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イリュージョン・ハッピーライフ=ドリーム/D・T
| 件名 | : Re: イリュージョン・ハッピーライフ=ドリーム/D・T |
| 投稿日 | : 2022/06/01 01:42 |
| 投稿者 | : デーテ |
| 参照先 | : |
カラフルモノトーン
◇
砂浜を模した市民プールの、その波打ち際でたそがれている。
そろそろ帰る時間になってしまった事にレイは気付いた。夕焼けのぼんやりとした明かりの真ん中で、流れる雲を見ていた。
ちゃぷちゃぷと足下で跳ねるプールの浅瀬を、複雑な水面のプリズムを、ゆっくりと放物線を描くビーチボールの軌道を、夜に向かって飛ぶ鳥の影を。
目に映るそれらを黒と橙色に塗り分ける光の中にレイは居た。曖昧に滲んで輪郭がぶれるような色の中に居た。
「なんだか、これは。……この気持ちは、」とレイは小さな声で呟いた。
燃えるような空を横切る鳥の黒い点々。微かに輝き出す青白い星々。風が少し出てきて、忘れていた体温が甦った。
「なにポエってんのよ」アスカが隣に並んで言った。「帰るわよ」
夕陽に燃える濡れた長い髪が幾筋か、アスカの白く細い肩に張り付いているのが見えた。橙色に反射する水滴の煌めきが髪飾りのように見えて、まるで星空のようだった。
「やだ」とレイは駄々をこねてみた。
長い髪が羨ましいような、手入れが大変そうなので短いままの方が良いような、夕陽に照らされた時の気持ちで意味の無い言葉を口にする。
帰りたくない気持ちと、お腹がすいたので帰りたい気持ちと、この後の花火が楽しみな気持ちと、この曖昧な色合いが永遠に続けば良いのにという願望とが混ざって途方に暮れていた。
「しゃらい! あたしはすぐにでもご飯食べて花火やってアイスクリーム食べたいの! 帰る、わ、よ!」
アスカはレイの手首を掴んだ。丁寧に磨かれた爪がチカチカと瞬き、グイグイと力強く、しかし性急では無い配慮のある掌握がレイを動かした。
ぱしゃぱしゃと波を蹴りながら夕暮れを進む。昼じゃなくって、夜じゃないこの時間と場所を。波打ち際を。黄昏を。
「私も」とレイはアスカに言った。「アイス食べる」
△
吐いた息が白くなるのが面白くて、レイは呼吸を意識した。
ふーっ、ではなくて、は~、が良い。
肩から下げた毛糸のポシェットに、お使い用のがま口とメモが入っている。いつもは母に手を引かれて通る道を今は一人で歩いている。
小学生にもなると、これはもう立派なレディなのでそれ相応の扱いをするように、とレイは両親に求めた。アニメの主人公の真似をして言った。
レディは一人でショッピングが出来る、という思想を根拠にレイはお使いに赴いている。
田んぼの脇を通るあぜ道をじゃりじゃりと進む。
どんよりとした曇り空と白い呼気が重なりあって、もしかしたら雲の中に入るとこんな感じなのかもしれないと想像した。
お~い、とレイを呼ぶしわがれた声がした。
レイは辺りを見回す。背の低い家がまばらに建ち、広い灰色の空が見える。遠くの方まで視線が通り、山にぶつかって途切れる。畑や果樹が各家庭にある農村の風景だった。
畑の横で座り込み、水筒を持って一服をしている老婆がいた。もんぺに手拭いというクラシカルなスタイルが周囲との調和を高めている。
「ばあさん」とレイは親しみを込めて応えた。
「あんたなにしょんと」と老婆は尋ねた。
「おつかい」と胸をはってレイは答えた。
「へぇ、ひとっこでがい。大変だなや」
一人でおつかいに行けてすごいね、と言われてレイは嬉しくなった。芽生えたばかりの自尊心がミチミチとした。一人前のレディなので、と付け足す。
「れでぇか。そんりゃええねや」
かっかっかっと笑って老婆は水筒の中身を飲んだ。
「なにのんでるの」とレイは聞いた。
「桃の汁じゃ。飲みや」と言って老婆は水筒の蓋を渡してくれた。
それはほんのりと甘く、水に果汁を少し混ぜただけの物だった。
「あんまり美味しくない」
「うまいもんじゃねぇよ。口に含んで、目ん玉とじて味を探すもんじゃに」
