへの父権的価値観強要的作品」←「だからLASの方が民主的」(猛爆&苦笑)と言う物凄い論法もあった様な(苦笑)

…大体、その作者氏ってLAS書きじゃん(苦笑)と言うオチが付く場合もありますね(ほほほ)要するにマッチポンプ(自作自演)だったりする訳ですが、そう言うレイ像に抵抗の無い読者さんもあったりするのでまあ「色々」と言った所でしょう。(個人的には無論言語道断だと思ってますが 苦笑 あんた、自分の好きな子が無口だったりあんまり反論しないからって、相手のしたくないことをさせてそれで嬉しいか?と。躾・教育っつー理屈で相手の人格を認めないんだったらそれは恋愛じゃなくてDVだよ。つーか「アンタ、アスカのファンだろうが」。俺等の姫を勝手にあんたらの基準に合わせてるんじゃねーよ、とか 苦笑)

と、それは脱線ですが(苦笑)

まあ、「ヲタはヲタとして」、出来うるならば「綾波にん、LRS人ならばなおの事、相手の小さな声に耳を澄まし、いつもその気持ちを汲み取り考え続ける事を優先して欲しい」とは思いますねえ(笑)

だって、あたしらは「耳を塞いでいても聞こえるデカイ声」よりその「小さな、囁くような思索と感性」をこそ愛し選んだ訳だから。たとえ激しいノイズの中だって「耳を澄まし続ける」責任があるんじゃないかと思う訳です。

>今そこにいるあなたの全てを受け入れるというのは成長の否定にも読める

世界に本当に二人しか居ない、と言うならばそうなってしまうかもしれません(笑)が…小生の思うに、先ず忘れちゃいかんのは「世界は二人きりではないし、そんなことはありえない」と言う事だと思います。逆に「本当に二人だけになっちゃったね(世界の破滅等で)」と言うなら余計に「型に嵌った成長の必要・意味自体既に無い」(苦笑)

LRSの世界においても、其処に生きているのはレイとシンジの二人だけ、と言う事はまず「考えられない」し、レイが人間社会で生きていくと言うならば、彼女は今まで以上にたくさんの人間と接し、関係を持たざるを得なくなり、考えたり驚いたりする事になると思います。必然的に…

そうした時、普通に考えれば「人間と言う生物やその社会とどう付き合っていくか」と言う事を自ずから彼女は考えざるを得なくなる、と言うのが本筋だと思うのですよね。つまりそれは「シンジが勝手に、専売特許的に教えるような事じゃない」。

むしろ、オメーの役割は一緒に悩んだり、困ったりしてレイを支え、そして人間社会に傷付いたり、違いに困惑したりするレイを「ありのまま受け止めて支える」事だろう、と。

先回りして勝手に「自分のやり方」を教えてんじゃねーよ、と。「成長の為の教師」は社会や環境そのものであり、シンジは「其処についていって支える」だけでいい、と。そもそも本人自身が成長途上のひよっ子の癖になに「教師面してんだ。百年はええ!」(笑)

…と言うか、FFに屡「社会」と言う概念が希薄だと言うことこそが問題の焦点なのかもしれませんね。社会や他の人々は「風呂屋の割書き」ではない。其処にいて、「君等(レイとシンジ)と関って、一緒に生きているんだよ?」と言う視点が欲しい。

教えてくれる人は「他に一杯居る」と思う訳です。関っていけば自ずと。だから「シンジが何もかも自分の乏しい経験で伝える必要は無い」し、むしろ「一緒に考える」事の方が必要だと。

成長とはマニュアルではなく、結局「その社会の中にどう入って行くか」と言う事だと思いますので(笑)



【Date:】 14 May 2009 10:09:00
【From:】 "鯖"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

そういえば、緒形様の「食事がおかしい」ネタがでましたので…

異世界設定ネタですが、小生の駄作で「レイの食習慣に合わせて自分も完全ベジタリアンになってるシンジ」と言うネタを書きました、前に(笑)

菜食料理は得意、と言うかどんどんバリエーションが増えるてな感じで(笑)



【Date:】 15 May 2009 04:26:00
【From:】 "緒形ゆう"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

 tamb様
 
 私なりにも一応考えて見ます。

>「いわゆる言論人→おたく」(中略)は「シンジ→レイ」(あるいはそれを描く作家→レ
イ)のパターナリズムに直結すると思われますか?

 直結する……「いわゆる言論人→おたく」と「シンジ→レイ」は直接関係あるのか、と言
うことですよね?個々の作品で検証しないとはっきりした答えは出ないと思います。ただ、
「人間らしく≒社会的適応能力を持つ」をシンジがレイに「強要(お願い)」する以上は、
影響関係はともかく方向性は同じなので関連があると見ていいと思います。言葉は違います
が、内容は鯖さんと近いですね。

>今そこにいるあなたの全てを受け入れるというのは成長の否定にも読めるんで。もちろん
成長というのは誰かに押し付けられてするもんじゃないってのはその通りですが、だからと
いって一人で何もかもを悟るのも無理だと思うし。

 たぶんここからは鯖さんとは少しスタンスが違います。感情論的には近いが、立ち位置は
曖昧と言うやつです。加えて、せっかくですので私は作品論的な視点から考えてみたいと思
います。

 まず前提として、私は彼ら(言論人にしろシンジにしろ)のパターナリズムに怒りを覚え
ると言うことではなくて、慎重であった方がいいと思っているだけです。極論すれば、シン
ジがレイを100%「お世話」したとしても、多くの読者(というかこの場合は私が、なの
かな?)に納得の行く形で彼らの幸福が描かれてしまえば、何も言えません。たぶんこれを
突き詰めると「ご都合主義」批判にしかならないと思うので、少しアプローチを変えます。
 例えば、貞本版のシンジとレイの関係にはパターナリズムはないと見て差し支えないでし
ょう(彼女が「綾波レイ」らしいか、という議論はとりあえず保留)。とくにシンジが彼女
に対して何かを意図しているわけではないからです。でも彼女は確かに変化しています(成
長(とか進歩)という単語はここでは避けますが)しかしシンジはちゃんと彼女が変化する
きっかけにはなっています。シンジがレイの部屋にプリントを届けに行ったとき、レイがシ
ンジを止めるのがもっとも象徴的なエピソードだと思います。まぁプロの仕事ですからって
言えばそれまでですが……
 ここからは私の勝手な考えです。シンジもレイも同世代でそれぞれいろんなもの抱えてい
る以上、本編の設定を崩さないのであれば、さまざまな状況を経たり影響を与え合ったりし
て一緒に「成長」(受け取りようによっては「モダニズム」に引っかかりることばですね)
することはできても、どちらかがどちらかの「成長」を一方的に促すことはできないと思っ
ています。というより、できなくはないが説得力を添える上で困難が伴うと思います。(私
はどちらかがどちらかのスタイルに合わせる(を受け入れる)ことが必要だとはあんまり思
っていません)
 鯖さんも言及なさったし、わかりやすい例なので「食事」で検証してみたいと思います。
シンジがもちまえの料理の腕(この妥当性はとりあえず保留)で彼女に食事を作り、「こん
な食事はじめて」とか「あたたかい」とかで感動し、彼女は料理をシンジに教わる、みたい
なプロットを考えてみたとします。私のような偏屈な人間だとその光景は「この話では綾波
レイはまともな食事を口にしたことがない可哀相な子として設定されている」ように写りま
す。なぜなら本編でもにんにくラーメンチェーシュー抜きを迷わずオーダーしていて、貞本
版でも4巻でカレー(?)をパクっとしていて、しかもゲンドウとも食事をしているらしい
彼女が、シンジたちとかけ離れた食生活を送っていることに妥当性を感じないからです。シ
ンジたちは展開上食事の場面が多く、確かにレイの食事の場面の描写は乏しいですが、たぶ
ん、レイの食事の場面を挿入する方のがむしろ不自然でしょう。必要ないので。つまり、食
事に関しては二人はたぶん大差ないのでその点でシンジがレイに「成長」を促すことは困難
だ、と私は思っています。(まぁ、レイが料理をそうやすやすと始めるか、という問題もあ
りますが)
 あげればキリがないのでやめますが、私はエヴァはそんなに隙だらけではないと思ってい
ます(笑)まさに今ぱっと思いついただけなのでただの勘ですが、「綾波育成計画」とかの
影響がもしかしたらあるのでしょうか。やったことないのでわかりません。

 などとつらつら描きましたが、実際のところ私自身ちゃんとできているとは思っていませ
ん。また、妥当性はなくでも強度がある作品は実際たくさんあります。結局は各々の読者が
どの観点から見ているかにかかっているとも思います。ただ、作者がもつ「読者の観点」が
広がったらそれはそれでいいことだと思います。悩みも増えるかもしれませんが(笑)

 それと私信も了解です。



【Date:】 15 May 2009 09:06:00
【From:】 "鯖"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

>「成長」とモダニズム

流石、鋭いですね(笑)それも又昔非常に引っかかっていたネタの一つでした(苦笑) まあ、今はあの頃ほどラディカルに「成長や啓蒙と言う概念を全否定する」所までは考えなくなりましたが…

(尤も、現在も「啓蒙主義・進歩主義自体は所詮実態無き机上の空論」的な事はしばしば言いますが 苦笑)

