レイの心模様

第21話     伝えられずに〜気づく想い〜


何があったのだろうか・・・・・

この頃葛城三佐はずっと部屋に閉じこもって泣いている

今まで明るかった葛城家の雰囲気が暗いものへと変わっている

何も出来ない私

それは碇君やアスカも同じよう

皆、葛城三佐が何を悲しんでいるのか知らない

重苦しい雰囲気

何時までも聞こえ続ける葛城三佐の泣き声

それが何故だか私の心に響いて

私も涙を流してしまう

この気持ちは・・・・・

そう、悲しい・・・・・





新たな使徒が現れた

丸い輪ッかの形をした使徒

パターンが周期的に変化するらしい

射出されるレイ

ミサトの指示により、相手の様子を伺う

だが、レイは気づいた

何か雰囲気が違う事に

レイがそう思った瞬間、使徒は一本の紐状になると零号機に襲いかかった

A・Tフィールドを展開するレイ

だが、 時既に遅く零号機の腹部に突き刺さる使徒

使徒はそのまま零号機と融合を始める

使徒が侵食して来る感覚がレイを支配する

苦痛の中に快楽を見出すレイ

何かの気配を感じ、そちらに意識を向けるとそこには俯いた状態のヒトが

「あなた誰?使徒?私達が使徒と呼んでるヒト」

確認するかのように呟くレイ

「私と一つにならない?」

ヒトがレイに呼びかける

「いいえ。私は私、あなたではないわ」

拒絶するレイ

「そう?でもダメ、もう遅いわ」

途端にレイの身体に葉脈のような物が浮かび上がる

「私の心をあなたにも分けてあげる。この気持ちあなたにも分けてあげる」

そう言って顔を上げるヒト

その顔は紛れもなくレイであった

「痛いでしょ?心が痛いでしょ?」

もう一人のレイの言葉

「痛い?いえ、違うわ。淋しい・・・・・そう、淋しいのね」

レイはもう一人のレイの心を理解する

「淋しい?判らないわ」

感情を理解していない様に言うもう一人のレイ

「一人が嫌なんでしょ?」

問い掛けるレイ

「私達は沢山いるのに一人でいるのが、嫌なんでしょ?それを淋しいと言うの」

「それはあなたの心よ。悲しみに満ち満ちたあなたの心よ」

レイの問いに別の答えを返すもう一人のレイ

その時、レイの目から涙が溢れる

「これは涙?泣いてるのは私?じゃあ、あのヒトの言葉は私の想い?私は碇君と一つになりたいと思っているの?そう、そうかも知れない。この気持ちが好きという気持ち?」

自分の気持ちに気づくレイ

その時、あの気配を感じた

そう、初号機の気配を

射出されてくる初号機

そちらに向かう使徒の零号機と融合していない側

何とか使徒を捕まえる初号機を見た時、レイは思わず呟いた

「これは私の心?碇君と一緒に居たいと思う私の心?駄目!」

そう思った時、レイは遂に決断してしまう

A・Tフィールドを反転させ使徒を抑え込むレイ

そのまま自爆モードをスタートさせる

まさにレリエル戦後に決意したことを実行するために

こちらに駆けよって来る初号機がスクリーンに映る

通信回線を開いていないというのに

「駄目!お願い碇君、来ないで!」

必死に呼び掛けるレイ

初号機の手が伸びてきたのが判った時

レイの眼前は真っ白な光に包まれた


後書き


どうもタッチです

21話、お届けします

遂に17話でのレイの決意が実行に移されてしまいました・・・・・

って言うか、これを見据えての17話の決意だったわけですし予定通りなんですが・・・・

痛いです(T_T)

さて次は射出されたシンジ側のストーリー(外伝 光『予定』)です

掲示板での予告通り、鬼引きとなるかお楽しみに(?)

それでは




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