台所から包丁の音が聞こえてくる
一緒に味噌汁の良い香りも漂ってくる
レイは起きると、着替えてシンジ達の方のリヴィングに向かう
そこには料理をしているシンジの姿
レイはシンジの後姿を見ながら、皿を並べ出す
その音で気がついたシンジがレイに挨拶をよこす
それにレイは
「・・・おはよう」
と返した
二人で行う朝の準備
それをレイは心地よい物として捉えていた
意識がゆっくりとクリアになっていく
どうやら、シンクロテストが終わったらしい
発令所に集まる三人
そこで、今回シンジが初めてシンクロ率でトップに立ったことを知った
素直に凄いと感じるレイ
アスカは何処か悔しそうにしかし、嬉しそうにしていた
あのキスの事件以降三人は何かと衝突があった
しかし、今は何とか以前の様に話せるようになっていた
その事を嬉しくも思うレイ
失くしたくない絆がまだ繋がってると感じたから
突如として現れた物体
MAGIは判断を保留しているらしい
慎重に近づく三機のエヴァ
先行しているのはシンジの初号機だった
ミサトが兵装ビルからの攻撃を命じた
着弾寸前消え去る物体
その途端、パターン青を示す
一気に拡がる使徒の影
そして、その影は初号機の足元にまで及んでいた
沈み出す初号機
シンジのパニックに陥った声がオープンになったままの通信機から聞こえる
救出に向かおうとするレイ
向こうではアスカの弐号機が動いていた
だが、間に合わず完全に沈み込む初号機
レイは余りの事に呆然としてしまった
そこにアスカの絶叫が聞こえてきた
その声にかき消されそうになりながらも聞こえてきた言葉
「撤退」
レイはすばやく否と反応する
ミサトに救出の案があるのかと問われる
レイは悩んだ
だが、そんな物あるはずが無い
力なく首を振るレイ
撤退は決定した
持て余す時間
焦る気持ち
シンジの事が心配で堪らない
それはアスカも一緒なのだろう、ずっと俯いて唇を噛み締めている
どれくらい時間が経ったのだろうか、作戦会議に召集される二人
そこで信じられない言葉を聞いた
それは
「初号機のサルベージを優先します、この際パイロットの生命は関知しません」
というものだった
レイとアスカ、ミサトはリツコに詰め寄る
だが、返って来たのは
「司令からの命令です」
だった
この時、レイの中でゲンドウに対する不信感が一気に膨らんだ
作戦決行時間
作戦場所に待機する零号機と弐号機
いままさに作戦が決行されようとした瞬間、それは起こった
使徒を引き裂いて現れる初号機
それは、さながら鬼の様に見えた
完全に使徒を引き裂き出てきた初号機
大きく咆哮すると、初号機は動きを止めた
緊急イジェクトされるプラグ
中には気を失っているシンジが居た
ホッと安堵するレイ
その顔には涙が光っていた
病院でシンジが目覚めるのを待つレイとアスカ
その時レイは心の中で誓っていた
自分には代わりが居る
だが、シンジには代わりは居ない
自分にとって失ってはならない存在
そんな存在を自分の命に代えても護ろうと
その誓いが後に悲劇を生むことになるとも知らずに・・・・
後書き
お待たせいたしました(待ってない? 第17話です
第16使徒戦のエピソードに繋がるSSです
さあ、ラストスパートです(笑
これからも時々投稿が滞る事があるかも知れませんが見放さないで下さいね(笑
それでは
タッチでした