< 碇シンジ誕生日企画 >
「 Happy−Birthでえと 」
〜 エピローグ 〜
「たっだいま〜〜っ!遅くなってご免なさい。」
家についた時点で、9時半ちょっと。完全に遅刻だ。
ミサトさんを始め、わざわざ集まってもらったリツコたちは首を長くして待っていた・・・・・・・・・怒り顔で。
「・・・・・・あの・・・・・・すみません。こんな遅くまで。」
「アンタたち四人、正座しなさいっ!!」
「ちょっとミサトぉ、謝ってんだからヒス起こさなくたっていいじゃない。」
「アタシはそんなこと言ってんじゃないのっ!!!アンタら今日、新都心で暴れまくったそうね。」
「な、何のことよ?アタシらはフツーにデートしてただけで・・・・。」
「普通のデートでエレベーターぶっ壊すんかいっ!!」
げっ!バレてる。
「ちょ、ちょっと、何を根拠に・・・・?」
「都心で使徒の反応があったのよ。レイ、あなたでしょ。」
「赤木博士、お言葉ですがあれは人命救助です。」
「エレベーターを吹き飛ばさなくても他に遣り様あるでしょっ!お陰で私もミサトも久々に呼び出されたわ。」
「呼び出されたって・・・・・父さんにですか?」
「キツかったわよ〜シンちゃん。くんなポーズとって、 『君らは何をしとるのだね』 とか始まっちゃってさぁ。」
ミサトさんの物真似が似てたので、悪いけど笑ってしまった。
「マナちゃん、あんたも笑ってる場合じゃないでしょ。よくも今朝、アタシの部屋の扉を開かなくしてくれたわね。」
「あ、あれはぁ、シンジと二人きりのあまーい空間を作るための演出でぇ・・・・・・。」
「おまけに屋外で発砲したってぇ?拳銃の所持までは許可してなかったはずよ。」
「こ、これはちょっと、痴漢撃退のため・・・・・・。」
素手でもマナに勝てる痴漢なんていないと思う。
「す、済みません、僕がついていながら・・・・・・。」
「ってか、すべての元凶はシンちゃんなんだけどねぇ〜。」
「え、僕ですか?」
「聞いたわよシンジ君!よりによって三人と一緒にデートだなんて、女の子の気持ちをなんだと思ってんのっ!」
「その通りよ、だいたい碇君てば学校でもそんなかんじだから、しょっちゅう騒ぎを起こすし。」
うう・・・・・・。よりによってマヤさんと委員長の潔癖症コンビだ。
「シンジぃ〜。ワシら親友やなぁ、お前ひとり彼女作るなんて、抜けがけは許さんでぇーっ!」
「な、なんだよトウジまでっ!だいたい自分はどうなのさっ!?」
「アホッ!!ワシかてなぁ、おなごとウハウハ出来れば誰とでも・・・・・イタッ!!何や!なにすんや?イインチョッ!?」
「ス・ズ・ハ・ラ〜ッ!!ちょっとこっち来なさい!!」
「あ、あいたたたっ!!イタいっ!耳引っ張らんといてや〜。」
トウジ・・・・・・・・君も僕と一緒だね、口は災いのもとってやつさ。
「ふっ、シンジぃ、俺は許さんぞ〜。」
「ケ、ケンスケ・・・・・・。僕たち友達だよね?」
「るっさいるっさいっ!彼女持ちはどいつもこいつも、イージス艦に轢かれて死んじまえ〜〜〜ッ!!」
「ちょっと!僕がいつ彼女持ちになったんだよ!?そんなコはまだ全然いないって――――。」
しまったと思って慌てて口を噤んだけど、こういう場合、間に合ったためしがない。
「・・・あらぁ霧島さん、今の発言お聞きになりましたこと?」
「・・・ええアスカさん。ちょっとこれは聞き捨てなりませんわ。ねぇ、綾波さん?」
「・・・そうね。私たちのどこが不服なのか、聴取する必要があるわ。」
・・・・・・あ、あの、三人とも、恐ろしく場の気温を引き下げてるんですけど・・・・・・。
「じゃ、じゃあシンジ君、私は仕事を思い出したから、これでっ!!」
「せ、先輩っ!わたしも手伝いますっ!」
「あぁっ!そろそろ帰らないと、お父さんに怒られちゃう・・・・・・御免なさい、碇君。」
「い、イインチョッ、送っていくさかい、待ったってや〜。」
「待ってくれ二人とも!!俺はまだ死にたくないっっ!!!」
・・・・あっという間にみんな帰っちゃった。後の頼りはミサトさん・・・・あれっ!?
「シ、シンちゃん!ちょっとアタシ、行きつけのバーで飲みなおしてくるから。」
「そんなっ!!ずるいですよ、ミサトさん!」
「遅くなったけど誕生日おめでとう。それからみんなぁ、ホドホドにしときなさい。・・・じゃあね〜んっ。」
頼りない最後の頼みの綱が、あっさりと切れた。
独り残された僕が、恐る恐る背後を振り返ると、三匹の鬼が・・・・・・。
・・・・・・来年の誕生日まで生きられるかなぁ、ボク・・・・・・。
< 了 >