レイは覚悟を決めると、それに手を伸ばす
手に持つは箸
その箸が小刻みに震えている
箸の先にあるのは・・・・・
「荒挽きウィンナー」
そう、それは伝統的なドイツ料理(?)だった
ドイツ生まれのアスカとビール好きのミサトに頼まれて(脅されて?)入れられたものだ
何故レイがウィンナーに手を伸ばしているかと言うと
「さあ、皆どうぞ」
そう言ってミサトが出してきたのは御屠蘇
そう、正月定番のお酒だった
「ミサトさん!僕達まだ中学生ですよ!?」
シンジはそう言ってミサトの魔の手から逃れようとする
だが、そんな事をミサトが許すわけが無い
シンジの襟首を捕まえると強引に御屠蘇を飲ます
一気に赤くなるシンジ
アルコールに弱いシンジはすぐにテンションがハイになった
ミサトは同じようにアスカとレイに次々と御屠蘇を飲ませる
完全に出来あがる三人
何でもない事に盛り上がる
酔いが最高潮に達しようとした時
アスカがレイに向かって
「レイ、アンタどうして肉が食べらン無いのよ」
と言った
そのアスカの言葉尻に乗る様にシンジが
「そうだよ、綾波。偶には綾波がお肉を食べてる所見てみたいな?」
そう言ったのだった
意を決して口を開くレイ
同じようにアスカとシンジも口を開く
目を閉じてウィンナーを口の中に放り込むレイ
ゆっくりと口の中のウィンナーを咀嚼する
釣られて口を動かすアスカとシンジ
レイは噛み砕いたウィンナーを喉に通す
二人も唾を飲み込む
ゆっくりと目を開く
「どう?綾波、美味しい?」
不安そうにレイに聞くシンジ
レイはゆっくりと頭を縦に振ると
シンジに笑顔を見せた
シンジもレイに笑顔を送る
その時からレイは少しづつだが、着実にお肉が食べられる様になっていった