Re: 1111111ヒット記念企画 ( No.36 ) |
- 日時: 2010/06/07 02:19
- 名前: calu
- それは引越しというには、余りにも簡単なものだった。
ネルフ本部の最深層部に位置する人口進化研究所三号分室。その色褪せたドアが、老いた灌木が鳴くような音とともに開け放たれると、 眩いまでの金髪に艶やかな雰囲気を纏った見目麗しい女性が姿を現した。その手にはLとVが交錯した模様の紙バッグを提げている。 淑やかな物腰で通路にその姿を現したその女性は、ドアの奥に視線を潜らせると、鷹揚なそれでもやや硬いトーンの声を出した。
「レイ、行くわよ」 「はい」
赤木リツコに続いてリノリウムに光る廊下にその姿を露わにした少女。ときおりプラチナブルーの煌めきを零すショートカットに、 緋色の瞳が陶磁器のような白い肌と相俟り、少女の容貌をより印象深いものにしている。少女は少し大きめの真新しい制服に身を包み、 胸の前でみかん箱ほどの衣装箱を抱えていた。
「碇司令に挨拶が済んだら、直ぐに出発するわ」 「はい」
リツコに続いて歩を進めたその少女は、出てきたばかりの部屋を振り返った。刹那その朱をより濃くした眸を除いては、その整った 顔に、表情を見出すことは出来なかった。
∞ ∞ ∞
暗澹たる印象に沈んでいるのは、単に明るさが足りないという理由ではないのだろう。広大な空間が幾層も沈下していくような錯覚 に囚われる司令室の中央に、モニュメントの形骸とでも言えそうな執務机がその姿を晒し、その机の上では、総司令と呼ばれる男が両肘 を机上につき指を絡めている。サングラス越しに放たれた視線は、寥々たる室内では焦点を結んでいないようにも見えた。
「……碇」
同化するようにハイバックチェアに身体を沈ませていた白髪の男が呟くように声を上げた。視線は手許の書籍からは離れようとしない。
「……ああ」 「そろそろ来る頃だな」 「……ああ」
白髪の男はハイバックチェアに預けた身体を微かに前後に揺らせている。その背を背面の皮革に馴染ませるように。そして、その感触 を楽しむように。森閑という言葉意外に存在が認められない空間で、天井から滴り落ちるような、男のパラリと頁をくった音だけがやけ に響いた。
「……碇」 「……ああ」 「レイの中学への転入の件だが」 「…………」 「いまだ理解出来んよ……『その日』はそう遠くはない。いったい何の意味があるのだか」 「…………」 「……まして、転入などと」 「…………」 「釈然としないのはレイも同じだと思うんだがな」 「…………」 「……まあいい。お前なりの考えがあっての事だろうからな。若干なりとも増えるリスクの見返りもあるのだろう。ただ、気になるの は――」
司令室に滅多にならないチャイムの音が響いた。来たか、と呟いた冬月が向けた視線の先で、エアロックが解除される音と共に暗灰色 の壁が割れるようにその扉を開放した。
「赤木リツコ、入ります」
司令室の中に甲高い靴音を響かせたリツコ。そして続いて姿を現したレイ。 遠い昔、絵本の中に見た妖精が誕生するシーンのように、朧にたゆたう光の中から切り取られたシルエットは、心持ちサイズが大きめ の真新しい制服に包まれていた。 総司令と言われた男は、組んだ手の向こうで、サングラスの奥の目を一瞬細めたように見えた。
「……おお、早速着てみたか―」副司令は好々爺然とした表情を隠さず、その柔かな視線をレイに注いだ。 「先の指示通り、本日からレイの日常生活の拠点を変更いたします」
冬月の反応に眉をひそめ、その言葉を皆まで待たずに用件を切り出したリツコ。だが、その機械的な口調は、直ぐに室内に鳴り響いた緊急 回線に阻まれることとなった。副司令の顔を取り戻した冬月が間髪を入れず受話器を手に取り、直ぐにいつもの深い皺を眉間に蘇らせた。
「……むう、いかんな。赤木君、悪いが私と一緒に発令所に降りてくれ。今、ある計算をマギにさせているのだが、既定のローカルロジック のレイアウトに少し問題があるらしい」何をやってるんだか、と忌々しげに受話器を戻すと、冬月は靴音を響かせ始めた。 「解りました。じゃ…レイはここで待機していて」
リツコは、ゲンドウに一瞥を送ると、冬月の後を追うように慌ただしく司令室を後にした。 外界へと二人をはき出すと、ふたたび森閑と暗欝がその領域を拡げる仄暗い空間。総司令の机から数メートル離れたところで待機の姿勢を 崩さない少女は微動だにせず、その顔に表情は見られない。
「……碇司令」 「どうした?」 「質問して、よろしいでしょうか?」 「言ってみろ」 「何故、学校というものに行かなくてはならないのでしょうか?」 「…………」 「私に残された時間はそれほど無い、と思います。だから、新しい生活を始める事に、意味は無い、と思います」 「……レイ」
カタッと小さな音を従えて立ち上がったゲンドウは、暗欝な室内に僅かな日だまりを作り始めた窓辺に歩を進めた。司令室の汀からは、 ジオフロントに燦々と降り注ぐ陽光が良く見て取れる。人口ではあるが、幾層にも特殊コーディングされたガラス越しにも多少なりとも 感じ取ることのできる朝の清々しさ。
次の瞬間、振り返ったゲンドウに、レイはこれまで感じたことの無い温かな微笑を見た。
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anniversary - 綾波レイの幸せ 1111111hit記念 - written by calu
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拡張地区にその部屋はあった。空高く色彩を深くした蒼にちぎれ雲が遠かった。力を湛えた陽光と幾重にも降り注ぐ蝉時雨に、建設工事の騒 然さが折り重なり、何か特別な息吹を感じさせるこのエリア。建設職員用団地6号棟。今日、綾波レイはここの住人となった。
「電気光熱関係に問題は無いようね」ステンレスキッチンの曇ったシンクにでんでんと不規則な水音を響かせていた蛇口をキュッと絞って、独 りごちたリツコは奥の部屋に顔を向けた。少女は、備え付けのチェストに持参した衣類を無造作に詰め込んでいる。「レイ。それが終わったら 学校に行くわよ」 「はい」 「転入手続きが目的だけど、あなたも見ておいた方がいいから」 「はい」
すっと立ち上がったレイを見て、リツコは玄関へと歩を進めローファーに爪先を滑り込ませた。外に出てドアを閉めたところで、総務局三課 の担当から旧式の鍵を貰わねばと自分にリマインドを送った後、階段のある方向へと足を向けた。いずれにしても、現在レイには二十四時間体 制で二課のガード員をつけている。問題は無い。
?