が、「社会の進歩」だの「近代が提示したあるべき人間観」なるものは否定したとしても、「生物は新たな状況に直面すれば学習を元に個個にそれに適応する」事は間違いなく、それを「成長」と呼んでいるケースであればそこまで否定するのは馬鹿げている、とは思ったわけです(苦笑)

まあ、当時の「全否定」はああだこうだ言われつつも「リベラル側のパターナリズム」の源泉の一つになっているフロイト先生だの精神分析だのが振り回されていたので「それこそ厳格なジューイッシュの家庭で父権的道徳観を身に着けて育ったフロイト先生の美徳と同時に限界でもあるっつーのはさんざん言われて来たんじゃなかったっけ?そもそもフェミニズムと親和性のある事を良いつつ、それに気付かない…と言うより日本のフェミニズム自体が典型的な西洋のパターナリズムに支配されて居る事になんで貴方達は気付かないんだい?」等好き勝手にカマしていた流れの上での話でしたので(苦笑)

「成長」と言うより「変化と適応」と呼んだほうが正しいのかもしれませんね。

>食事

どうもそういうFFではゲンドウなりリツコなりを「非人間的」に捉えすぎてる様に思うんですよね。

例えは悪いけれども「アウシュビッツやラーゲリの看守だって、クメール・ルージュの兵士だってみんな一人の人間として家族愛も隣人愛もそれなりには持っていた。別に100%機械や悪魔だった訳じゃない」(苦笑)と言うのと同じ意味で「許されざる計画」のモルモットとしてレイを生み、育てていたとしても「彼女への愛や情」が彼等に全く無かった、と捉えるのは幾らなんでも余りに極端だと思うのですよね。

まあ、ゲンドウは言うまでも無く、「歩く機密の塊」であるレイを外部に晒して情報をダダ漏れにする事は避けていたとしても、ネルフの中で一緒に食事とか不器用な愛情は見せていたんじゃないかと思うんですよね。只、ユイの代替とか「大事な鍵」と言うだけの意味じゃなく。

ラーメン喰いに連れてったのだって恐らくゲンドウ以外考え難い(苦笑)育ちが良くない一面のある彼が「はぐれ者」時代に屋台ラーメン等で日々糊口を凌いでいたと言うのは想像しやすいですし、レイに何か「おいしいもの」を食べさせてやろうと思ったら「他に思いつかなかった」のかもしれません。

だから、レイにとって「ラーメン」は「いまよりちいさかったころそとで司令と食べた」大事な思い出の一つであるが故に「それなら食べられる」と言うより「外食=ラーメン」であり「たのしくなるごちそう」であったのかもしれない…

等と言う方が物語としては「面白い」んですよね(笑)

逆に、「屡、ゲンドウにつれられて結構良いもの食べてる」可能性もありますし(笑)VTOLで送迎の公私混同、シェフには予めレイの嫌いor食べられない(同時にバイタルに悪影響を与えそうな栄養素等の排除)ものを伝えて「高級店貸切」状態で食事してる…と。只、レイには「高級店や権力の蜜」と言う概念は全然理解できてないので「そう言うものなのだろう」とか「ラーメンのほうがおいしかった」とか思ってたりとか(笑)

その手の展開だって「幾らでもありうる」んですよね。(レイが碌なもの食べてないと勝手に思い込んでいたシンジが、当たり前のように使用限度額無しのカードを使い、そう言う世界を知っているとしって愕然、と言うネタも面白いかも 笑)

まあ、何にしても「想像力の乏しいほうへ」行きがちになるより「ネルフ」と言う巨大権力の中枢に居てそだった彼女のあれこれをもっと想像してみるのも面白いかと思いますね(笑)



【Date:】 16 May 2009 07:41:00
【From:】 "tamb"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

ちょっとテンパってましてレスも懸案対応も遅れますが、ぶん投げたりはしませんので、
しばらくお待ちくださいませm(__)m



【Date:】 16 May 2009 20:13:00
【From:】 "緒形ゆう"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

 tamb様

 はい。待ちます(笑)



【Date:】 18 May 2009 01:13:00
【From:】 "tamb"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

■「幸せをつくろう」

 一部投稿作家の方はお馴染み&トラウマ&飽き飽き(^^;)かと思いますが、現在圧縮パ
ック作成に向けて作者共々重箱の隅を電子顕微鏡で見ながらつつくという、いわゆる最終
校正の真っ最中です。
 そういうわけで再読してるわけですが、例えば1に関して言えば、最初に読んだ時は
「超人かよ」とか「1限てのは一限じゃないのか」とか思いながら読んでたはずです。で、
>>1にも書いたように「シンジ君FF書いてるよー」になって、「こりゃ痛そうだな(^^;)」
になるわけです。アスカが「思い出す」とか伏線張りまくってるわけですが、そういう部
分はなんとなく気にとめつつ。
 続けて2を読むと、「え? 逆行? 大学生シンジ君は?」となって1を読み返す。再
び2を読んで、そのまま3を読む。うおレイが死んどる。あ、違った(爆)。とシンジと共
に雄たけびを上げ(笑)、これはこれで、とか思いつつ4に進む。もはや心は無と化してお
り前の話との関連など理解しようなどと思いもせず5を読み6を読む。一者? あ、流出。
お、東さんか? 真の神へのプトニック・ラブ? え? えええ??? 1に戻る。

 という塩梅でございまして、

>  恐らく、読んでいただいた方々の多くは1〜5を読んでいる間「??」となったと思いま
> す。その「??」となっていたときの印象(「くだらん」とか「もしかしてこうかな?」)
> を私は知りたいと思っています。

 あえて言えば「意味わかんね」です(^^;)。1〜5を読んでいる間は。

 で、6を踏まえれば1〜5が物語(とりあえずこう言います)であると。私はひねくれ
ているので、物語であると明かしている物語だって物語であろう、と思うわけで、>>8
なるわけです。
 あそこには甘美な物語の中にいるシンジがいる、と言われているシンジが物語の中にい
ないと確信できる理由はどこにもなく、それは「やっと辿りついた遠い世界」でも同じで
あろうと。ではシンジ君、君はこのレイがいない甘美な世界が物語であるとは疑わずに生
きていくのかい? になり、繰り返しになりますが>>8に書いた「だから私は、この世界
がシミュラークルであるとないとに関わらず、真実とか現実、夢とかにも関係なく、精一
杯生きればそれでいいのではないかと思っている。」になるわけです。これは即ち人生芝
居論みたいなもんで、ある意味では現実に帰れという言葉の不毛さを表しているとも言え
るわけですが。


■「エヴァあるいはレイに対する立ち位置」という懐かしい言葉

 まず出発点として、私が綾波レイを見た場合に、これは幸せではないだろうと思ったと
いうのがあるのですよね。これはつまり、自分のために生きようとしていない、幸せにな
ろうとする意思が感じられない、ということです。
 私が直接的に彼女を幸せにできるというものでもないので(つまり、いわゆる「惚れる」
という感情とは異なる)、どう喩えるかと考えて「グレた妹」というのを思いついて、そ
れで妹萌えだのなんだの言われたりしたわけですが(^^;)。まぁ萌えてるか萌えてないか
と言われると間違いなく萌えてるんで(爆)否定しにくいんですが、要するに恋人にはなり
得ないしなりたいとも思わないけど近しい存在、くらいの意味です。
 まぁそれはそれとして。
 幸せの形は人の数だけあるというのはある種の真実だと思いますが、極端な話が売春援
交しまくって堕胎を繰り返し「これが私の幸せ」とか言われたらやはり私はぶん殴る。お
仕着せのパターナリズムとか父権的価値観強要とか真実の姿とか言われたらもう一回ぶん
殴る。話せばわかるとか言われても殴る。とにかく殴る(笑)。


■パターナリズム

 という流れで>>29

> 「いわゆる言論人→おたく」のパターナリズム(なにぶんにもこの言葉はこのスレで知っ
> たので、用語の使い方に問題があれば使い方に問題があればご教示(教授?)下さい)は
> 「シンジ→レイ」(あるいはそれを描く作家→レイ)のパターナリズムに直結すると思わ
> れますか?

 という質問になったのです。果たして私は援交しまくってるがゆえに言論人に殴り倒さ
れてるのか、と。

 パターナリズムという言葉をどう定義づけるのかという問題に切り込むのは無理なので
避けますが(^^;)、私は本当の自分探しという言葉が嫌いです。誰かの言葉だったか小説
だったか忘れましたが、本当の自分を見つけてこれが自分であると規定してしまえばそこ
から先がないからです。だから「ありのままの自分」というのは変化していくべきだろう
と思うのです。

> レイが人間社会で生きていくと言うならば、彼女は今まで以上にたくさんの人間と接し、関
> 係を持たざるを得なくなり、考えたり驚いたりする事になると思います。必然的に…
>
> そうした時、普通に考えれば「人間と言う生物やその社会とどう付き合っていくか」と言う
> 事を自ずから彼女は考えざるを得なくなる

 のであれば何ら問題はなく、考えていただければよろしいかと。周辺にシンジがいれば
私的には嬉しいです。決して押し付けることなく、共に悩んでいただければ。

 となると次に出てくる問題は

> というものシンジ(もしかしたら作者)の「幸福観」を、綾波レイに押し付ける場合が
> あるからです。彼女の設定(ヒトではないとか、部屋がやばいとか、食事がおかしいとか)
> を「利用」して、「人間らしい」生活を「させてあげる」ような状況のことです。かなり
> 意地の悪い言い方ですが、これも一種のパターナリズムですね。

> もちろん、重要なのはそういったパターナリズムが見られるかどうかではなく、話そのも
> のに強度があるかどうかなので最終的には関係のないことなのですが

 です。押し付けるという言葉はともかくとして、要は作品の説得力ということになって
しまうのかもしれませんが、シンジ(あるいは作者)が「こんな風にすると楽しいんじゃ
ないの?」ということをレイに体験させようとするわけですわな。仮にそれがレイの「し
たくないこと」であったとして、それは余計なお世話、パターナリズムなのか。試しにア
スカ様の下僕になってみなよ楽しいぜ、と言われてるのと同義なのか? レイが気になる
というのは今現在の「ありのままの自分」に過ぎず、周囲の人と悩みながら変化していく
べきで、その先にはLASがあるのか?

