クラスメートを見送ったレイはシンジ達と共にネルフに向かった
修学旅行に行けなくなったせめてものお詫びと云う事で、職員用プールを今日は三人に貸し切りにしてくれるらしい
レイは水の中に居る事に不思議な安堵感を覚えている分、この申し出は嬉しかった
だが、一番喜んでいるのはアスカのように見える
不思議に思うレイ、それはプールに着くとすぐに分かった
更衣室で着替えるレイとアスカ
アスカはあの時買った水着を持ってきていた
「折角買ったんだから」
と言うアスカの言葉に、新しい水着を持ってこなかった事を少し後悔するレイ
そんなレイに
「ジャ〜ン！」
とアスカが言って見せてきたのはレイの新しい水着
「アンタの事だから、持ってこないと思ってね」
そう言って笑顔を見せてくるアスカに、素直に感謝するレイ
そんなレイの素直さに照れたのかアスカは
「こんなの、女の子の嗜みよ」
と、真っ赤になりながら分けの分からない事を言ってそっぽを向いてしまった
アスカの様子におかしくなったレイはクスクスと笑い出す
「な、何よ？何がおかしいのよ」
アスカの言葉に更におかしさがこみ上げてくるレイ
笑いが止まらない
「も、もう知らない！」
一人着替え出したアスカにレイは慌てて自分も着替え出す
それでもおかしさは収まらず、肩が震えてしまう
アスカが真っ赤な顔のまま先に更衣室を出たので慌てて追いかけるレイ
プールに出ると、シンジは一足先に着いていて、プールサイドのテーブルでパソコンを起動させていた
レイは早速プールに飛び込む
水の中はひんやりとしていて気持ちが良かった
一泳ぎしてプールから出ると、アスカがシンジをからかっている場面が目に入った
シンジ達の方に向かうレイ
すると、アスカはシンジから離れ飛び込み台に背中向きに座ると
「見て見て、シンジ、レイ。バックロールエントリー」
と言って、後転する様にプールに飛び込んだ
水の中を気持ち良さそうに泳ぐアスカを見て、レイも再びプールに飛び込み泳ぎ始める
二人の気持ち良さげな泳ぎにつられたのか、シンジもプールサイドに寄って来るのが見えた
それを待ってましたとばかりに、シンジの足首を捕まえて、強引にプールに引き摺り込むアスカ
目の前でシンジが溺れ出した
慌てて救助に向かう
アスカと共に何とかプールからシンジを引き摺り出せたが、大量に水を飲んだのかまるっきり反応しないシンジ
呼吸も止まっている事に気づいたレイは必死に人工呼吸を始める
繰り返す事何回目だっただろうか、漸くシンジは水を吐き出して呼吸を始める
その様子に安堵するレイ
鋭い、糾弾するような視線をアスカに向ける
アスカが口を開こうとしているのを見たとき、シンジのうめきが聞こえた
そちらに視線を戻すレイ
シンジがゆっくりと瞼を開けるのを確認して、本当に安堵すると共に嬉しくなった
嬉しさに涙が零れるレイ
シンジが声を掛けてくる
そんなシンジにアスカが言ったからかいとも嫉妬とも取れる一言
「どうかしら？お姫様の口付けで目覚めた気分は」
に、今度は恥ずかしくなって、またアスカを睨みつけた
シンジの方をちらと見ると、事態が飲み込めたのか、真っ赤になってこちらをちらちらと見ている
今までと違うシンジの態度に少なからず戸惑うレイ
その時、非常召集が告げられた
後書き
プールと言えばシンジ君かなづち
かなづちと言えば・・・
と云う事で、かなりお約束ですね（爆
この話では、作者的にシンジはレイを妹みたいにしか見ていないようにしていました
しかし、この話しでそんなシンジの心にも変化が・・・
それでは次回、マグマダイバー最終部で
タッチでした