追随しない気配に後ろを振り返ったリツコの視線の先で、レイが郵便受けを見つめていた。そこは、これでもかという量の広告やダイレクト メールなどで溢れかえっている。後ろ手を組んで、にらめっこさながらに真剣な眼差しを落とすレイにリツコは少し頬を緩めた。
「放っておいたらいいわ。処理してもまた直ぐに溜まるもの」
はい、という声を背中に聞いて、リツコは歩を進めた。 それでいいのだ。それで無くとも、今回の件により余分なタスクが増えることは明らかなのだ。今は、少しでもタスクを減ずることが肝要 なのだ。これから予想される事態、そして苛酷さを増していく本分を考えれば、それ以外の事などこの少女にとっては瑣事にもならない筈なのだ。 そして……。
再び振り返ったリツコの視界の中で、ガラス玉のような紅の双眸に何の感情も見せず、人形のように歩を進める少女を見て、リツコは少し満足 気に微笑を浮かべた。
……この子には、未来など用意されていないのだから。
∞ ∞ ∞
学校。一定の教育目的に従い、教師が児童・生徒・学生に計画的・組織的に教育を施すところ。 リツコに続いて校舎に向かって歩を進めるレイの眸は、真っ直ぐにリツコの背中に留められている。休憩時間なのだろう、校舎に入ると至る 所から生徒達の話し声や生活音などが隙間を見つけて漏れ出していた。突如、どこからともなく現れたふたりの女の子が、子犬がじゃれ合うよ うにリツコとレイの脇を風のように通り過ぎていった。屈託のない視線をレイに送った二人の少女はどちらとも無く漏らした、綺麗な子だね、 という言葉を曳きながら、直ぐに廊下の突き当りで見えなくなった。 リツコの背中で、レイは少女達が去って行った方向に暫く視線を留めていたが、レイには彼女達の話していた内容、そして何故そのような不 自然な走り方をしなければならないのかを理解する事が出来なかった。
いい。足りないものは学べばいいもの。 命令だもの。
∞ ∞ ∞
「これはこれは赤木博士。わざわざご足労頂くとは、恐縮至極ですな」 「これも仕事ですので」
教員室に着くと、リツコとレイは忽ちの内に教員室の舞台裏のような校長室に引っ張り込まれるように通された。いつも揉み手をしつつ愛想 笑いを浮かべながらダージリンをサーブした教頭を、お構い無くと軽くいなすと、鉈を振り下ろすように機械的に用件を切り出した。 大きく取った窓枠から午前十時の陽射しが、室内に柔かな陰影を浮かび上がらせている。殆ど雑音が駆逐された狭隘な空間で、放たれた矢の ようなリツコの声が刺さる都度、口調に併せて観光地の民芸人形よろしく頭を上下に振る二人の男は、誂えたような笑顔を顔に貼り付けていた。 そんないつもと違う情景の中、レイの意識は重力を逃れた気球のように遊離し、その深紅の瞳は大仰な窓枠に縁取られてはいるが、絵画見本に さえならない人影も斑な校庭に留められていた。
「……イさんは――」 「…………」 「綾波レイさんはっ」
校庭から移された視線を受けとるや、教頭は急ブレーキをかけるように言葉を切った。顔面に浮かべた愛想嗤いを強張らせ、目にはスポイド で落としたような畏怖の色素が拡がった。レイは、物を見るような目を男から外そうとしなかった。 「…………」 「……い、いや、パイロットと学業との両立で大変だと、その、思うのですが、本校としましても、その辺りのところは、えー十分に考慮――」
不可視の圧力で壁面に拉げた身体を精一杯の力で剥がすように絞り出した教頭の声に、リツコの低い声が矢となって飛んだ。
「プライオリティについて、今更話すつもりはありません。学校には来れる範囲で来させます」 「あ、ははい。で、では、綾波さんのクラスですが、1年A組でよろしいですね。ご下命いただいた通り候補――」
リツコが書類をコーヒーテーブルに投げ出した音で、教頭は締め上がられたように言葉を途絶えさせた。
「おしゃべりが過ぎるようですね。教頭先生」無表情を貼り付かせたリツコの顔の中心で、眼だけが底光りしていた。「では、手続きが終了した のでしたら、私たちはこれで」
返事を待たず布張りのソファーから腰を浮かせたリツコは、半ば硬直した状態の男たちに一瞥もくれること無く出口に歩を進めた。静かな室内 に床を噛むようなリツコの靴音をバックに、レイの目はふたたび陽光しだれる校庭に留められていた。
やれやれ、帰ったか。 赤木博士、今日はいつもより一層機嫌が悪かったですね。 全くもって、あの子の転入が気に入らないのなら上申すればよいものを。 でも、ただの転入じゃあないでしょう。当然、彼女の目的は1−Aでの――。 しっ、滅多な事を言うんじゃあない。どこにネルフの耳があるか解ったもんじゃないんだからな。 それにしても、あの子。凄い美少女でしたが、あのガラスのような目、見ましたか? 私たちの事を…まるで物のように見てましたよ。 アンドロイドという訳でもあるまいが、何てたってアレのパイロットなんだ。普通の子供じゃあ勤まらないんだろ。
∞ ∞ ∞
教職員用パーキングスペースの隣に停められていた極端に車高の低い車は、血のようなイタリアンレッドに染めぬかれたグラマラスなボディ とも相俟って、教職員のみならず子供たちの目をも引いていた。特徴的な丸目テールランプには不似合いなローファーの硬い音が近づいた。
「レイ。今日のスケジュールはこれで終わりよ。今からアパートに送ってくわ」 「徒歩で帰宅しようと思います。道を覚える必要がある、と思います」 「……そうね。明日から早速登校だものね。実際に歩いて時間も計っておいたほうがいいものね」
じゃあ、とピラーレスのドアを豪快に開くと、リツコはか細い腰を滑り込ませた。V型8気筒エンジンが目を覚まし、時に音楽に例えられる 4カム32ビートのバルブ音が咆哮を上げると、豹が獲物を見つけた時のしなやかさで、プランシングホースを掲げたその車は加速を始めた。 校門を出て、一気に加速した紅く低い車体に表情の無い視線を送り続ける蒼銀の髪の少女。思い出したように吹きつけた風が、彼女の真新し いスカートの裾をひるがえした。 ウィンドウ越しにリツコがレイを振り返ることは無かった。
∞ ∞ ∞
抜けるように碧く、雲ひとつ見あたらない空から穏やかな陽射しが降りそそいでいる。忍び寄るように降って湧いた蝉時雨に、その少女は歩 道に立ち止まり、スカートのポケットから一枚のコピーを取り出し目を落とした。
間違った?