 こんな話に結論が出るわけはない。というより、結論そのものが存在しない。

 というような結論(笑)にとりあえずは達しました。今後このサイトが突然「アスカの幸
せ」とかいうサイトに変わったら、私がパターナリズムに屈したとお考え下さい(笑)。


■せっかくなので食事の話でも

 引用が長くなりますが、

>  鯖さんも言及なさったし、わかりやすい例なので「食事」で検証してみたいと思います。
> シンジがもちまえの料理の腕(この妥当性はとりあえず保留)で彼女に食事を作り、「こん
> な食事はじめて」とか「あたたかい」とかで感動し、彼女は料理をシンジに教わる、みたい
> なプロットを考えてみたとします。私のような偏屈な人間だとその光景は「この話では綾波
> レイはまともな食事を口にしたことがない可哀相な子として設定されている」ように写りま
> す。

 緒形さんはご自分のことを「偏屈な人間」と述べておられますが、ひねくれ度では私も
負けていないという自負はあります。
 ここは単に食事が美味しいではなく「シンジと共にする食事が美味しい」と解釈すべき
でしょう(笑)。「まともな食事を口にしたことがない」という設定ではなく、「まともな
食事を口にしたことはあるが美味しいと感じたことはない」という設定です。なぜシンジ
とする食事なら美味しいと感じるのかをレイ自身が深く考察していただければ幸いですが、
こりゃ作者の幸福感をレイに押し付けてると言われても反論はしにくいわな……。

 というわけで振り出しに戻りました。


 私も最終校正に戻ります……。



【Date:】 19 May 2009 01:39:00
【From:】 "緒形ゆう"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

 tamb様

 お待ちしておりました(笑)そろそろきれいにまとめたいところですね。

>続けて2を読むと、「え? 逆行? 大学生シンジ君は?」となって1を読み返す。再
び2を読んで、そのまま3を読む。うおレイが死んどる。あ、違った(爆)。とシンジと共
に雄たけびを上げ(笑)、これはこれで、とか思いつつ4に進む。もはや心は無と化してお
り前の話との関連など理解しようなどと思いもせず5を読み6を読む。一者? あ、流出。
お、東さんか? 真の神へのプトニック・ラブ? え? えええ??? 1に戻る。

 これを読めただけでも妙な催促(?)をしてよかったです!なるほど。いや、何がなるほ
どなのか自分でもよくわかりませんが(笑)

>あそこには甘美な物語の中にいるシンジがいる、と言われているシンジが物語の中にい
ないと確信できる理由はどこにもなく、それは「やっと辿りついた遠い世界」でも同じで
あろうと

 せっかくなので一つだけ種明かししますが、「やっと辿りついた遠い世界」以降は人称が
一人称「僕」になっています。さらに、EOEと同じラストシーンを提示することで、これ
はシンジにとっての「現実」であると読者が「読む」ように「罠」を張りました。が、tamb
さんは引っかからずにさらにその上をいっていたようです。素晴らしいです。
 たぶん、この掲示板での私の野暮な「解説」を踏まえると(>>13での「現実を生きるにし
ろ虚構を見据えるにしろ、本気で生きること」云々)tambさんの読みにどんどん近づくのだ
と思います。このことは、ここ最近の「綾波レイ問題」(?)にも関わってくるような気が
するので、あとでもう少し考えてみます。

>これはつまり、自分のために生きようとしていない、幸せになろうとする意思が感じられ
ない、ということです

 共感できる部分がかなりあります。というか私の綾波レイに対する見方もそれに近いもの
があるかもしれません。ただ、ゼルエルに特攻したりアルミサエルと主に自爆したりは「自
発的な(命令なし)」行動だったので、そういった信念が、ある一つの側面では彼女を「綾
波レイ」たらしめているのではないかなとも思います。そういう生き方が不幸だと言うこと
できますが、そんな彼女を「説得」するのは少なくとも私にとってはかなり難しいです。シ
ンジはどうなんでしょう? これはほとんど自問自答です。

>極端な話が売春援交しまくって堕胎を繰り返し「これが私の幸せ」とか言われたらやはり
私はぶん殴る。

 この発言(と行動)はマジできわどいと思います(笑)言いたいことも、共感しがたいと
ころもたくさんありますが、話がややこしくなるのでやめます。(ちなみに「言論人」の宮
台真司は援助交際して「まったり」生きる女子高生のありかたを、一時期肯定的に受け止め
ていました。たぶんウィキペディアとかでも見つかるでしょう)
 少し違う点から考えてみますが、その行動(殴るとか説得するとか)はそれが妹なら可能
ですが、見ず知らずのギャルとかだと不可能ですよね?(ここを否定されたらこれからのこ
とは全部台無しになりますが笑)つまり説得する「権利(もしくは義務)」があるかどうか
は、説得する人が説得される人とどういう関係にあるのか、説得はその二人の関係に見合っ
た内容か、によって揺らいできます。(例えば知らないおっさんがどこぞのやんちゃっ子を
説教することはありうるわけで)もしかしたら「物語」の中でシンジとレイの「距離感」を
ちゃんと描けていないといろいろ台無しになるのかもしれません。貞本版でもわりと重要な
要素でしたね。

>パターナリズムという言葉をどう定義づけるのかという問題に切り込むのは無理なので避
けますが(^^;)、

 たぶんだんだん意味がそれてきていると思うので、私はちょっと使うのをやめてみます。
自分で広げておいて恐縮ですが(汗)もともとは医療とか政治とかに使われる言葉だと思う
ので……とりあえずは「ありがためいわく」とか「余計なお世話」とか「おせっかい」にし
ておきます。

>シンジ(あるいは作者)が「こんな風にすると楽しいんじゃないの?」ということをレイ
に体験させようとするわけですわな。仮にそれがレイの「したくないこと」であったとして、
それは余計なお世話、パターナリズムなのか

 たぶん私(と恐らく鯖さんも)はシンジが「余計なお世話」をすることにというよりは、
「余計なお世話」にしか見えない行為(下手したら好意)をレイが受け入れてしまっている
姿を描かれていることに違和感を抱いているのだと思います。一番近い感覚としては、某ゴ
ールデンエイトティーチャーによって次々に感化されていく生徒たちを見ているようなもの
でしょうか? アルファベット3文字の某「偉大な先生O」でもいいですが……話し自体は
面白いかもしれませんし、それらは「確かにそうだ」と思う部分もあるかもしれませんが、
「まぁふつうはあんなにうまくはいかないよね」って言うのが正直なところだと思います。
「ちょっとちがくね?」と思う人もいるかもしれません。しかもそれらの作品は二次創作よ
り数段良くできているはずです。だからもしかしたらジャンルの問題もあるのかもしれませ
ん。「教師もの」は典型ですね。でも、気にならない人は気にならないでしょう。純粋に好
きな人もたくさんいるでしょうし。やっぱり結論は出ません(笑)

>レイが気になるというのは今現在の「ありのままの自分」に過ぎず、周囲の人と悩みなが
ら変化していくべきで、その先にはLASがあるのか?

 tambさんの場合その先にLASはないと思います(笑)
 ありのままでいるか、変化するかを決める権限が自分にあればいいのだと思います。「下僕
になろうぜ」という「アドヴァイス/お節介」をどう捉えてもOKというような。もちろん例
外はあって、それがいわゆる「パターナリズム」論なのですが……めんどいのでやめましょう。

>ここは単に食事が美味しいではなく「シンジと共にする食事が美味しい」と解釈すべきで
しょう(笑)。「まともな食事を口にしたことがない」という設定ではなく、「まともな食事
を口にしたことはあるが美味しいと感じたことはない」という設定です。

 さすがですね(笑)やっぱり私はLRSを書く能力に乏しいみたいです。
 「シンジと共にする食事が美味しい」と感じるレイを描写するのは難しいとか、「まとも
な食事を口にしたことはあるが美味しいと感じたことはない」レイが原作と離れた「可哀相
な子」であることを感じてしまうとか「障害」はつきませんね……しかも自分で自分の首を
絞めているだけのような気がしてきます。
 
 部屋とかはどうなんでしょうね。レイが育った部屋はあの団地の部屋に似ていますが、例
えば葛城邸に住まわせて彼女が落ち着くかといったらどうなんでしょう。あとは……レイは
シンジに裸を見られて動揺はしていなかったけど、たぶんに嫌がってたよね、だから裸でう
ろうろするとは思えないけど、とか。まぁゲンドウの前では裸でしたが。それも実験のとき
と補完計画のときだからまぁいいか、みたいな。

