レイの心模様

第16話     錯綜する心達


掃除の時間、アスカがシンジに何か言っている

それを済まなそうに断るシンジ

レイは二人の遣り取りを雑巾を絞りながら聞いていた

今日は一日ずっとシンジの視線を感じていた

それを嬉しいと思う

だが、何処か思いつめた風で少し心配でもあった

アスカと話し終わった今もまた、レイはシンジの視線を感じていた





シンクロテストが終わった瞬間もまた、シンジの視線を感じるレイ

エレベーターで思いきってシンジにどうしたのか聞いてみる

どうやらゲンドウとの接し方が分からないらしい

だが、自分にとってゲンドウの態度は不変な優しさを持っているもの

どうアドバイスして良いものか分からない

だから、正直に分からないと答える

明らかに落ち込んだ感じのシンジの返事に少し胸が痛くなる

レイが少し落ち込んだ所にシンジから言葉が掛かる

思わず照れてしまうレイ

そっけなく返してしまう





部屋に閉じこもってじっと何かを考えているシンジをレイは心配に思う

だが、シンジの背に拒否の意思を感じ、何も出来ない

それはアスカも一緒なのだろう、イラついているように見える

いや、ひょっとしたら明日のデートについて何もシンジに言って貰えなかったことにイラついているのかも知れない

更衣室でずっとシンジの文句を言っていたから

そんな時にミサトが帰ってきた

アスカが、ミサトに何か貸してくれとせがんでいる

あっさりと断られるアスカ

ミサトがシンジの部屋に赴き、何か言っている

それをシンジは如何受けっとたのだろうとレイは思った





話しが終わったのだろう、VTOLが降下を始めた

着陸と同時にレイはVTOLを飛び出し、シンジの隣に立つ

レイは気がつかなかった

ゲンドウの目が雰囲気が少し変わった事に





シンジと共に帰宅するレイ

シンジは徐に部屋に入ると何かを持って出てきた

それはチェロだった

シンジは目を瞑りチェロを弾き始める

その音色に耳を澄ますレイ

シンジが弾き終わったところで、拍手が起こる

そこにはデートに言ったはずのアスカがいた





レイは自分の家の方でシャワーを浴び終わると、シンジの方へと繋がるドアを開ける

その時、目に飛び込んできたのはキスをしているシンジとアスカの姿

レイはショックを受ける

キスと言う行動に込められる意味は分からない

だが悲しみが込み上げ、レイは無意識の内に家を飛び出していた

後ろからアスカのシンジを呼びとめる声が聞こえた

どれくらい走ったのだろう、レイはいきなり腕を掴まれ、抱きしめられた

それはシンジの温もり

レイは良く分からずシンジにしがみつき、泣いた


後書き


第16話です

アスカが思いきった行動に出ました

そして、ゲンドウの雰囲気

錯綜を始めたそれぞれの心

このまま最後の方まで少し痛い展開が続きますが、最後には全員ハッピーにたどり着かせるつもりです

それでは17話で




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