コピーの上に走らせる視線に無駄は無い。経路を基点から定規のように辿らせたが問題点は見つからない。
…………解らない。 どうしてなのだろう。 この地図情報自体に問題があるのだろうか? それは考えられない。昨日ネルフのデータベースから抽出したものだから。 少女は元来た道を見返った。その何の表情も見られない瞳を通して地理情報を正確に取り入れると、瞬時にして誤った道を進んでいるとい う結論を少女に与えた。何故か人っ子ひとりいない目前の光景は、つい今しがた通ってきた道とは思えないほどに直近の記憶との差異を明確 にしてはいたが。 自らの結論に従い躊躇なく判断を下した少女。従容として踵を返した時、それに気がついた。 何かが一直線に自分に向かってくる。急速に膨れ上がった気配は、背後、つまりそれまで歩を進めていた進行方向からのもの。 次の瞬間、少女の周りの空気がぐらりと揺れた。水面に湧いた銀鱗の如く現れた煌びやかなネーブルカラーの壁が少女の周りに円筒状に展 開される。物心ついたときには身に付いていた不可知の能力。なんびとたりとも侵すことの出来ない絶対的領域。危機回避の要ある場合には、 それは時にターゲットを切り裂き、焼き尽くす。 少女は、ターゲットを振り返った。
!
何…こども?
振り返った体勢の少女のすぐ後ろまで迫っていたのは、見た目に幼い男の子だった。黒髪の下に不安いっぱいの瞳を覗かせ、息も切れ切れに 足を縺れさせながらも、必死に少女との距離を詰めようとしていた。
ダメ…間に合わない。
その子供がその領域に足を踏み入れようとした正にその時、少女のガラスの双眸に微かな光芒が走った。 次に訪れた衝撃。が、それはまるで少女が予期したものでは無かった。鈍い音を撒いて激しく弾き返される筈だった少年は、マットに受け止 められたようにオレンジ色の壁にふわりと身体を沈ませると、ゆっくり復元したそれに押し戻され、道路にぽてんと尻もちをついた。
!? 受け…止めた? ……有り得ない。
良くて軽傷、悪くすれば命にかかわる事もある。未だレイはそのロジックを明確には理解していないが、ありとあらゆる物質そしてエネルギ ーを拒絶するその壁は、加えられた力に等しきエネルギーで相手を弾き返す。酌量の余地なく無慈悲に展開されるカウンターアタック。それな のに……。
どうして、この子供は何とも無かったのだろう?
尻もちをついた体勢のまま両手で頭を抱えていた男の子は、恐る恐る目前に佇立するレイを見上げた。 ややもすれば女の子に見紛うくらい優しげな面差しに浮かべた不安いっぱいの表情。そしてその目にはいっぱいの涙を溜めている。 物を見るような無機質な目で見下ろすレイに、より一層不安の色を濃くした少年は、それでも握ったり開いたりしていた手を握り締めると、頼 りなさげに身体を起こした。その小さな身体には、何かしら決然とした意思が見て取れた。
「……イ…ちゃん」 「?」
「レイ……ちゃん……」 「!?」
何? 何故…この子供は私の名前を知っているの? どうして?