 結局のところ、あるFFにおいてどれだけ綾波レイについての思考を深めているかを私は
見ているのかもしれません。思考停止したりしていて、型どおりの手法を使っていたりする
と「え?」となるのだと思います。そしてたぶん、「幸せ」について考えることを突き詰め
ると「不幸」について考えることとつながってくると思います。「幸せ」だと思っていた生
活に入り込んでくる「不幸」、「不幸」の中にある一握りの「幸せ」。tambさんが「レイ自
身が深く考察」とおっしゃられていることに近い感覚なのかもしれません。この辺を検討し
ない限り説得力のあるFFを作るのは難しいと思います。それが上記で述べた「本気」につ
ながるのだと思います。「本気で虚構に浸かった」作品は、たぶん伝わる人には伝わると思
います。私はそれに敏感でありたいと思うから、こうしてつまらないことをつらつら考えて
いるのかもしれません。少なくとも、シンジやレイの描写を見て安心するために読んでいる
わけではないのは確かです。いや、でも、「ただ読んでる人を安心させるためのFF」とか
「楽しいだけのFF」だって素晴らしいです。ただ、「安心」させたり「楽し」ませるのも
それほど簡単なことではありません。いやむしろ難しいか。そもそも何かを意図して創作な
んてできるのだろうか。結局はいろいろなものと向き合わないといけないのでしょう……

 どんなに話を詰めても、たぶん最終的にはお互いの「綾波像」を語るところに行き着くと
思うのですがどうでしょう? そっちのが楽しいですし。だから最後の妄言は気にしないで
ください(笑)
 
 きれいにまとまったかは微妙ですが、力尽きたことは確かです。
 私の発言はこんなところで締めくくりたいと思います。
 ご迷惑おかけしました。
 ありがとうございました。 



【Date:】 19 May 2009 04:55:00
【From:】 "tamb"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

 しかしあれですな。5はレイが死ぬのが痛いとか>>8では書きましたが、こうして読み
返してると、レイが死ぬのが痛いというよりもシンジが能天気ともいえるほどの楽観主義
を貫き通してるのがあまりに痛い、というか痛々しいですな。逃避の末に狂ってしまった
というか。

 というわけで作者様との密約その1でした(爆)。密約その2以降は、あるのかないのか
も含めて伏せます。


> それが妹なら可能ですが、見ず知らずのギャルとかだと不可能ですよね?

 不可能ですというより動機がないですね。終了後に「キミもこんなことしてると親御さ
んが」とか言う方がまだ現実味がある(爆)。
 宮台氏のまったり論は知ってましたが、そうやってまったり生きられれば最初から問題
は出て来ないんじゃないかなぁと思ったりしてました。まぁちゃんと読んだわけじゃない
んですが。

 宮台氏が出てきたのでちょっと書きますが、確かになぜパンツを売ってはいけないのか
を説明するのは困難ですよね。援交ならともかく、誰かに迷惑かけるわけじゃなし、需要
もあるんだろうし(^^;)。なぜ人を殺してはいけないのかという問題よりもよっぽど難し
い(これも難しいですが)。だから「パンツ売るな」と言われて「はいわかりました」と
素直に従われると違和感はあるんですよね。だったら最初から売るなと。

 レイに関しても、シンジがあれこれお世話してそれを全部はいはいととりあえずでも受
け入れると違和感はある。

 だから、どうやって受け入れさせるのかに主眼があって、それを受け入れないことを貫
き通すのが真実のレイだとしたらそんな真実のレイはぶん殴る、とまぁこういう流れにな
るわけです(^^;)。どうやって気づかせるのか。どうやってパンツ売っちゃダメだと納得
させるのか。
 せっかくなので書きますと、「パンツ売っちゃダメ」と納得してしまった後のレイに関
してはあんまり関心がないんですよね。いや、正直に言えば天然化したりしてるのは可愛
くて好きで自分でも書いてますが(^^;)、そんなのレイじゃないと言われればその通りで
あるとも思います。でも、それが真実のレイだと規定して変化はないと決め付けなくても
いいんじゃないかと。二次創作ですし(笑)。
 ヒント(ネタ)はいくらでもあるじゃないですか。笑えばいいと思うよもそうだろうし、
感謝の言葉もそうだろうし。そこからどう妄想を広げていくのか。

 だから逆に言えば、あえて書くと6に出てきたレイあるいはかつてレイだった者も、
「だって僕が生きて、忘れない限り、綾波は生き続ける」なんて言ってしまうシンジも、
違和感はないですが納得はできないんですよね。それでいいのかとか言いながらぶん殴り
たくなる(爆)。まぁ導き出された結論に文句言われても困るというか、それこそ好みの問
題なんですが。

> tambさんの場合その先にLASはないと思います(笑)

 あ、やっぱり(爆)。
 実はですね、私はひねくれてるんで、最初に見たときにレイが軸になる話なんだなと思
って(だって、あまりに思わせぶりじゃないですか)、その瞬間にレイの事は関心の外に
なったんですよね。当時は(今もですが)アニメキャラに萌えるという習慣はなかったん
で、じゃあ誰々とも思いませんでしたが、マヤさんは可愛いなと思いました。アスカは普
通に可愛いと思うし、今でもそう思ってます。
 ですが、最後まで見たときに「これは無し」と思ったんです。その意味では、レイとい
うキャラにはそれだけの強度があるんですよ。庵野さんもLRSにしろとは言いませんが普
通にハッピーエンドっぽく作ってくれれば、私もこんなサイトなど作らず当然FFなんて書
くこともなく、真っ当な社会人としてそれこそ現実を生きてたと思うんですけどね(^^;)。


 部屋に関しては難しいですが、少なくとも小奇麗にしたとしてもデメリットは感じない
んじゃないでしょうか。シンジがそうしたいと思ったとして、したいならすれば、的な。
そこから先をどうするのかはこれまた困難ですが。
 あとあれです。葛城邸で同居という話も私はいくつか書いてますが、なかなか二人っき
りになれないので避けるのもいいかと思います(爆)。


> たぶん最終的にはお互いの「綾波像」を語るところに行き着くと思うのですがどうでしょう?

 行き着くところはここなんでしょうね。それが作品を通せればいいんだと思います。で、
「そんなのレイじゃない!」「真実のレイがなんだ!」と殴りあうと(笑)。


 雑談掲示板の方にも書いたウイルス関連で、アンチウイルスソフトを入れ替えたらイン
ストール前のチェックが延々と終わらず、こんな時間になってしまいました(^^;)。この
レスも簡単に書こうと思ってたのに気づいたらこんな時間(爆)。

 というわけで、圧縮版公開は明日以降です。後書きでも書いて入れますか?
 ちなみに圧縮版公開を先にやります。その次(前)の話はその後に。

 しかしほんとに迷惑な話だ。私は複数の感染サイトを思いっきり踏んでるはずなんだが、
なぜ感染してないのだろうか。実は感染してるのか?(爆)

 みんなも今回ばかりはしゃれになってないよー。



【Date:】 20 May 2009 02:47:00
【From:】 "緒形ゆう"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

>こうして読み返してると、5はレイが死ぬのが痛いというよりも、シンジが能天気ともい
えるほどの楽観主義を貫き通してるのがあまりに痛い、というか痛々しいですな。

 めちゃめちゃ大事なとこです!まさにその通りで、このシンジに「イタさ」を感じられる
かどうかはかなり重要です。そしてそれが6の結末を踏まえたときにどういう意味を持ちう
るのかまで考える読者様がいたら、私は小躍りします(笑)

  ↑tamb様との密約その1.5です。せっかくですので。

>どうやって受け入れさせるのかに主眼があって、
>真実のレイだと規定して変化はないと決め付けなくてもいいんじゃないかと。二次創作で
すし

 激しく同意です。唯一の「真実のレイ」なんてないと思いますし(それこそ思考停止する
ので)。変化なくしては物語は成立させにくいと思うし(『幸せをつくろう』で変化したの
はシンジですが)。言わなくともたぶんご理解いただいてると思いますが。それを踏まえた
うえで以下

>あえて書くと6に出てきたレイあるいはかつてレイだった者も、「だって僕が生きて、忘
れない限り、綾波は生き続ける」なんて言ってしまうシンジも、違和感はないですが納得は
できないんですよね

 公開直後の段階でこの手の発言(意見?批判?)をばんばん聞きたかった……(笑)tamb
さんが好みの問題だとおっしゃられるように、おそらく読者様によって変わってくるだろう
わりと重要なポイントだと思うからです。
 正直な話、私は6の彼と彼女には結構な違和感を感じています。(作者がこんなこと言っ
ていいのだろうか)私なんぞよりもっと能力のある方でしたら違う終わらせ方もできたかも
しれませんが、全体の構想と5の最後の場面(結局のところ最後にはレイは消えてしまう)
を通った段階で、「きれいに物語をまとめる」としたら、このような形(EOEに近い形)
にシンジを動かすしかないだろうと私は思いました。そして彼女もそれを「親切に」見届け
るだろうと。そのために「レイの死」に向き合おうとしない5の「痛々しい」シンジもいる
わけです。(「きれいに物語をまとめる」必要性はとりあえず保留しますが)自分の中では
「シンジ」としての彼にこのような決意を迫ることに迷いはありました。ただ、少なくとも
『幸せをつくろう』の中では不自然な流れではないと思ったのでこうなりました。
 もうだいぶ『幸せをつくろう』も私の手を離れてしまった気がするので深くは考えません
が、抵抗を感じつつ読んでくださった方がいて、なにかしら思うところがある方がいました
らそれはありがたいことです。ただ、もしかしたら、突き詰めて考えてもまたEOE(のあ
る種の解釈)批判に近づくだけかもしれませんが。
 もちろん「そういうのもありか……」と思ってくださる方もいらっしゃるとも思っている
から書いているわけですので、完全にこのシンジを疑っているわけではありません。と言う
か信頼が大本です。ただ、無批判に受け入れるのもどうかなとも思います。

>後書きでも書いて入れますか?

