新創世記のアダムとイヴ

〜Positively〜

始まる日常



「バカシンジ!!」

爽やかな朝に少年の部屋に少女の怒鳴り声が響く

少年が目を開けたのを確認すると

「漸くお目覚めネ、バカシンジ」

少女は寝起きの悪い幼馴染の少年を呆れたように眺めながら乱暴な朝の挨拶をする

少年は上半身を起こし、目を擦りながら

「なんだ、アスカか」

と、眠そうにのたまう

少年の言葉に

「何だとは何よ!こうして毎朝、遅刻しないように起こしに来てやってるのに。それが幼馴染に捧げる感謝の言葉!?」

少女は怒り、マシンガンのように言葉を紡ぎ出す

だが・・・・・

「うん、有難う・・・・・だからもう少し・・・・・寝かせて

少年は、少女の言葉を軽く受け流して、再び布団に潜り込む

「何甘えてんの!?もう、さっさと起きなさいよ!!」

少女は怒りに任せて、少年の掛け布団を剥ぎ取ると言う荒業にうってでた

そして、何を見たのか

「アァア〜!エッチ!バカ!ヘンタイ!・・・・・シンジランナイ!!

そう言って

バッチ〜ン

少年の頬を叩く

「仕方無いだろ!?朝なんだから!!」

何が仕方ないのかそう反論する少年

その頃

台所で洗い物をしながら

「シンジったら〜。折角アスカちゃんが迎えに来てくれてるのに〜。しょうがない子ね〜」

そう呟くユイ

「ああ」

ゲンドウもユイの言葉に賛同するかのように言葉を発するが

「貴方も!新聞ばかり読んでないでさっさと仕度してください」

薮蛇だったのかユイにそう言われてしまう

だが

「ああ」

と言うだけで、読むのを止めようとしないゲンドウ

ユイは肩を落とすと

「もう!いい歳してシンジと変わらないんだから」

愚痴をこぼした

すると

「君の仕度は良いのか?」

新聞から目を離さずにゲンドウが聞いてくる

「はい、いつでも」

と返して

「もう、会議に遅れて冬月先生にお小言いわれるの私なんですよ?」

と続ける

「君はもてるからな」

何かを勘違いしているかのようなゲンドウの返答に

「バカ言ってないでさっさと着替えてください」

と答えるユイ

「ああ、分かってるよ・・・・・ユイ」

それでも新聞から目を離さずに返すゲンドウ

本当に分かっているのだろうか?

その頃、シンジの部屋では

「ホラ、さっさとしなさいヨ〜」

「うん、分かってるよ〜。本当に煩いんだからアスカは」

「あ〜ンですって〜!?」

という会話が交わされ

続いて

パン!!

本日二回目の小気味良い音が響いてきた





「じゃあおばさま、行って来ます」

そう言うと、頬に見事な紅葉を貼り付けたシンジを押しつつ玄関を出るアスカ

シンジはアスカに押されつつ

「行って来ます」

と言って出て行く

「ハ〜イ!いってらっしゃい」

ユイは二人を送り出すと

「ホラ、貴方いつまで読んでるんですか?」

とゲンドウを急かす

それに対して

「ああ、分かってるよユイ」

何時もの言葉を繰り返すだけのゲンドウだった





歩道を駆けるシンジとアスカ

「今日、転校生が来るんだってね」

先を走るアスカに話しかけるシンジ

「まあね、此処も来年は遷都されて新たな首都になるンですもの。どんどん人は増えていくわよ」

そんなアスカの答えに

「あは、そうだね。どんな娘かな?可愛い娘だったら良いな〜」

勝手に女の子と決め付けているシンジを

「ム〜〜〜」

ジト目でアスカは睨んだ

と、見通しの悪い交差点に差し掛かった時

ドッシーン

誰かとぶつかるシンジ

頭を抑えて蹲っていたが、顔を上げるとチラリと白い布のような物が目に入る

だが、すぐに他の布で隠され、その向こうに少女の顔が現れる

黒い髪と黒い目に変わっているが、見間違いようの無いその少女は綾波レイ

「ちょっと大丈夫、シンジ、レイ?」

心配そうに二人に駆け寄るアスカだったが、見詰め合っている二人を前にすると、心配した事を損した気分になり

「ちょっと、バカシンジにバカレイ!何やってンのよ!もう先に行くからね」

そう言って走り出すアスカ

イキナリのアスカの行動に、呆然として見送ってしまうレイとシンジ

レイは紅く染まった顔で振り向くと、小首を傾げる感じで頬を膨らませ

「もう、見たでしょ!碇君のH!」

恥ずかしそうに言い放つ

そんなレイにみとれていたシンジだったが

「さ、私達も急ぎましょ!パンツ覗き魔君」

舌をぺロッと出してそう言ったレイの言葉に驚き我に返ると

「待ってよ、綾波!」

先に駆け出しているレイを追いかける

二人の顔は楽しそうで、とても幸せそうに輝いていた・・・・・



【最終話】

後書き2


って事で、学園物にしています

アスカ達には記憶が残っていません

いや、レイとシンジの記憶も無くなってて

「あの娘、何処かであった気がする・・・・・何処で・・・・・?」

的ナ展開にしてもOKだったとは思うんですが、二人には記憶を持たせています

如何でしたでしょうか?

それでは今度こそ本当に

此処まで読んでくださった事に感謝致します

タッチでした




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