恐る恐る手を伸ばした少年は、上目遣いになった蒼黒の瞳を不安に煙らせながらも、レイの真新しいスカートの裾を遠慮気味に掴んだ。レイは それを全く意に介さず、刺すような紅い視線をその少年の内奥に向けている。平衡感覚さえ見当たらない無色透明の心に浮かんでは消える疑問と 猜疑が消失を迎えても、電池が切れた人形のようにレイはそのままの姿勢を崩さないでいた。何かが引っ掛かっていた。何が気になっているのだ ろう? この少年の何が。
……解らない。
スイッチを切り替えるように、少年からスッと視線を切ったレイは静かに踵を返した。少年の小さな手がスカートに振り切られ、その口から、 あうっと小さく声が漏れる。 何事も無かったように歩を進めるレイ。が、数メートル進んだところでその足を止め、背中に痛いほどの視線を投げかけている少年を見遣った。 母親に置き去りにされた子犬のように全身から哀しみを滲ませている少年は、暫くすると深紅の瞳に何らかの意思を見出したのか、少年は急ぎ足 でトコトコ駆け寄り、ふたたび歩み始めたレイのスカートの裾をしっかりと掴んだ。
∞ ∞ ∞
あれからどの位歩いたのだろう。時の歩みと共にその藍を一層濃いものに変えていく高い空。千切れた雲が迷子のように太陽を掠め、瑞雲へと その姿を変える。見渡す限り人の息吹などおよそ感じられない街並みは、先程まで歩いていた世界と同一のものとは到底思えなかった。 時空の狭間から零れ落ちてしまったのだろうか。だとすると、あの世界にはもう戻る事が出来ないかもしれない。だが、それでもいいとレイは 思う。私ひとりが消失したところで悲しむ者はいない。唯一のステークホルダーとしての存在であるあの男を除いては。鍵を失う事による計画へ の影響を嘆くであろう男を除いては。 無に帰りたい。本来、存在しえない自分。この世に存在する限り対峙しなければならない違和感に畏怖し、ただひたすらに無への回帰を希求す る魂。それは、造られた生命体であるが故の本懐。そして儚い夢だった。創造主たるあの男の許しを得ること無くしては、約束の履行無くしては 自身の存在さえ消すことは許されない。それが私。それが綾波レイといわれるモノ。
……だから、戻らなければならない。『その日』の約束を履行する為に。造られたモノとしての存在意義を全うする為に。そして、自らを消す ことで総ての契約と悲願は成就される――。
レイに意識を戻させたものは、腰に僅かに加わった抵抗だった。斜め後方について来ている筈の幼い少年を振り返ると、スカートの裾を命綱の ように掴んだ少年は、より不安の色を濃くした瞳でレイを見上げていた。
「……レイ…ちゃん……だ、だめだよ」
何を言っているのだろう、この子供は。いま歩いているこの道が間違っているとでもいうの? …それとも、……まさか、そんな筈は、無い。
カーテンを引くように意識を遮断したレイは、ふたたび前方に向き直り歩を進めた。ジリと真新しい制服を焼く真夏の太陽がレイの五感に戻っ てくる。その時、フッと腰から抵抗が無くなり、その代わりに左手に新たな感覚が生まれた。チラと振り返ったレイの視線の先では、叱られたよ うな表情を浮かべた少年が上目遣いの瞳に子供らしからぬ懇願の色を浮かべていた。刹那、少年と視線を交わらせたレイは、前方へとふたたび歩 きはじめた。レイの手を申し訳なさげに握る小さな手をキュッと握り返して。少年の手は温かかった。
……今だけの事。好きにすればいい。
∞ ∞ ∞
碧空が午後の太陽に薄められる下、手を繋いだふたりは姉弟にも見えた。 最早レイの持っている地図はその役をなさず、少年が水先人のように、進むべき路地を指さしては歩を進めていた。ここに住んでいる子供なの だろうとレイは思った。そして不思議な子供だとも。その蒼黒の瞳の内奥に時折り垣間見る色はレイの記憶を揺さぶり、繋いだ手を通して感じる 温かさに覆われた感覚は自分が嘗て知っていたもののように思えた。
……いつ、どこで? 出会っていたのだろうか――。
「……レイ…ちゃん」
!
その温かさ、そして一筋の蜘蛛の糸のような繋がりを通して齎されていた感覚は、何の予兆も無く唐突に断たれた。
慌てて振り返ったレイ。その視線の先には、瞳に涙をいっぱいに溜めた少年がレイに向かって頼りなげに右手を伸ばしていた。
「……ぼくは…ここから先には行けない……」
!
「……だから…」
少年の小さな手に向かって、レイは自らの手を伸ばしていた。 レイの白い手の先で、少年の手が、顔が、身体が、レンズ越しに見るように空間ごと歪んだ。急速に現実感を失う向こう側で、少年の色は 霞み、幽かな影となっていく。
「……さよなら…」
!
「……レイ…ち…」
夢の世界を浚うように空を切った手に引っ張られ、身体を躍らせたレイは、次の瞬間、圧し掛かるような午後の陽射しと蝉時雨を全身に浴 びていた。水底にいるような湿度の高い空気が、血の巡りを取り戻させたように、レイに徐々に現実感を取り戻させた。
……な…に?
顔を上げると、レイは探るような視線を添えて一頻り辺りを見回した。やはり見覚えの無い景色だったが、此処彼処に人の姿が見え、人の 生活の息吹が感じられる。
……いったい、何だったの? あれは、幻覚…だったの?
少年の手の感覚がまだ残る左手に視線を落としたレイ。今の今まで頼りなく、それでも確かに繋がれていた証であるように、温かさはまだ 消えてはおらず現実感を伴ってこの手に残っていた。 絹糸のような繋がりを通して感じたあの感覚は何だったのだろう? あれほど気に掛った少年の瞳。その蒼黒なる深淵の汀には何が佇んで いたのだろう。そして、
……どうしてあの少年はわたしの前に現れたのだろう。
幾重にも降り注ぐ蝉時雨の上から心持ち重気な陽射しがレイのまだ新しい制服を焼く。抜けるような蒼空の下、既に定められているかのように、 知らない街の中を何ら迷い無く歩を進めるレイ。横断歩道で赤く灯った信号機によって、その歩みを止めた。
……わたしは、あの瞳を知っている?
そう、遭った事がある? いつ? どこで? ……解らない……でも、
確かに知っている気がする。あの瞳を。
思考を逃すように天空を仰いだレイの紅い双眸に映った、刹那の瑞雲。 僥倖の再来など信じることはない。 だが、レイは目を瞑った。祈りを捧げるように。 陽光がジワリと重みを増した次の瞬間、世の中の時間が停止したかのように蝉時雨が止まった。 そして、一切の人々の営みからなる息吹が、ブレーカーを落としたかのように消失した。
静謐の底に落ちた世界の中で瞳を開いたレイは、足早に横断歩道の中ほどまで歩を進め、人っ子一人視界の縁に掛らない街並みを、その 深紅の双眸でゆっくりと見渡した。そして、それは唐突にレイの視界に飛び込んできた。少年の蒼黒の瞳として。
……わたしは……。
その瞳の持ち主は、幼い男の子ではなかった。リュックを背負い、ボストンバッグを手にしたレイと同じくらいの年恰好の少年は、レイから 五十メートルほど離れた公衆電話の前で虚を突かれたような表情を浮かべて少女を見つめ返していた。
……この瞳を……。
刹那、絡み合うふたりの視線。
そして、その少年の瞳は、レイが知っていた瞳だった。
とくん
……な…に?
両の手を胸に添えたレイ。それを合図にしたように、一斉に十数羽の鳩が飛び立つと、次の瞬間、街並みは色を取り戻していた。公衆電話の前 にいた少年は煙のように消失していた。
……これは……なに?