 私があとがきを書くかということですよね?余計にカオスになる気がするのでやめておき
ます(笑)

 
 以上、力を振り絞った末の残りかすでした。



【Date:】 20 May 2009 08:27:00
【From:】 "鯖"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

緒形様

>違和感、5・6

ああ、成程…と言うか小生が其処にふれるとEOE及び「あれを無批判・肯定的に受け入れた」FFに対する批判と言うか罵詈雑言にしかなりませんのであまり言うのも躊躇われる訳ですが(汗&苦笑)

が、あえて少し言うなら「綺麗事ですっきり纏められる内は人間本気とは言えねえ」と言う経験則みたいな物が大きく引っかかってくる原因としてあるような気はしますね(苦笑)

だからEOEに関しては辛うじて「絞殺」で「無理やりとは言え落せた!」と感嘆した訳です(苦笑)

綺麗事・建前とは本来「多大な犠牲の上に苦渋を呑んで、それでも他に選択肢が無いから憎悪や怨念を無理やり押さえ込んで、或いはもう生きる気力も無いほど疲れ切って」口にするのが筋だと思っていますので(笑)だから「口ではこうは言ったが殺せるものなら本当は殺したい」みたいな情念がないと「ペラペラ」なんだと。一般論としては。

故に、EOEに関しても「納得」してどーする、アホか?と言う話なんですが、此処での緒形さんのご発言は「それと近い部分もあるのかな」とは思いました。

「つまらねえ男だな。小奇麗な台詞吐いて小さく収まってんじゃねぇよ。足掻け!」

とつい言ってしまうわけですね(苦笑)



【Date:】 20 May 2009 21:28:00
【From:】 "緒形ゆう"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

  【ここまでコメントを読んでいただいている皆様へ(←超重要、基本、誰に向けて書いたものなのか常に意識)】

 もう出てくるつもりはなかったのですが(笑)

 【別に誤解を恐れているわけではありませんが、そのままにするのも無責任だと思った(←このコメントを書いた動機、誰が誤解すると思ったのか)】ので
一応。

>故に、EOEに関しても「納得」してどーする、アホか?と言う話なんですが、此処での緒形
さんのご発言は「それと近い部分もあるのかな」とは思いました。

 【『幸せをつくろう』にはEOEに近い部分はありますが、上記の私の発言にEOEに「納
得」しているような説明はありません。全く。少しも。全然。(←誰に対して確認しているのか、誰が誤解すると思ったのか)】『アイのあいさつ』がレズも
のだと言われたときと同じくらいの戸惑いがあります。『アイのあいさつ』にはいわゆるレ
ズシーンがありますが、私はレズビアン愛好家(?)でも、レズビアン擁護者でもありませ
ん。【物語の作り方に関しての思考と、私のエヴァ(とか思想とか)に対する志向は全く別物
です。(←確認)】
 【おそらく「きれいに物語をまとめる」にひっかかかられた(←重要、誰を気遣っているか)】と思うので、本当はめんどうな
ので保留にしたかったのですが、説明します。ただ、わかりやすくするため話を極端にする
ので、【嫌な気持ちになる方いらっしゃいましたらごめんなさい。(←大事、伏線)】

 さすがに大丈夫だと思いますが、綺麗ごとと「きれいに物語をまとめること」は全然関係
ありません。例えば

 「綾波レイに固執するスト−カー碇シンジは、彼女に拘るあまり、彼女を拉致監禁し、バ
ラバラの死体にして、冷凍保存して、毎日眺めて、舐めたり撫でたりして暮らしていたが、
飽きたので捨てた。そうしてまた次の「獲物」を探す日々……」

 という物語を考えて見ます。「一般的な尺度」ではこの物語に綺麗ごとはありません。シ
ンジは「欲望」のままに動いているだけです。(まぁ欲望賛美とかと「曲解」して綺麗ごと
だと言うことも可能かもしれませんが)でも物語としては「きれいに」まとまっています。
物語の始めが明確に示されていて、一つのエピソードが終わり、終止感もあるからです。こ
の後のシンジの行動もちゃんと想像できます。つまり綺麗ごとがない「きれいにまとめ」ら
れた物語です。
 (ちなみに、この文章を読んだからと言って私が「そういう趣味の人」ではないと言うこ
とは、さすがにわかっていただけると思います。つまり物語に対する思考と自分の思想面で
の志向は必ずしも一致するわけではありません。しかし、もしこの物語を私が作ったとした
ら「こういういう生き方をするシンジをどう思う?抵抗ある?理解できる?」ということを
読者に問うことになるでしょう。こういう話を作る気はさらさらないので、この「物語」に
関して絶対に話を広げないでください。本当に無駄な労力になります)

 で、それを踏まえると「だからEOEに関しては辛うじて「絞殺」で「無理やりとは言え落せ
た!」と感嘆した」のならば、きれいに物語がまとまったのだと理解したことになります。
 (ちなみにシンジは最終的に「絞殺」できずに泣いているだけです。そこから、シンジの
この行動によって、最後まで「『人を傷つける』というコミュニケーションに伴う苦しみか
ら目をそらして甘く」生きることを逆説的に肯定していると解釈し、そんな彼の態度にアス
カが「気持ち悪い」と言ったのだということもできます。たぶんこれくらいの解釈ならやっ
ている人はたくさんいるでしょう。私の解釈と言うわけではありません)

>だから「口ではこうは言ったが殺せるものなら本当は殺したい」みたいな情念がないと
「ペラペラ」なんだと。一般論としては。

 それは一般論ではなく、一つの視点です。「ペラペラ」かどうかは各々の読者が決めるこ
とです。「説得力」のある「読み」をできた人が発言すべきことです。

 で、以上の「私の考え」を踏まえると

>「つまらねえ男だな。小奇麗な台詞吐いて小さく収まってんじゃねぇよ。足掻け!」

 という言葉は、「余計なお世話」「おせっかい」「ありがためいわく」「押し付け」(こ
の掲示版によって意味のずれた「パターナリズム」)と受け取っていいのでしょうか?足掻
いている男は「かっこいい」のでしょうか?セリフが小綺麗に見える自分の感性は疑わない
のでしょうか?「男」「小さい」という発想は西洋文明社会における男根ロゴス中心主義の
表われと見ていいのでしょうか?「陳腐な論理」に基づいた「強度も説得力もない」発想を
他人に強要するのでしょうか?という言葉で「返す」ことになります。(蛇足ですが、足掻
いている男を描くことや自分が足掻くことと、きれいに物語をまとめることは対立関係には
ありません)



 で、極端な話という言葉はここまでかかっています(笑)かなり驚いたと思います。3の
「綾波が死んだ」なんか比じゃないくらい。上の「ストーカーシンジ」の話なんか比じゃな
いくらい。【さすがにこの文脈だと、私が鯖さんに「喧嘩を売っているように見える」でしょ
う。(←誰にそう見えるように書いたのか)】わかりやすく極端にしたからです。しかし、【私は喧嘩を売りたくも、鯖さんのお考えを
「否定」したくもありません。私がその手の「発言」をしない人間なのは、これだけダラダ
ラ掲示板でコメントしていた中でちゃんと「読める」ことです。つまり上のコメントは「今
までの掲示板の文脈に即していないコメント」となるわけです。(←きっぱり、誰にこの「読み」を期待していたのか)】【(まぁ「キレた!(笑)」
とかっていう「解釈」は便利かもしれませんが)(←大事だったらしい笑)】
 【私はFFを書くときも掲示板でコメントするときも、必ず読んでいる人のことを意識しま
す。(←超超超重要、このコメントの核)】伝わるラインで書いているか、伝わるか伝わらないかぎりぎりのラインかいつも考えな
がらものを書いています。そして、いつもその妥当性を検討しています。読者の方のご意見
を頂いたときにやたら喜んで大量にコメントするのはそのためです。
 きれいに物語が仕上がったからと言って、その作者がその結末に満足してすっきりしてい
ることは、たぶん割合としてそれほど多くないと思います。少なくとも、私はその手の満足
感を得たことはありません。それでも、流れ行く先がはっきりと決まらなくても、その話を
「完結」させたいなら、物語にとっては結末を(作者にとっては「作品の中(←大事)での
とりあえず」の結論)を示すしかありません。そして、それは自分の信念に基づいたもので
あっていいかというと、そういうわけでもありません。物語の文脈の中で流れに沿ったもの
でないと多くの読者がそもそも「理解」できないことになります。例えば、上の「残酷な物
語」で、急にシンジが人間愛に目覚めたら、読者は「ついていけない」でしょう。(もちろ
ん過程があれば別ですが)つまり、結末とは読者のために「用意」したものであるというこ
とです。意味の通る主語と述語を使って文章を書き、人に伝えるのと同じことです。
 その「用意」をどうするか(拾うか捨てるか保留するか)はもちろん読者の次第です(こ
れは何度も繰り返したことです)。しかし、その物語を読み終わってしまった以上「用意」
していること自体に文句をつけることはできません。「用意」がいらないなら適当なところ
で読むのをやめればいいだけの話だからです。ですのでこれは「押し付け」でも「ありがた
めいわく」でもありません。選択権は常に読者にあります。私はただ「見てもらう」だけで
す。そして繰り返しになりますが、「見てもらっている対価」として「用意」をしているだ
けです。自分の考えをとりとめもなく書き連ねているだけなら、私は公開などお願いしませ
ん(そんなに「傲慢」にはなれません)。そしてその文章がとりとめもないものか、一応ま
とまった意味のあるものなのかをtambさんに審査していただいているわけです。『幸せをつ
くろう』はぎりぎり合格しました(笑)(勘違いされるとまずいので付け加えますが、『幸
せをつくろう』を作った「動機」は「二次創作の手法を使ってサードインパクトを表現しよ
うと思った」です)