どうしてそんな事をするのだろう、とレイは思った。
「味を見とるし、あんまし濃いのは好かんのよ」と老婆は言った。「こっしの桃はへしょいまんずだ」
「夏にくれたみかんみたいなやつは美味しかった」
「だいだいやね。冬超えて甘くねるや」
「色えんぴつとか、クレヨンにだいだい色あった」
「ほんに。えしゃらってな」
老婆はゆっくりと腰を上げて、近くに伸びている木の幹に手を当てた。
「こいがだいだい。もうしょっとで実がつく」
レイはその木を見上げた。普通の木で、これがだいだいの木か、と思った。見分けはつかない。
「そう。わからない」とレイは言った。「もう行くね」
老婆と手を振りあって別れた。
だいだい色は、果物の色。寒ければ寒いほど甘くなるらしい。冬の空気には、甘くなる何かが混じっているのかもしれないとレイは思った。
□
ツバメを抱っこしながら、彼女は腕の中の小さな命を、小さいのに重くて暖かい赤ん坊の事を思っていた。指を近づけると握り返してくる手も、細い髪も、耳や鼻も、全てが小さい。
生きている。
彼女に赤ん坊だった時期はなくて、だから不思議に思うのだろうか。だんだんと大きくなる事が。成長するという事が。
彼女は、自分には過去も、そして未来も無いという事を知っている。形を失う瞬間が近づいているのを感じている。
ツバメの小さな頬っぺたに自分の頬をくっつける。赤ん坊の高い体温が心地好く、生き物の臭いがする。汗や脂の力強い臭い。脈打つ鼓動のリズムや、皮膚をくすぐる吐息。
「土の匂い」
ツバメは腕を振り回して、彼女の頬をぺたぺたと触って笑った。
「そっくりさん、ツバメを見ててくれてありがとう。代わるわ」
外から戻ってきたヒカリが靴を脱ぎながら声をかけた。手を洗い、彼女からツバメを受けとる。
「行ってらっしゃい」とヒカリは微笑んだ。
「うん」と彼女は応えた。
通いなれた経路を辿りながら彼女は彼の事を想う。深く傷付いて損なわれてしまった碇シンジの事を想う。
もっと話が出来れば良かった。
もっと沢山話しかけたかった。
土の匂いや、ツバメの小さな掌、ぬかるんだ田んぼから脚を引き抜くときのコツ、雨合羽に当たる大きい雨粒の痛さ、日陰で感じる風の通り道、お腹の膨らんだネコ、太陽の光が眩しいこと、みんなでお風呂に入るときの作法、もっと、もっと沢山。沢山のおまじないの事も。
軽い傾斜の坂を上ってからふと気付く、この夕焼けを見たときの気持ちの事を。
ずっと見ていたくなるこの不思議な色の事を。
崩れかけた廃墟に到着して、彼の小さな後ろ姿を視界に収める。
彼はいつか回復するかもしれないし、しないかもしれない。彼女は回復を待っているわけではない。
ただ見ていたいから見ていて、側に居たいから側に居るだけだ。
もし。いつか。彼が立ち上がろうとした時に、その時に側に居ることが出来れば良いなと、ただそれだけを想っているだけだ。
(彼が幸せになれば良いなって、私はきっと、何度だって同じことを想う)
暮れる空を彼女は眺めている。彼も、瞳には映っているだろう。それで良い、と彼女は思った。
▽
膝の上に乗せられた頭の重みは感じなくて、それについては少し残念だなとレイは思った。
ぼやけた視界と色彩の中で、くっきりと輪郭を保っているのは二人だけだった。
ふわふわと漂う黒い髪を視線で追いながら、あるいは淡いブルーの髪がそよぐのを見つめながら、ぽつりぽつりと会話を交わす。
悲しかった事や、辛かった事、大切に思っていた事、思いもよらなかった事。
全てがあって、何も無いこの場所では。心の壁の無い補完された世界では、本当は会話をする必要は無い。けれども意味はあった。
傷付けあって、傷付く世界を望むという事。
希望なのよ、とレイは言った。あるいはもしかしたら、シンジが言った。
満たされていた心から、どんどんと充足感が喪くなっていくのをレイの感覚は捉えた。喪ってしまうのはとても寂しかったけれど、欠けているから求めるのだと理解していた。
だから、
「僕は、君と」とシンジは言った。
起き上がったシンジと目を合わせる。シンジはそっと右手を差し出した。