湧き出したような喧騒の中、道行く人が表情を消したまま佇む少女を怪訝そうな顔付きで見ては足早に通り過ぎていく。
……わたし……どうして?
凍りついた世界の中で、永遠に溶けることの無い封印に生じたほんの僅かな亀裂。
時満ちて胎動を始めた契約の如く、偽りの役割を解き放たれた歯車は、軌道を変え、その轍を刻みはじめた。
時に西暦2014年8月、第3使徒の襲来まで余すところあと一年。
路傍で佇む蒼銀の髪の少女は、掌の下で鳴りやまない鼓動を耳の奥で聞いていた。
ガラス玉に例えられたその深紅の瞳。たった今そこに添えられるように灯された淡い光。
そして、悠久の時を経て、自らの魂の中で刻み始めたシナリオの歯車を、いまだ少女は知らない。
The End
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Re: 1111111ヒット記念企画 ( No.37 ) |
- 日時: 2010/06/07 20:53
- 名前: JUN
- どんどんcaluさんが別格になっていくのを感じます(汗)
名前は出しませんが、僕がFFを書き始めるきっかけになった方の匂いを感じます。 caluさんは語彙もさることながら静謐な文章の中にある微妙な温かさ、コミカルさがたまりません。
anniversary それこそ人形と言って差し支えないレイが、恐らくこのシンジと思われる少年から変わってゆくのでしょう。些細ですが、確実な“変化”。 長門姉妹がどんどん馴染んでいます。もはやレギュラー(笑)この掛け合いは個人的にかなり好みなので、これからも見たいと思います。ありがとうございました。
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Re: 1111111ヒット記念企画 ( No.38 ) |
- 日時: 2010/06/07 23:34
- 名前: 何処
- 昨日、僕の誕生日…
綾波と、初めてキスをした。
【1st-kiss】作・何処
誕生日パーティーの後、綾波を送る途中、僕は気付けば綾波に唇を重ねていた。
「何故?」
「…君が、好きだから…」
「…何故、私を見ないの?」
「え?」
「私を、見て。そして、話して。」
「う…うん…あ、綾波、ぼ、僕は君が…その…いや、は、はっきり言う、うん。ス〜〜ッッ、あ、綾波!僕は…僕は君が好きだ!だからキスをしたんだ!」
「…私も。」
「え!?」
「私も、碇君が、好き。」
「あ、綾波…」
「だから、これは私からの返事のキス。」
「え?ンムッ!?」
「「………」」
「…碇君、私、今、自分の意思で碇君とキスをした…四人目の私が、初めて、自分の意思で動いたの。」
「え?あ、綾波?」
「命令では無い最初の行動…私から碇君へのバースデープレゼント。」
「あ…あぁ…」
「碇君へのキス、感謝の気持ち…受け取ってくれて…有り難う…」
「い、いや綾波!ぼぼ僕こそああ有り難う!」
「有り難う…私、碇君から…あ、有り難うなんて…なん…て…うぅ…涙?何故?嬉しいのに…えくっ、う、嬉しいのに…何故?」
「綾波…嬉しいなら、笑えばいいんだ。だから笑って綾波、泣かないで綾波、泣かないで…」
…涙を流す綾波は…哀しい程綺麗で…思わず抱き寄せた僕はそのまま…
そのまま…
そのまま…
…何も出来なかった…
…気付けば日付が代わっていて、綾波を無事部屋まで送り、僕は伏魔殿…いや、魔窟へと重い足を向け…
る必要無いわ。 そこ居るし。 全員で。
「…何してるんですかミサトさん。て言うかアスカはともかくマヤさんにリツコさんまで…日向さん青葉さんも皆を止めて下さいよ…加持さんもですか?」
「なあシンジ君…酔った女性と使徒…どっちが強いと思う?」
「て言うかそれこの場で言っちゃいますか加持さん…」
ボコられる勇者を醒めた視線で眺めながら僕は聞いた。
「…で、日向さん。青葉さん。一体何時から…って端からですよね…はあ。」
「い、いやシンジ君」「そ、それはだな…」
「…誰が勝ったんです?どうせ賭けてたんでしょ?」
「「加持さん一人勝ち。」」
…帰ろ。加持さん放置するけど恨まないでね。
それにしても…はあ。
明日綾波にどんな顔すればいいか解らないや…けど…多分大丈夫だよね、うん。
綾波が傍に居るなら、何だって大丈夫だ。
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Re: 1111111ヒット記念企画 ( No.39 ) |
- 日時: 2010/06/10 00:24
- 名前: tamb
- ■何処さん
VOCALOIDの「1/6」 メロもアレンジも残念ながら私の好みではなかったけれど、歌詞はすごい。これはぶっとん だ。ものすごいセンスだ。「MOON」は……まぁ普通だな(^^;)。
■caluさん 前文と「anniversary」。よかった。前文のエロ路線かと思わせる展開と「何が あったかは後から聞く」という恐怖のセリフから一転した超シリアス路線。 リツコの冷たさもいいし、レイの無感情から戸惑いへの変化もいい。これこそがオリジナル エヴァのテイストというものだ。唐突に出現した少年と本編冒頭のレイを絡めたのも凄い。考 えてみれば当たり前なんだけど、シンジから見てレイが消えたということは、レイから見れば シンジが消えたということでもあるわけだ。もちろん、レイがどのような存在であるかにもよ るけれども。