 以上が【私が考える「きれいに物語をまとめる必要性」の説明(←>>39にリンク、誰に対して説明したのか)】です。別にこういうスタンス
で作っていないだろう方もたくさんいるでしょう。そういう創作方法を「否定」するつもり
も、自分の創作方法を「強要」するつもりもありません。(これはほとんどお願いですが、
「意味の一貫性」と「近代批判」を絶対につなげないでください。ちゃんとそれを理解した
うえで発言しています。あとはコミュニティにおける効果の問題と方法を問うくらいしかや
ることはありません)
 【最後にもう一度確認しますが「さすがに大丈夫だと」から「で、極端な話という言葉は」
まで、本音でも伝えたいことでもありません。(←ダメ押し、誰に対して確認しているのか)】本当に「いやらしいやり方」だとは思います
が、これ以上わかりやすく【「書いていることと考えていることの相違」を説明する(←何のため?誰のため?)】方法が思
いつきませんでした。週刊誌などの手法で見られるように文脈抜きでコメントだけ切り取ら
れるとまずいです。【ちゃんと読んでほしいところは「私はFFを書くときも掲示板でコメン
トするときも」以降です。(←このコメントの存在意義)】わかりやすさを考慮しなければたぶんそこだけで通じます。

 【もう「責任」は果たした(←動機がなくなった)】と思うので、この辺で終わりにします。

 【誤字脱字を含め、文章には手を加えていません。あと、この掲示板で作品はおろかエヴァともFFとも関係ない(と判断した)話はめんどいのでしません。理解誤解曲解含め放置します】



【Date:】 20 May 2009 23:09:00
【From:】 "tamb"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

 ウイルスなどものともせずダウンロード用圧縮ファイルを公開。

■密約について
 バラしますが(^^;)、「こうして読み返してると」以下の部分を、私が最終校正のメー
ルに書いたわけです。そしたら返事に「めちゃめちゃ大事なとこです!」以下があったと。
これが全文ではないのですが、私は作者の意図を汲んで掲示板に書いたと。これが密約そ
の1です。
 密約その1.5は読んでわかるようにメールでの反応をそのままなぞった物です。お約
束です。
 ということは、密約その2は私が「そしてそれが6の結末を踏まえたときにどういう意
味を持ちうるのかまで考える読者様がいたら」の読者様になるということで、やる気まん
まんですが今日はパス(爆)。でもやるので

> もう「責任」は果たしたと思うので、この辺で終わりにします。

 離しませんよ(爆)。


■まとめるとか落とすとか
 私の6解釈の拡張で、あまりにあまりなので黙ってましたが、最後に作者が出てきて
「うおお書けたぜこれで某巨大掲示板も批難轟々大騒ぎうははは」「わたしは消えるの?」
「うお綾波レイ! 出てくんな!」「僕はどうなるの」「アタシは髪を切らない」などと
やると読者は全員ひっくり返り物語はぶち壊しになる(爆)。続けて「こんなものを書いて
みたんだが」「あなたはあの子達をどう思っているのです?」などとゲンドウとユイの会
話を入れ、さらに続けて「整合性のある世界を作るのは難しいね」などというカヲルあた
りのモノローグが入ると入れ子構造でメタがメタを呼び全く意味不明になります(笑)。

 ほんとすいません(^^;)。

 まぁあれですよ。作品なり書き込みなりを晒すというのは何かを伝えたいからであって、
伝わらなければ意味は無いですわな(まぁ伝わる人にだけ伝わればいいというのもありと
いえばありですが)。
 何回も書いてることですが、私が誤字誤変換にこだわるのは、それ自体を落としたいと
いうのも確かにあるんですが、そういう校正作業で何回も何回も読むことによって推敲を
重ねて「これでほんとに伝わるのか」というのを考えて欲しいということでもあるんです
よね。まぁそんな話はいいか。



【Date:】 21 May 2009 09:11:00
【From:】 "鯖"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

すみません、レス書いてたら飛びました(汗)

なので要約版です(苦笑)面白く無いのはどうかご容赦のほど…(汗)

「売られた喧嘩は買う! 相手が背を見せて勝手にリングから降りるなら後ろからしばき倒す!一度うられた喧嘩なら試合放棄はゆるさねえ。」


…って、嘘です(苦笑)ごめんなさい(汗)

書いてたのは「批評と作家」と言う話が一つでして、

「物語とは一発勝負」「作家よ語るな、物語れ」と言う様な話です。対話、或いはそれになりうる批評・評論と「物語」の差異の一つは、「誤解曲解も又読者の絶対的権利」であり、「一度物語を発表してしまえば作家は其れに対する自己弁護の権利すら失った、絶対者の前の被告人に過ぎなくなってしまう」と言う話、ですね。

「誤解を禁じる権利」は実は作家には無い、と言うか結局はそれを当初から織り込み済みで「すべて受け入れる」か、あるいは「それを避けようとしたならば、作品中でそれを完結できなかったと言う事は作家の敗北として受け入れなければならないのではないか」と言う事だったかと。

一度発表した作品に付いて「この解釈を禁じる」と言う事は恐らく作家には出来ないだろう…と言う事なのですよね(汗)むしろそれを言ったら「負け」だと。逆説的に言えば「無限の解釈が広がり勝手に展開する事」こそが創作の魅力とも。

その辺りは「論文」と「創作」の違いなのではないかと思ったわけです。故に補足や説明で修正の効かない「一発勝負」だと。



【Date:】 21 May 2009 09:32:00
【From:】 "鯖"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

続きまして「喧嘩上等」の方へ(笑)<をい。

仮想ネタである事を含みおいた上で、なおかつ「あ、困ったな」と言う事が実はあるのです(汗)

>上記の私の発言にEOEに「納得」しているような説明はありません。全く。少しも。全然。

此処で生じている「文脈の齟齬」は、緒形さんが「喧嘩と言う演出」をなさる為の「意図的誤読」なのだろうな、と思いつつ、しかし、見てる人には「鯖が緒形氏の作品にイチャモンをつけた」と言う誤解を与えてしまう、つまり

『言ってない事を言った』と言う事になってしまうのは拙い…と感じた訳です(汗)

>EOEに関しても「納得」してどーする、アホか?と言う話なんですが、此処での緒形さんのご発言は「それと近い部分もあるのかな」とは思いました。

と言うのは、サブカルチャー論壇の「肯定的なEOE解釈(及びそれを丸ごと無批判に受けたFF)」に対する小生の違和感と、緒形さんの「5,6を読者が読んで受ける事になるだろう違和感」はおそらく同質のものであり、それを狙われたのだろうと思いました…

と言う意味で書いた訳なのですが、「仮想挑発」?のパートでは「鯖が緒形氏の作品やその解説に対して誹謗を行い、緒形氏がそれに反論した」と言う形になってしまう訳で。

仮想、と銘打ちつつ、その「誤解」自体は解消されないままになってしまうんではないかいな?と。

見た人は「緒形氏は鯖の暴言に対して喧嘩を受けるつもりはないけど否定はしたんだ」と言う風に解釈なさるのではないかなあ…と。

ん?なんか小生、ヒールにされてる?なんで?(汗)
と言うかこれでは「リングに上がるつもりなかったけど上がって暴れたほうが良いの?(汗)」<をい。

と言う事に…困ったな、と(汗)

さて、どうしたもんか、と。



【Date:】 21 May 2009 10:05:00
【From:】 "鯖"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

まあ、元々「喧嘩を売る」意図は全く無かったというか、ある意味「賛意」として書いたら「誹謗を受けたので其れに毅然と反論する」と言う形でアピールされてしまった…(まあそれは小生の書き方がアバウトな所為で誤解してしまわれた、と言う可能性もあるのですが 汗)

と言うのに近い状態で、困惑する破目になってしまいました(ほほほ 汗)

>「説得力」のある「読み」をできた人が発言すべきことです。

はい、すみません(苦笑)んー、これは矢張り「苛立たせてしまったのかなあ」と(汗)「頭の悪い奴と話するつもりはねーんだよ、黙ってろ馬鹿」と言うのはもしかしたら御本音なのかも、だとしたら何か凄く申し訳の無いことしちゃったなあ…(汗)

