競作企画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」
YOU ARE (NOT) ALONE
2006年10月、エヴァンゲリオン新劇場版の製作が発表されるまで、誰もがエヴァの続編などその可能性を論じる事すら愚かしいと考えていたでしょう。その後、2007年2月17日の庵野秀明監督による緊急声明、4月11日のタイトル「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」の発表など徐々に明かされる情報に触れ、我々の心中は期待と不安が交錯していたはずです。
そして2007年9月1日、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』は公開されました。
あれから一年以上が過ぎた2008年10月6日、
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』が2009年夏公開との発表がありました。
本編を超える可能性すら秘めたこの偉大なる再構築(あるいは二次創作)に敬意を表し、本企画を発動します。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」を踏まえた作品であれば何でも結構です。小説や漫画であれば「序」のサイドストーリーでも良し、「破」以降の妄想でも良し、「序」の書き直しでも良しです。評論・エッセイであれば謎解きや矛盾点の指摘、あるいは熱い思いや醒めた視点、展開妄想、単なる感想等、イラストであればどこかの一シーンを描いても良し、イメージでも良し、アスカの何で出番がないのよの叫びでも良し、「破」以降の妄想でも良しです。とにかく何でもOK。一部の方のために書いておきますが、当然ながら「破」以降のカヲアス妄想も可です。
この企画は基本的に「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」をテーマにしていますが、お題2に関してはそれとは何ら関係なく(関係あってもいいですが)、「綾波レイの乳酸菌」という言葉から連想される作品とします。小説・漫画等ストーリーのある作品であれば、シンジの「これって……綾波の乳酸菌?」というセリフ(あるいはそれに類するセリフ、例えば「これが綾波の乳酸菌かよ!」等)を入れて頂きます。評論等であれば自由に書いていただいて結構です。とにかく乳酸菌です。
■募集要項
- 上記お題のいずれかあるいは両方を選んで投稿していただきます。
- 募集するのは小説、イラスト、漫画、評論、エッセイとします。詩、俳句、短歌、実行プログラム、MIDI、音楽は不可とします。以上に当てはまらない形式の場合はお問い合わせください。
- 投稿いただけるのは、原則として未発表の作品とします。既発表の場合は個別にお問い合わせください。ただし、お題2については「新世紀ヤナイの巣」掲示板に投下された作品は未発表とみなします。
- 投稿文書の形式はテキスト、html、ワード(office)文書とします。ワードの場合、当方は2007以降の文書を開いた事がないので、万一上手く行かなければ2003以前の形式で保存しなおして頂く必要があるかもしれません。CGの場合は一般的な形式なら何でもOKです。いずれにしても、良くわからなければお気軽にお問い合わせください。
- いきなり作品を投稿して頂いても構いませんが、掲示板等で参加表明していただけると、盛り上がってよろしいかと思います。強制ではないです。
- 11月中旬締め切り、12月上旬発表を予定しています。が、締め切りというのは伸びるものです。掲示板等で企画を盛り上げると主催者の心象も良く、より伸びやすくなるかもしれません。
- 18禁ものは禁止です。これは一切の性愛表現を禁止するというものではなく、要するに濃厚かつ詳細な描写をしてある奴は却下ということです。常識の範疇でお願いします。
- 連載はご遠慮ください。ただし、外伝や連作短編の一部等はOKです。
- ゲンレイものは不許可(爆)。
- 作品紹介のコメントを書いて頂きます。どんなコメントかは競作企画【5万ヒット記念】 お花見あるいは投稿作品目次を参照してください。どうしても書けないとおっしゃる方は私が考えますが、ネタバレの範囲に苦慮する可能性があるので、なるべくご協力をお願いいたします。
- 投稿いただいた作品は全て小説を語る掲示板にてスレッドを立て、論評や感想を書き込みます。
- その他の一般的な事項は投稿規程に準じます。目を通しておいてください。
- 投稿は
あてメールでお願いします。不明な点も同アドレスまでお気軽にお問い合わせください。返信は最大でも4日以内にします。期間内に返信がない場合はスパムに紛れている等の可能性がありますので、掲示板にてお問い合わせ下さい。何らかの事情でネット環境から離れ、メールチェックが出来なくなる場合も同掲示板でお知らせします。
- 背景色、文字色等に指定がある場合は遠慮なく連絡してください。イメージだけでも結構です。全体的にダークな感じとか、明るいイメージでとか。特に指定のない場合は白背景に黒文字で作成します。(10.16追加)
■参加予定者
11月10日現在の、掲示板で参加を表明してくださった方々です。表明順、敬称略。主催者を除く。
D・T
『幻想日和』
tomo
『私生活日記……』
のの
『Growing Comedian』
てらだたかし
『Illusion Laboratory』
aba-m.a-kkv
syota☆
『E B P』
ぶらいと
CNG
L-pyon.