思い出したことがいくつか。 かつて読んだFFの中に、まさに物語が終わったあと「はい、カット」「お疲れさまー」「ね え、なに食べに行こうか」的な会話がなされているとしか思えない、つまり演技をしていると しか思えない作品が少なからずあった。それはそれでいいんだと思うけど、少なくとも当時の 私は反発を感じた。ただ、「anniversary」には演技感は感じられない。それは前文との落差 にも繋がる。 作家名も話のディティールも憶えてないけど、レイと少年だった頃のシンジが出会っている という作品があった。レイが部屋に鍵を掛けないのはその少年がいつでも帰ってこれるように、 という理由だった。 転校生の恐怖、という話題があって、それは主に転校生って謎っぽくて怖いよね、という話 だった。私個人としては転校生に恐怖を感じる事はなく、転校をした経験からは転校生が転校 した先の新しい世界に恐怖を感じるものだろうと思っていた。逆に言えば、恐怖や怯えを感じ ていない転校生は恐怖の対象になり得るわけだ。という観点から話を書こうとしていたことが あった。ずいぶん長い間ひねくりまわしていたし、書きたいとは思ってるけど、もし書けたと してもだいぶ先になる。設定はレイが中一で転校してきたばかり。担任の「俺」が「友だちな んて必要ない」というレイをぶん殴って休職処分になるという話なんだが、それでどーすると いう(^^;)。
■再び何処さん 【1st-kiss】 これもストーカーものだ(笑)。 流れにまかせてキスをしたはいいが、私を見てといわれて完全に我を失っているシンジ君が いい(笑)。しかし泣かれると我に返る、と。しかしこんなぞろぞろついて歩いてたら気づくよ な、普通は(笑)。強引なオチも悪くない。かな。
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Re: 1111111ヒット記念企画 ( No.40 ) |
- 日時: 2010/06/11 02:37
- 名前: calu
■JUNさん
拙作も読んで頂き有難うございました。また感想までいただき感謝デス。
>コミカルさがたまりません。 今後四人目への投下路線はこれで行こうかな、と(笑)。
>長門姉妹がどんどん馴染んでいます。もはやレギュラー(笑) お有難うございます(笑)。マキさんの産みの親のtambさんに感謝ですね。ミキは非番の時はマキさん と一緒にいることが多いらしいですので、これからも一緒に出てくる機会は多いと思いますよ(笑)。
実は、個人的にレイが13歳の時に中学に転校することになった理由が非常に気になっているのです。 anniversaryは、その時間軸周辺に触れるFFの第一弾のようなものになっております。よりまして、そのうちに 思い出したように第二弾を投下させて頂くかもしれません。その時にまた読んで頂ければ嬉しいです。
■tambさん
拙作を読んで頂き有難うございました。 頂きました感想にただ只管感激しております。
>ただ、「anniversary」には演技感は感じられない。それは前文との落差にも繋がる。 落差を感じて頂けたとすれば、嬉しいです。「彷徨う虹」の作中でもそうなのですが、私はこの落差を 産み出す事を、かなり意識しています。落差は、シリアスさをより増し、その描写においてのリアリティ を増幅させる一因になると信じているのですが、それは綾波レイという少女の存在を少しでも色濃いもの にしたいという想いから来てるんだと思います。
>レイが部屋に鍵を掛けないのはその少年がいつでも帰ってこれるように、という理由だった。 それは、読んでみたいですね。探してみます(笑)。
>逆に言えば、恐怖や怯えを感じていない転校生は恐怖の対象になり得るわけだ。 tambさんのその作品も読みたい(爆)。 果たして、その転校生は如何なる力をアシュアランスとして、恐怖そして怯えを級友たちに転嫁している のか、なんて紹介文をまた長門姉妹に書かせますので(^^;)
■何処さん
初めまして、caluと申します。今後ともよろしくお願いいたします。 【1st-kiss】、楽しく読ませていただきました。
>そのまま……何も出来なかった… 良かったですね……路上だもの(^^;)
これからもこちらの企画で貴作にお目にかかれそうですね。楽しみにしております。
■最後になりましたが、このスレの投稿作品を書こう! と思い立った途端、見計らったように仕事が忙しくなり (同時多発監査ですー)「anniversary」も宙ぶらりんになるところでしたが、二人目で名も無きROMさんから頂い た激励の言葉を励みに、何とか投稿を果たす事が出来ました。改めまして、名も無きROMさんに感謝いたします。 あと一作くらい投下出来れば、と考えております。
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Re: 1111111ヒット記念企画 ( No.41 ) |
- 日時: 2010/06/13 17:00
- 名前: 何処
- 碇君。
私、前髪少し切ってみたの。
気付いてくれるかしら?
「…無理よね…」
溜め息が出る。
私が人として生き始めて一年…感情を、人の心を自覚してから、私の苦悩は始まったの。
洞木さんとセカン…いけない、又怒られる処だ。アスカと言う二人の教育係は私に女としての自覚を促した。それはもう我ながら驚く程に。