「綾波、君と、」
レイもゆっくりと手を伸ばす。レイの唇が微かな弧を描く。互いの考えている事はもう分からないけれど、思っていることはたぶん一緒だから。
■
ふとレイは意識を覚醒させた。
幻を見ていたような、夢から覚めて、もしかしたらこの『今』でさえも次の夢なのかもしれないと感じる唐突な覚醒だった。
レイは初号機のエントリープラグの中にいた。実体は失っていたが確かにシートに座って操縦桿の上に手を置いている。
時間の感覚は無いが、LCLにたなびく淡いブルーが時の流れを想起させる。脈絡もなく、夜空を横断する銀河が思い浮かぶ。
呼ばれる。という強い実感がレイの中に沸き起こる。
「もう、乗らなくていいように、出来なかった……」
後悔と悔恨と、そしてとめどない歓喜の心と後ろめたさが同時に蠢いている。
「……」
幻想の世界で起こったかもしれない、いくつもの可能性がよぎる。そして、もしかしたらそれらが終わってしまうような気さえする。
レイはプラグスーツに包まれた右手に視線を移した。力を込めると指はしっかりと動き、何かを掴むような形になる。
きっと、掴んでいる。
「……さよならなんて、寂しい事を言わないで」と呟いてレイは微笑んだ。
了
◇
砂浜を模した市民プールの、その波打ち際でたそがれている。
そろそろ帰る時間になってしまった事にレイは気付いた。夕焼けのぼんやりとした明かりの真ん中で、流れる雲を見ていた。
ちゃぷちゃぷと足下で跳ねるプールの浅瀬を、複雑な水面のプリズムを、ゆっくりと放物線を描くビーチボールの軌道を、夜に向かって飛ぶ鳥の影を。
目に映るそれらを黒と橙色に塗り分ける光の中にレイは居た。曖昧に滲んで輪郭がぶれるような色の中に居た。
「なんだか、これは。……この気持ちは、」とレイは小さな声で呟いた。
燃えるような空を横切る鳥の黒い点々。微かに輝き出す青白い星々。風が少し出てきて、忘れていた体温が甦った。
「なにポエってんのよ」アスカが隣に並んで言った。「帰るわよ」
夕陽に燃える濡れた長い髪が幾筋か、アスカの白く細い肩に張り付いているのが見えた。橙色に反射する水滴の煌めきが髪飾りのように見えて、まるで星空のようだった。
「やだ」とレイは駄々をこねてみた。
長い髪が羨ましいような、手入れが大変そうなので短いままの方が良いような、夕陽に照らされた時の気持ちで意味の無い言葉を口にする。
帰りたくない気持ちと、お腹がすいたので帰りたい気持ちと、この後の花火が楽しみな気持ちと、この曖昧な色合いが永遠に続けば良いのにという願望とが混ざって途方に暮れていた。
「しゃらい! あたしはすぐにでもご飯食べて花火やってアイスクリーム食べたいの! 帰る、わ、よ!」
アスカはレイの手首を掴んだ。丁寧に磨かれた爪がチカチカと瞬き、グイグイと力強く、しかし性急では無い配慮のある掌握がレイを動かした。
ぱしゃぱしゃと波を蹴りながら夕暮れを進む。昼じゃなくって、夜じゃないこの時間と場所を。波打ち際を。黄昏を。
「私も」とレイはアスカに言った。「アイス食べる」
△
吐いた息が白くなるのが面白くて、レイは呼吸を意識した。
ふーっ、ではなくて、は~、が良い。
肩から下げた毛糸のポシェットに、お使い用のがま口とメモが入っている。いつもは母に手を引かれて通る道を今は一人で歩いている。
小学生にもなると、これはもう立派なレディなのでそれ相応の扱いをするように、とレイは両親に求めた。アニメの主人公の真似をして言った。
レディは一人でショッピングが出来る、という思想を根拠にレイはお使いに赴いている。
田んぼの脇を通るあぜ道をじゃりじゃりと進む。
どんよりとした曇り空と白い呼気が重なりあって、もしかしたら雲の中に入るとこんな感じなのかもしれないと想像した。
お~い、とレイを呼ぶしわがれた声がした。
レイは辺りを見回す。背の低い家がまばらに建ち、広い灰色の空が見える。遠くの方まで視線が通り、山にぶつかって途切れる。畑や果樹が各家庭にある農村の風景だった。
畑の横で座り込み、水筒を持って一服をしている老婆がいた。もんぺに手拭いというクラシカルなスタイルが周囲との調和を高めている。