と猛省はしております(汗)御面倒をおかけしてすみません(平伏)なにぶん無学文盲の徒ですので、広いお心で無知無教養を宜しくご指導いただければ(汗)

(まあ、其処まで罵倒された上で「仮想の話・本音じゃない」と言われて「ああそうなんだ」と額面どおりに受け取る人間は相当お目でたい訳で、多分コレはやんわりと「怒りと不快感を表されたものなんだろう」と解釈し、反省すべきなんだろうなとも思った訳です 汗 重ね重ね申し訳なく思います 汗)

ちなみに一般論とは「殺す殺さない」、まあ判りやすい例では「被害者遺族の感情」みたいなことを念頭に「法律や社会秩序が私的感情より優先される」と言う事は「よく解っている」けれども、やっぱり「殺せるものなら犯人を殺したい」と言う、

「建前や公的秩序と人間としての普通の私的感情の葛藤」を「一般論」と述べた訳なのです。

まあ、これはある種のスタンスの方には「そんなものは一般論などではない」「遺族感情を盾にした厳罰論者の我田引水であり許せない」と言う事にもなってはいますが…社会的には。

まあそう言うことに付いて触れたものでしたので、一応補足をば(汗)すみません。



【Date:】 21 May 2009 10:27:00
【From:】 "鯖"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

>私がその手の「発言」をしない人間なのは、これだけダラダラ掲示板でコメントしていた中でちゃんと「読める」ことです

…すみません、流石にこれはどうかと(汗)
怒られてる人間が言う事では無いわけなんですが、

「まあ往来で罵倒したが冗談だから気にするな。この私がお前如きにそんな事をする筈はないと判らないか?そもそもお前に気にする程の体面なんかないだろう?」

と言われると最早「どうお返事申し上げたものか」ほとほと困り果ててしまうわけで(汗)ご不快の念は無理からぬ事とは思いますが、匹夫にも流石に全く体面がないと言うわけにはいかぬものでして(汗)

まあ『「陳腐な論理」に基づいた「強度も説得力もない」発想』は度し難いが、私は寛容な人間だ。馬鹿がほざくくらい許してやる。ゴミに目くじらを立てるほど私は愚かではないからな…と言うありがたいお言葉をありがたく頂戴する他無いと了解いたしました(平伏)

今後はなるべくお目ざわりにならぬよう気をつけますので、愚かな小生をどうか宜しくご指導くださいますよう宜しくお願い申し上げます(平伏)



…と言う形で「受けさせて」頂きます(笑)

何もレスしないという訳には流石に行かないような気がいたしますので(汗)



【Date:】 21 May 2009 12:41:00
【From:】 "鯖"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

さて、まあ

「物凄く怒られてるのに気付かずにヘラヘラしてるとはやっはりアホだな」

と言われると流石に不本意ですので、一応「仮想のお叱りと抗議に対するお返事」はさらっとしておいて、今度は真面目に。

拝見して「仮想」の部分と「本旨」の部分の継ぎ目判読が結構難しいと感じました。何故なら「ここからここまで」の外側にも小生のコメントにも関係すると思しき「批判」を頂いたように思うので(汗)

まずもって誤解ですよー、と言うのは前述の「緒形さんの御作やコメントに対する批判の類ではなく、むしろ

「5,6における企図して誘導された違和感」への「賛同」であった所と、もう一つは、

その文脈に沿えば当然であるが「きれいにまとめる」事に関しては「全く何も考えていない」と言うか技法上今更異論など無い

と言う事ですね。むしろ「庵野の最後の一派逆転」な表現手法を褒めこそすれ、別に「無難にまとめる」事を批判は全くしていない訳なんですが…

なぜか其処に引っかかられた、と(汗)

で、「極論」と言うのは「極端な例」と言う意味ではありますが、たいていにおいて

「言い方は悪いかもしれないが言いたい内容としてはこうだ」

と言う意味となる訳なので、そうすると、

「こうまで口汚く罵る事はよくないと解っているが、この馬鹿者を矯正する為にはそこまで言う必要があったのだ。」

と言う意味になると思うのですよね(汗)で、その御言葉を文字通り解釈すれば「ああ、基本的に罵倒の内容は思っていらっしゃる事なのね…誤解から出たこととは言え思わぬご意見・御叱咤を拝聴してしまったわ」となる訳です。

が、後に「思って居る事とは違う」と仰られ、
「え…極論、ですよね? 「反面教師」とか仮定論じゃなくて。それだと意味が通じなくなってしまうのでは」とも思った訳ですね。

元々「きれいに物語を纏める必要性」については、其れこそ各表現者の方々の「流儀」であると思うので「異論」はさらさら無かった訳ですし、故にそれを批判も否定も全くしていないので…

(脱線ですが、「一貫性の否定」と「ポストモダン」を問題にする人は恐らく殆ど居ないのではないかと 汗 と言うのは既にそれは「使い古された手法」「よくあるファッション」と言う理解になってしまっていて今更違和感を覚える人はあまりないと思うのです。そして、同時にそうした「ポストモダン論」が近代批判としては全く機能していない、と言うのも「当たり前の話」になってしまっていますし…汗)

又、「自分の考えをとりとめもなく書き連ねているだけなら、私は公開などお願いしません」と言うのは小生のコメントのスタイルに対する不快感、なのかなあとも思ってしまったりした訳です(汗)

まあ、要約すると「誤解の結果」の部分を除けば「馬鹿と議論するのは不快だ、黙れ」と言う「結論」になってしまうわけで、これだと「仮想」の部分が在ろうが無かろうが論旨としては変わらない事になります(汗)

「書いていることと考えていることの相違」を表現なさる筈が「文章は思考の文字化である以上、どのような技法を用いようとも考えて居る事はおのずから現れる=いかような場合であれども文は人なり」と言う事をあらわされているようにも見えてしまうのですよね(汗)

結果的には「論旨」とされた部分が「誤解」で、「いやらしい」やり方と仰られた方が「影の論旨」として「そこだけ意味を持って残る」様な気がします。と言うかそっちの方が「ああ、成程…」と(苦笑)



【Date:】 21 May 2009 14:54:00
【From:】 "鯖"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

ん、矢張り説明を端折りすぎたようにも思いますのであえて、下記を。

小生のコメントですが、

「綺麗事ですっきり纏められる内は人間本気とは言えねえ」

とは「綺麗事」と書いている通り「違和感・納得」に掛かる訳で、

(理屈や理想論と情念は別の物である、故に理屈に情念をあわせるとすればそこに激しい葛藤が描かれてこそ生きてくる人間描写、ではないだろうか?と言う事を「あえて無視して」描き、「どう、変じゃない?」と言う「気付き」を誘おうとされた緒形さんの手法への賛辞であり、翻ってその「葛藤」を無視した言論人等の「見解」はナンセンスではないのか、と言う事を言っていた訳なのですが)

「ストーリーを作るうえでの技法」を指している訳では全くないんですよね。(仮に狙いやテーマ?が展開上の制約により端折られたりすればそれは失敗作と言うべきではありますが、この作品はまさしく狙いを果たしている訳で)

で、

>綺麗事・建前とは本来「多大な犠牲の上に苦渋を呑んで、それでも他に選択肢が無いから憎悪や怨念を無理やり押さえ込んで、或いはもう生きる気力も無いほど疲れ切って」口にするのが筋だと思っていますので(笑)だから「口ではこうは言ったが殺せるものなら本当は殺したい」みたいな情念がないと「ペラペラ」なんだと。一般論としては。

と言うのは前述の如く「制度や理性」と「情念」の葛藤について、例えば「凶悪事件の被害者遺族の心情」のようなものに顕著に現れるそれについて述べたものです。往々にして「思想理論や哲学、法」の立場からものを言う人々は、其処に居る「生身の人間の情念」を理解していない様に振る舞い、語る…確かに法理論としては筋は通るかもしれない、が、「それが取りこぼすものを語るのも文学・文芸」と大仰に言えばそうなる訳です。でありながらそうした「情念」を「哲学や思想と言う立場から否定し省みぬ」とすれば馬鹿げている、と。

それを評して「ペラペラ」と評した訳です。それで、弁護士や教育関係者は遺族や子供を納得させられるとでも思っているのか?そんな事で良いのか?と(苦笑)

それと似た構造がEOEを取り巻く言葉にもあるような気がした、それをあえて「違和感」として顕された事に賛意を表した…つもりだったのですが。

ゆえに「「納得」してどーする、アホか?」とそうした言説に向かって言い放ち、作中のシンジには、

「つまらねえ男だな。小奇麗な台詞吐いて小さく収まってんじゃねぇよ。足掻け!」

と叱咤する訳です。キミは人間ってものを全然わかっちゃあいないね、それは他者を理解しようとする姿勢なんかじゃまったくないんだよ? 道は長い、励め!と(苦笑)

いうのを「最も端折って」書いた所、どうも緒形さんには「全く違った意味」に解釈された様に思います。

まあ色々とご批判を頂いた訳ですが「あー、なるほど、そう言う風に見られていた訳だ 汗」と(苦笑)

と言う事で批判では無い事は御理解いただきたく。
まあ小生に対する手厳しい批判は良い勉強をさせて頂いたと感謝しております(深々)