気付けば碇君の事を見詰め、その癖碇君の視線を受け止められもせず目を逸らす。
胸が苦しい、喉が渇く、血圧が上がる。
「間違いないわ、それは恋よ。」
「…恋?」
「恋ね。ヒカリ、やっと、やっとこの娘がここまで来たわ…」
「長かったわね…」
「?」
【1st-kiss(裏)】
今日、6月6日は碇君の誕生日…私はある決意を持ってこのイベントに参加したの。
「…それじゃ…私…これで失礼します…」
「ぢ、ぢゃあぁあああ、ぼボボ僕あああ綾あや綾波をおおお送ってきます。」
「じゃ、頼んだわよシンジ君。本当なら大人が送らなきゃいけなかったんだけど…なにせあの様だから…」
「うひゃひゃひゃひゃ!加持おまらへー!ミサト特製四種混合カクテルにょ!にゃはは〜」 「葛城こいつはカクテルなんて上等な代物か!?こりゃ只の闇鍋チャンポンて言うんだ!」 「ミーサートー!あんた飲み過ぎなのよ!あっ!?あたしのアイスバイン!?」 「豚足はいいねえ…コラーゲンの極みだよ…」 「貴様殺す!は、離してミサト!」 「刃物は止めなさい刃物はぁ…ヒック」 「あは〜おさけ美味し〜いあは〜先輩が二人〜」 「続いて懐かしの70年代フォークを…」 「ぅ〜マヤちゃんを誰か止めてくれ〜、青葉ぁギターはもう止めろ〜」
「魔窟…」「綾波何気に酷。」 「…あたしも逃げようかしら…」
「…行ったわね。」 「…シンちゃんのあの上がりっぷり…プククッ!」 「意外なのはレイよ、ミサトも見たでしょ?」 「見た見た!シンジ君と二人揃って右手右足同時に…クククククッ!」 「よーっし!さ、行くわよ皆!あの二人を生暖かく見守るのよ!」 「おいおいミサトはともかくリッちゃんが何でそんな張り切っ…ってアスカ?何を…釘バットは止めろ釘バットは!」 「この変態ホモ使徒があたしのアイスバイン喰いやがったのよ!おまけにレイから譲って貰ったあたしの大好物の骨付きチョリソまで…」
「ん〜♪このソーセージの固さといいサイズといい…ヘブッ!?」
「…不潔…ヒック。」
「マヤ、ナイス突っ込み!」 「うわ酷ぇ…」 「…ボトルでどついたよ…」 「自業自得とは言え…御愁傷様だなこりゃ。」 「マヤちゃんちょっちそりはお酒に失礼ぢゃなぁい?そり30年物よぉん?」 「ミサト何言って…流石バカラのクリスタル製…傷一つ無い…」
「「「…そっちか?」」」
「さて…この不審変質者をどうしてくれよう…」 「…シ、シンジ君〜…あ、君のペーゼなら僕は、僕は…」
「…滅殺。」
渚カヲル、沈黙
「ふう、これでよし。」 「それより!あの娘達追い掛けるわよ!」 「…この人数で?」「しかも全員酔っ払いで?」 「だ〜い丈夫よぉん、ぬわぁ〜んっとわっってあの二人、今はラブラブフィールドのせいでお互いしか目に入ってないものぉ!」 「さて、じゃあ今日はあの二人…何処まで行くかな?」 「決まってるぢゃないれふかぁ…シ〜ンジ君がぁ…お泊まり!嫌んシンジ君不潔ぅ!」 「あの馬鹿シンジにそんな勇気無いわよ。」 「ん〜手繋げれば上等かなぁ…」 「確かに…」 「でもぉ、シンちゃんだって何のかんの言いながら男の子ょぉ?ましてや…」 「レイのあの気合いの入り様…勢いに流されても不思議は無いわね…」
「…賭けるかい?」
「「「「「「乗った!!!!!」」」」」」
「綺麗な…月だね…」
「ええ…」
「…綾波…」
「何?」
「ん…」
「あ…」
碇君と、初めてキスをした。
気付けば碇君が私に唇を重ねていた。
喜びより、疑問。
「何故?」
「…君が、好きだから…」
顔を伏せ、碇君は… 嬉しい…けど、違うの碇君。 お願い、今は私を見て欲しいの。
「…何故、私を見ないの?」
「え?」
「私を、見て。そして、話して。」
碇君、私、今日の為にリツコさんから香水、ミサトさんからピンクのリップ、アスカと洞木さんに髪と眉を手入れして貰ったの。 この服もマヤさんに選んで貰った服なのよ?どう?可愛く無いの?
「う…うん…あ、綾波、ぼ、僕は君が…その…」
え?碇君?あの、私の今言いたかったのは…
「いや、は、はっきり言う、うん。」
あ、碇君、待って、私… こ、心のじゅ、準備が、あの…
「ス〜〜ッッ、」
え!?嘘!?今ここで?本当なの!?
「あ、綾波!僕は…僕は君が好きだ!だからキスをしたんだ!」
…あ、涙が出そう…
「…私も。」
「え!?」
「私も、碇君が、好き。」 もう止まらない。
「あ、綾波…」
…勇気を…下さい…
「だから、これは私からの返事のキス。」
「え?ンムッ!?」
「「………」」
「…碇君、私、今、自分の意思で碇君とキスをした…四人目の私が、初めて、自分の意思で動いたの。」
「え?あ、綾波?」
「命令では無い最初の行動…私から碇君へのバースデープレゼント。」
「あ…あぁ…」
「碇君へのキス、感謝の気持ち…受け取ってくれて…有り難う…」
「い、いや綾波!ぼぼ僕こそああ有り難う!」
!?
「有り難う…私、碇君から…あ、有り難うなんて…なん…て…うぅ…涙?何故?嬉しいのに…えくっ、う、嬉しいのに…何故?」
あ、碇君の手が…
「綾波…嬉しいなら、笑えばいいんだ。だから笑って綾波、泣かないで綾波、泣かないで…」
…涙を流す私…哀しい程嬉しい…思わず抱き寄せられた私はそのまま碇君に抱き付いたの…
このまま…
このまま…
…時間が止まってくれたらいいのに…
…気付けば日付が代わっていて、碇君は私を部屋まで送ってくれたの…
嫌、別れたく無い…
私はそっと窓から碇君の後ろ姿を…
え?
そこに何故皆居るの?