「ばあさん」とレイは親しみを込めて応えた。
「あんたなにしょんと」と老婆は尋ねた。
「おつかい」と胸をはってレイは答えた。
「へぇ、ひとっこでがい。大変だなや」
一人でおつかいに行けてすごいね、と言われてレイは嬉しくなった。芽生えたばかりの自尊心がミチミチとした。一人前のレディなので、と付け足す。
「れでぇか。そんりゃええねや」
かっかっかっと笑って老婆は水筒の中身を飲んだ。
「なにのんでるの」とレイは聞いた。
「桃の汁じゃ。飲みや」と言って老婆は水筒の蓋を渡してくれた。
それはほんのりと甘く、水に果汁を少し混ぜただけの物だった。
「あんまり美味しくない」
「うまいもんじゃねぇよ。口に含んで、目ん玉とじて味を探すもんじゃに」
どうしてそんな事をするのだろう、とレイは思った。
「味を見とるし、あんまし濃いのは好かんのよ」と老婆は言った。「こっしの桃はへしょいまんずだ」
「夏にくれたみかんみたいなやつは美味しかった」
「だいだいやね。冬超えて甘くねるや」
「色えんぴつとか、クレヨンにだいだい色あった」
「ほんに。えしゃらってな」
老婆はゆっくりと腰を上げて、近くに伸びている木の幹に手を当てた。
「こいがだいだい。もうしょっとで実がつく」
レイはその木を見上げた。普通の木で、これがだいだいの木か、と思った。見分けはつかない。
「そう。わからない」とレイは言った。「もう行くね」
老婆と手を振りあって別れた。
だいだい色は、果物の色。寒ければ寒いほど甘くなるらしい。冬の空気には、甘くなる何かが混じっているのかもしれないとレイは思った。
□
ツバメを抱っこしながら、彼女は腕の中の小さな命を、小さいのに重くて暖かい赤ん坊の事を思っていた。指を近づけると握り返してくる手も、細い髪も、耳や鼻も、全てが小さい。
生きている。
彼女に赤ん坊だった時期はなくて、だから不思議に思うのだろうか。だんだんと大きくなる事が。成長するという事が。
彼女は、自分には過去も、そして未来も無いという事を知っている。形を失う瞬間が近づいているのを感じている。
ツバメの小さな頬っぺたに自分の頬をくっつける。赤ん坊の高い体温が心地好く、生き物の臭いがする。汗や脂の力強い臭い。脈打つ鼓動のリズムや、皮膚をくすぐる吐息。
「土の匂い」
ツバメは腕を振り回して、彼女の頬をぺたぺたと触って笑った。
「そっくりさん、ツバメを見ててくれてありがとう。代わるわ」
外から戻ってきたヒカリが靴を脱ぎながら声をかけた。手を洗い、彼女からツバメを受けとる。
「行ってらっしゃい」とヒカリは微笑んだ。
「うん」と彼女は応えた。
通いなれた経路を辿りながら彼女は彼の事を想う。深く傷付いて損なわれてしまった碇シンジの事を想う。
もっと話が出来れば良かった。
もっと沢山話しかけたかった。
土の匂いや、ツバメの小さな掌、ぬかるんだ田んぼから脚を引き抜くときのコツ、雨合羽に当たる大きい雨粒の痛さ、日陰で感じる風の通り道、お腹の膨らんだネコ、太陽の光が眩しいこと、みんなでお風呂に入るときの作法、もっと、もっと沢山。沢山のおまじないの事も。
軽い傾斜の坂を上ってからふと気付く、この夕焼けを見たときの気持ちの事を。
ずっと見ていたくなるこの不思議な色の事を。
崩れかけた廃墟に到着して、彼の小さな後ろ姿を視界に収める。
彼はいつか回復するかもしれないし、しないかもしれない。彼女は回復を待っているわけではない。
ただ見ていたいから見ていて、側に居たいから側に居るだけだ。
もし。いつか。彼が立ち上がろうとした時に、その時に側に居ることが出来れば良いなと、ただそれだけを想っているだけだ。
(彼が幸せになれば良いなって、私はきっと、何度だって同じことを想う)
暮れる空を彼女は眺めている。彼も、瞳には映っているだろう。それで良い、と彼女は思った。
▽
膝の上に乗せられた頭の重みは感じなくて、それについては少し残念だなとレイは思った。
ぼやけた視界と色彩の中で、くっきりと輪郭を保っているのは二人だけだった。