では。



【Date:】 21 May 2009 22:48:00
【From:】 "緒形ゆう"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

>>41さらにわかりやすくするためコメント加工。



【Date:】 22 May 2009 12:55:00
【From:】 "tamb"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

 管理人としては何か書くべきなのかなという気もしますが、何を書いていいのか考えが
まとまらない時は書かないというのも正解かと思うので書かない。書いてるけど(^^;)。

 とりあえず鯖さん、まずは落ち着いて書いてください(笑)。
 この掲示板は時間の流れがゆったりとしているので、慌てて書かなくても誰かに先に書
かれて考えてる事が無効になってしまうというような事はまずありません(絶対とはいい
ませんが)。なので、だーっと書かずに書きたいことを脳内でまとめていただき、それか
ら書いて、できるならば一回くらい読み直して誤変換を修正し(爆)、それから投稿してい
ただけると幸いです。それなりにちゃんとしてることを言おうとしていて、私などはつい
ていくのにあっぷあっぷな状態なので、誤変換を脳内変換するのは困難です。

 それからあれですね。鯖さんの怒りの源泉というのはEOE公開前後のエヴァFF界の状況
にあると思うんですが(これを外してたら以下全て無効なんですが)、そのあたりの空気
感は私も恐らく緒形さんも共有できないんですよ。いろいろ聞いたり読んだりはしました
が、前提が無いだけになんで当時はこんなにエキサイトしてたのかがもう一つ理解し難い。
ログとか読んでもダメです。それはリアルタイムでその場にいた人が後から読んで「こう
だったな」と思うだけで、後追いで読んでもわからないのです。前提の無い人に伝えよう
と言う意思を持って書いてるわけではないので当たり前です。

 なので、その辺の状況を一度きっちりまとめて書いてみるのもいいかもしれませんね。
伝わるように。それは後世への貴重な資料となるでしょう。アスカ属性の人にも書いてい
ただければ、あわせて一冊の本にして出版できるかもしれませんよ。そしたら印税生活で
うはうはです。

 能天気なコメントですいません(^^;)。

 その辺(EOE後)の状況、きっちりまとめて伝わるように書いてあるのがどっかにあっ
たら教えてください。勉強しに行きます。総合のログ以外で(笑)。



【Date:】 22 May 2009 14:13:00
【From:】 "鯖"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

tamb様

いや、ご面倒をお掛けし申し訳ありません(苦笑)

「管理人さんにお詫びを申し上げてなかった 汗」

と思ったら書き込むよりお言葉が先に(汗)
すみません(汗)

えーと、何から申し上げたものか(汗)
先ず、少し驚いたのは「全然怒っているとかでは無い」訳だったんですが、何かそう言う様に見えるみたいで…(汗)

あの書き込み「口調」は全て只の「ノリ」と言いますか染み付いた「癖」の様なもので怒り・悪意・敵意の様な物は一切ございません。のですが何かお騒がせしているようで申し訳ないです(汗)

創作やコラムを書く時と違い、掲示板での会話?は「ライブ感覚でのノリ」を表現したいと言う事が常に習慣としてありまして、細かい説明なぞは全てすっとぱして書いております。その辺りを御理解いただければ「これは只の悪ノリに過ぎぬ」とおくみ取りいただけるものかと思っております。すみません(平伏)

その上で、

「思いついた時に感じた事を直観的に書く」
(折角の対話なので「どういう意味?」と聞いて頂けたら色々対話の中で説明差し上げる、と言う様な形を念頭に置いた習慣です。)

と言う事を毎度「好き好んで」やっております(苦笑)あと、ワードパッド等で書いて貼り付けると改行が変になり、こまめに切らないとキーが時間切れで無効になる(仕事中にサボリで書いているのでよく中断します 苦笑)と言う特殊事情もあるかも(汗)

煩わしい文章で申し訳ありません(平伏)

多分内容的には「とても整理して書くようなシロモノでもない」と思いますので御容赦の程を(汗)

「怒り」(?)の源泉

前述の如く、既に「怒っているわけでは全然無い」のですが、まあEOEとその前後の状況に対する「当時の疑問や不快感」と言うのは、小生のエヴァ観の中核を作ってしまっている事は事実かと思います。

故に、物を見る尺度がどうしてもその辺りに由来しやすくなっていますし、当時それこそ全開でやっていた「本田透批判」なぞ未だにライブ感覚を引き摺っている面はあります(苦笑)

全体としては「批判自体は所詮お遊びだが、その時自分の中に出来た理屈はそう間違っては居ないし応用が利く」と思っています(笑)

が…それをエヴァFF関係の「回顧録」?とかにすると言うのは流石にアホ過ぎる話になってしまうので一寸難しいですね(苦笑) むしろ「ヲタクと社会」みたいなテーマの論説にするならまだできるのかもしれませんが…

で、此処で小生がEOE直後のあの「異様な空気」?を回顧しつつ色々言っているのは「ふーん、そんな事があったんだ」程度に聞き流して頂ければ幸いです(笑)所詮「昔話」とおもってつい「懐かしく」語っていただけ、のつもりだったのです。

が…どうもそう取っていただけ無かったのかな?と言う所もあるみたいで(汗)

緒形さんが急に「比喩」?にあれを振られたので正直「えー?」と言う感想は持ちました。次に「誤解されてるなあ」「ほっとくのもあれだよね」と思い色々書いている内に「…いきなり前振りも無く、特に小生を『ダシ』として使われた事に対する個人宛の断りも無かった。と言う事はやっぱり敵意を抱かれていると考えるべきなのかなあ」とも思った訳です(汗)

「ダシに使ったけど御免な?悪気はないよ?」と言う小生宛の「承諾取り付け」の一つもあればそうも思わなかった訳なのですが、「読者一般宛」の説明としてあえて小生個人宛のコメントを「避けておられる」以上は、これは「言わなくても解るよな?お前の事だよこの野郎」と言外に言っておられるのかもしれん…と思ったわけでして。

まあ「冗談」「ネタ」ならば「悪いな。許せや」位のフォローくらいはあるだろうがあえてそれを避けて通られた、と言う点で。無論、それを「非礼だ」と一々目くじら立てる程野暮ではないつもりですが…流石に「引いた」んです(苦笑)

ああ、本気で「嫌われてるなあ」と(汗)

それについては申し訳ないと思いつつも「けど一方的に嫌われて只頭下げるのもなんか筋が違う」「それは幾らなんでも身に覚えは無いですよ?罵倒されるのを避けようとは思いませんが、全て仰る通りとはいえません。」とだけはあれで申し上げたつもり、なんですよね。

ま、幾ら「本意じゃないから気にするな」と言われても「普通、断り無しにああ言う使い方をして直接の詫びもないのはやっぱり嫌われてるからだろう」とは思った訳なんです(苦笑)

まあ、さびしいなあ、とは思ったもので。
そして不快感を与えてしまった事には申し訳ない、と思いつつ「でもそれ以上に頭下げる理由はないんだよなあ…」とも。

まあ、そう言うあたりなのです。お騒がせする結果になり申し訳ありませんでした(平伏)



【Date:】 31 May 2009 23:39:00
【From:】 "tamb"
【Subject:】 Re: 幸せをつくろう/緒形ゆう

 レイにしてもシンジにしても本編の中であんなに苦しんだんだからもういいじゃないか、
という某氏の言葉が高熱にうなされている私の脳裏を繰り返しよぎった。
 というのは半ば嘘だが(爆)、この言葉に私は、基本的にと言うより全面的に賛成する。

 “彼女”はそんな表面的な幸福にはこだわらない。やるだけのことをやり、悔いがなけ
れば得られた結果は幸福であると定義づけるだけの強さがある。

 シンジは今にも訪れようとしている、いわゆる“不幸”からひたすら目を逸らし、ステ
レオタイプな幸福を、目を覚ませと言われるまで、まさに夢見続けていた。
 しかし彼はこうも思う。

>  彼女が幸せでありさえすればいい
>  自分が不幸になってもかまわない

 いくつかのシミュラークルを通して、シンジは本気で生きることを身に付けた。(>>13)
本気で生きさえすれば、それが幸せであると。逆に言えば、たとえ自分が不幸であっても
彼女の幸せを願うという生き方は本気の生き方ではないということだとも言える。
 しかしこれは言葉遊びに近い。何が幸せで何か不幸せかの定義づけが曖昧だからだ。彼
女が幸福でありさえすれば自分が不幸でもそれは幸福であるというならば、それは既に不
幸ではない。

 真実は与えられるものではない、と思う。だから、綾波レイと碇シンジ、あるいはエヴ
ァンゲリオンという“毛布”を抱えて生きることを決意した私は、「今はまだこれでいい
と思う」という彼を肯定することはできない。「僕にできることはまだまだいっぱいある
ようだ」という想いに安住している彼は「甘美な世界で眠り続けている」ようにしか見え
ないからだ。「やっと辿りついた遠い世界」が与えられた真実にしか見えないからだ。

 不幸から目を逸らしても幸せは来ない。精一杯やった結果がそこにあるなら、それは受
け止めなければならない。精一杯やったんだから悔いはないし、それは幸せであると言え
るのだと。
 それでも私は、笑顔で「幸せだよね」と彼らに言うことはできない。たとえそれが押し
付けであろうとも。


 以上、宿題の回答でございました。