H.Y
■注意
この企画は、実は
『新世紀ヤナイの巣』にて企画されたものでした。しかし、無頼派作家でもある管理人の柳井ミレア氏が二度目の取材旅行という名の失踪をしでかしているため、当サイトで引き継ぐ事にしました。従って柳井ミレア氏が帰還した場合、この企画は『新世紀ヤナイの巣』との合同企画になる可能性があります。その場合でも作品そのものは当サイトに継続して置きますし、リンクを切るつもりもありません。が、詳細は未定です。なんといっても柳井ミレア氏が失踪中なので打ち合わせはできませんから(^^;)。そもそも氏と連絡が取れるならここで企画をやることも無かったというか何というか。
ちなみにオリジナルの企画概要は『新世紀ヤナイの巣』トップから「企画」→「08年春競作」と辿ってください。
■蛇足
「タコツボ化」という言葉があります。これは簡単に言えば、小さな(趣味の)共同体に引きこもった状態であると解釈していいと思います。あるいはトライブ化というと通りがいいのかもしれません。トライブというのは「部族」と訳されるようです。私が意味を正しく理解しているかどうかという問題はありますが、ここでは同じ意味だと解釈してください。
タコツボ化は様々なレベルで存在し、検索するとJリーグのタコツボ化とかケアマネのタコツボ化などもヒットしますが、私が書きたいのはエヴァサイトにおけるタコツボ化です。
私は、ある程度濃密なコミュニケーションを取れる人数には限界があると考えています。簡単に言えば、クラスで一体となって何かをやることは可能でも、学年全体でやるのは難しいし、ましてや学校全体では不可能に近いと思います。
もしかすると私がこのサイトでこんなことを書いてはいけないのかもしれませんが、ある程度の人数で小さく固まって濃密なコミュニケーションを取ることは、そう悪いことではないと考えています。そのコミュニティを絶対視しない限りにおいては。
タコツボ化という言葉を厳密にどう定義するかという問題かもしれませんが、私が問題視する――あるいは悲しいと思うのは、そのコミュニティにすら参加できない――あるいはしない――人々がいるということ、タコツボ内でのコミュニケーションは本当に取れているのか、ということです。いうなればタコツボとして機能していない、タコツボ化すら出来ていないのではないか、と。クラブに集まって踊っていてもそれは一人一人が孤独に踊っているだけでしかない、あるいはクラブにも行けず自分の部屋で一人で踊っている。
簡単に書きましょう。クラスでひとりぼっちでいて寂しくないですか? クラスの中にはグループがありますよね。このサイトはそのグループのひとつです。このグループが楽しそうだと感じて、この企画がきっかけになってグループに参加できれば、そして雑談でもできれば楽しそうだと思いませんか。もしそう思ったら参加してみてください。小説を書いても、絵を書いても、感想を書くのでも自由です。つまらなくなったり飽きたらいなくなればいいし、思い出したらまた来ればいいのです。幸いなことに、クラス替えなどはありませんから。
そこから先には、いわゆる越境という問題があります。つまりタコツボ間でどうコミュニケーションを取るかという問題です。これについては様々なレベルで様々な議論があることは承知しています。まずはLRSサイト間の交流、そしてLAS系統サイトとの交流とボトムアップ的に進んでいけばいいのかもしれないし、あるいはもっとトップダウンでやるべきなのかもしれません。これに関しては残念ながら様々な事情により語るべき言葉をもちませんが、ガイナックスも元々は小さなコミュニティであった事は記憶しておいてもいいと思います。
そして、あなたがどこかのサイトでタコツボ化している人だとすれば、それは間違いなくタコツボ間の交流の始まりです。
だからこれは、いい作品を書きましょう、という企画ではありません(もちろん書き手としてはいい作品を目指すべきではありますが)。 目的はあくまでコミュニケーションであって、知的探求でも閉塞や越境に関する考察でもありません。少し自虐的に書けば、とりあえずは仲間うちで誉めあったり叩き合ったりして何となく繋がってみよう、という企画です。
生産性はないかもしれません。そう思う人、繋がらなくても強く生きていける人は、説得力のある言説で啓蒙してください。
もう一度書きます。この企画は、たとえそれが稚拙でも、作品を通して、私たちが――あえて「私たち」と書きます――拘泥してしまう綾波レイというキャラクターについて、あるいはエヴァンゲリオン(ヱヴァンゲリヲン)という物語について話をしましょう、という企画です。まともに話ができるならばそれはコミュニケーションであり、タコツボの拡大に繋がると思います。このサイトでやる限りにおいてはLRSあるいは綾波レイという枠組みを超えることはなく、結局は複数のタコツボが集まっただけという以上のことにはならないかもしれません。しかし私はその先を夢想することもできます。これについては、前述のように語るべき言葉をもちません。いま出来ること、やるべきだと思うことを出来る範囲でやるだけです。
では皆さん、楽しみましょう。