ふわふわと漂う黒い髪を視線で追いながら、あるいは淡いブルーの髪がそよぐのを見つめながら、ぽつりぽつりと会話を交わす。
悲しかった事や、辛かった事、大切に思っていた事、思いもよらなかった事。
全てがあって、何も無いこの場所では。心の壁の無い補完された世界では、本当は会話をする必要は無い。けれども意味はあった。
傷付けあって、傷付く世界を望むという事。
希望なのよ、とレイは言った。あるいはもしかしたら、シンジが言った。
満たされていた心から、どんどんと充足感が喪くなっていくのをレイの感覚は捉えた。喪ってしまうのはとても寂しかったけれど、欠けているから求めるのだと理解していた。
だから、
「僕は、君と」とシンジは言った。
起き上がったシンジと目を合わせる。シンジはそっと右手を差し出した。
「綾波、君と、」
レイもゆっくりと手を伸ばす。レイの唇が微かな弧を描く。互いの考えている事はもう分からないけれど、思っていることはたぶん一緒だから。
■
ふとレイは意識を覚醒させた。
幻を見ていたような、夢から覚めて、もしかしたらこの『今』でさえも次の夢なのかもしれないと感じる唐突な覚醒だった。
レイは初号機のエントリープラグの中にいた。実体は失っていたが確かにシートに座って操縦桿の上に手を置いている。
時間の感覚は無いが、LCLにたなびく淡いブルーが時の流れを想起させる。脈絡もなく、夜空を横断する銀河が思い浮かぶ。
呼ばれる。という強い実感がレイの中に沸き起こる。
「もう、乗らなくていいように、出来なかった……」
後悔と悔恨と、そしてとめどない歓喜の心と後ろめたさが同時に蠢いている。
「……」
幻想の世界で起こったかもしれない、いくつもの可能性がよぎる。そして、もしかしたらそれらが終わってしまうような気さえする。
レイはプラグスーツに包まれた右手に視線を移した。力を込めると指はしっかりと動き、何かを掴むような形になる。
きっと、掴んでいる。
「……さよならなんて、寂しい事を言わないで」と呟いてレイは微笑んだ。
了
| 件名 | : Re: イリュージョン・ハッピーライフ=ドリーム/D・T |
| 投稿日 | : 2010/12/06 19:42 |
| 投稿者 | : D・T |
| 参照先 | : |
2015年が、もう、すぐそこまで来ているのを実感するために、久しぶりにこの掲示板へやってまいりました。
もう5年も前なのか。恐ろしい。
もう5年も前なのか。恐ろしい。
| 件名 | : Re: イリュージョン・ハッピーラ |
| 投稿日 | : 2005/08/04 02:16 |
| 投稿者 | : なお。 |
| 参照先 | : |
うわ、よく見てたなあ!
さりげなくレスも上げとかなかったのに(爆)
降参ですw
さりげなくレスも上げとかなかったのに(爆)
降参ですw
| 件名 | : Re: イリュージョン・ハッピーライフ=ドリーム/D・T |
| 投稿日 | : 2005/08/03 22:21 |
| 投稿者 | : D・T |
| 参照先 | : http://www.eonet.ne.jp/~dogura-magura/index2.htm |
2015年までにはなんとか。
| 件名 | : Re: イリュージョン・ハッピーライフ=ドリーム/D・T |
| 投稿日 | : 2005/07/29 22:07 |
| 投稿者 | : D・T |
| 参照先 | : http://www.eonet.ne.jp/~dogura-magura/index2.htm |
正直メンドクセw

感想を書かせていただきます。
読んでいる間、ビューティフルドリーマーという単語が頭をちらついておりました。
あの映画の内容は知らないので、このお話と似ているのかどうかはわからないのですけど(笑)
単語からくるイメージみたいなものでしょうか。
>そのまま一生会えないんじゃないかと思わせる消え方だった。
うーん、これには参りました。私には一生書けない文章だ。
こういう感性が私にはないので少しうらやましいです(*/∇\*)キャ
ではでは。