…全員で覗いてたのね…
ん?でも何故私気付かな…
あ。
私、碇君しか見てなかった…
…無いわ。 あり得ない以上にそれは無いわ…
女性陣に追い掛けられる長髪を後ろに結った男性を傍らに眺め碇君は何やら二人の男性オペレーターと話をしている。
…止めよう。放置する事にして私は浴室へ。
それにしても…はあ。 全部…見られてたのよね… 服を畳み脱衣籠へ、浴室に入りシャワーを浴びる。
…はあ。
明日皆にどんな顔すればいいか解らない…けど…多分大丈夫よね。
だって碇君が傍に居るから。
私はシャワーの水圧を上げ、洗髪をする。シャンプーはフローラルのいい薫りがした。
【終わり】
「うう…ぼ、僕の出番…シンジ君…僕は諦めない…」
「クェ?」
月光照す室内。簀巻きにされた銀髪の少年を、只一羽のペンギンだけが眺めていた。
「シンジ君〜」
「クヮ〜…」
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Re: 1111111ヒット記念企画 ( No.42 ) |
- 日時: 2010/06/14 20:42
- 名前: JUN
- 【何処さん】
さあ、どこから突っ込みましょうか(爆) かなり甘いはずなのに、すっとぼけたノリが中和してますw
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Re: 1111111ヒット記念企画 ( No.43 ) |
- 日時: 2010/06/14 20:43
- 名前: JUN
- 【七つ目の絆創膏】
「っ、痛……」 つう、と人差し指の第一関節から真っ赤な鮮血が一筋流れる。またやってしまった。そろそろ絆創膏を巻いてもらうのも申し訳ない気がする。この傷で七つ目。絆創膏は既にそれぞれの指に一枚ずつ。手首にも一枚。鍋の縁に当てて火傷。情けない気分でいっぱいになる。この程度で彼に美味しい味噌汁を食べてもらおうなどと、お笑い種も甚だしい。 けれど、やめるわけにはいかなかった。彼と、そして彼の父親。親子としては最悪の関係性たる彼らに和解してもらうには、きっと料理が一番。 残った具材をなんとか、食べられる大きさまで刻み鍋に入れて一煮立ち。見た目は少なくとも味噌汁である。匙にすくって一口飲んでみる。 しょっぱい。それに、出汁の味が全くしない。焦げた味がする。
これではだめ。彼に飲ませられない。鍋一杯の味噌汁を見つめ、レイは重いため息を吐いた。また失敗。
けれどいくら美味しくないからといって捨てるのも躊躇われる。アスカの言葉が頭をよぎった。しょっぱくても飲めないレベルではない。アパートの周りには野良猫も沢山いる。
塩辛い味噌汁に顔をしかめながら、レイはどうしたら上達できるか、ただただそれだけを考えていた。彼は、どうだったのだろう。彼もこんな風に失敗したのだろうか。 何故だか、それはあり得ないように思えた。彼は最初から料理が出来て、美味しい味噌汁を作れたように思えた。そちらの方がよほどあり得ない筈だが、レイにはそう思えた。 いつの間にか、血は固まっていた。表面のざらついた、小さな醜いかさぶたになっていた。このまま放っておいても問題ないように思えたが、やはり消毒はしておいた。絆創膏は明日にでもリツコに貼ってもらおう。 灰色の陰鬱な部屋の中で、レイは惨めな気分を噛み締めていた。部屋に漂う焦げ臭いにおい。シンクに大量に溜まった、洗われていない食器。鋭い痛みを放ち続ける左手。 その全てが一体となって、自分にどうしようもない無力感を覚えさせた。彼は自分にたくさんの事をしてくれたのに、自分は彼に何もしてあげられていない。包丁一つ使えない自分に唖然とした。今まで自分は本当に何もしていなかったのだなと、改めて思った。 けれど今は、もう人形じゃないから。
ベッドの中で、レイは決意した。明日は、明日こそは……
目が覚める。頭が重い。一瞬身体に異常をきたしたのかと緊張したが、すぐに思い当たった。どうも風邪らしい。 自分の格好を思い出していると、裸の上にワイシャツを羽織っただけだ。いくら常夏の世界とはいえ、身体にはよくないだろう。 今日の学校は休もう、レイは思った。彼に会えないのが残念だけど、伝染すのはもっと不本意。 そう結論付けるとレイはさっさと布団をかぶり、眠りについた。
――なみ……あ……なみ…………あやなみ…………綾波……
どこか遠くから、声が聞こえた。夢と現実の境がつかないが、自分は夢を見たことが無いから、多分現実なのだろう。重い頭を我慢して目を開くと、彼が自分を見下ろしていた。 「いかり……くん……」 「大丈夫?綾波」 レイは布団の中でこく、と首肯した。 「すごい熱だ……」 そう言いながら彼がレイの額の上にそっと自分の手のひらを乗せた。その動きに余計顔が熱くなるのを感じた。顔が赤いのを気づかれないか不安になったが、自分は風邪だということに気づいて安心した。 「何か食べた?」 「……食べてない」 「だろうね」 その口調は呆れたようなものでもあり、面白がっているようでもあった。 「綾波は、もっと自分の身体を大事にしなきゃ駄目だ。昨日だって、あれ、何時まで作ってたの?」 そう言って昨日の残骸を指差した彼に、レイは狼狽した。だめ、見てはだめ。 「だめ、見ちゃ……だめ…………」 弱々しくレイがベッドの中から左手を伸ばす。シンジは両手でその手をそっと握った。 「……ごめんね、もう見ちゃったんだ。その……僕の自惚れじゃなかったら、あれ、僕に、だよね?」 レイはまたも小さく頷く。 「碇くんと碇司令に、なかよく……なって、ほし、くて…………」 「喋らないで、綾波」 シンジが濡れたタオルをレイの額に乗せる。レイはほうっと息を吐いた。 「こんなになるまで、がんばってくれたんだね……」 何のことか分からず、レイがそちらに目を向けると、シンジが愛しげに、レイの左手を撫でていた。 「それは……」 「せっかくの綺麗な指が、台無しだね……」 恥ずかしい。料理も出来ない女の子だと思われる。 「だって、私、お料理、したことない……」 「分かってるよ。でもね、綾波」 ぴりっと、昨日怪我した人差し指に痛みが走った。レイが身体を硬くすると、直後指が温かい粘膜に包まれている感触がした――シンジが、レイの人差し指をくわえていた。かさぶたの上を舌がそっとなぞる。 「だめ、碇くん、汚い……」 「汚くなんて無いよ、それに、僕はね」 どこから取り出したのか、彼はレイの手に丁寧に絆創膏を巻きつけていた。 「僕は、そんな綾波の指が大好きだよ。僕のために頑張ってくれた、この指がね……」 無意識のうちに、涙が溢れてくる。どうしようもなかった。止められなかった。そんなレイを見てシンジはまた微笑んで、軽く人差し指を曲げてそっとレイの涙を拭った。 「教えてあげるよ。もう怪我しないように。一緒に、世界一美味しい味噌汁を作ろう。父さんもきっと、喜んでくれるよ」 「うん、うん…………」 彼の優しさが、嬉しかった。風邪の熱も手伝って、頭がぼうっとした。自分がずっと見たかった笑顔は、この笑顔だ。 「風邪、辛い?」 一変して、シンジが心配そうな顔をする。レイはかぶりをふった。 「大丈夫。碇くんがいて……こほっ…………くれるから」 「大丈夫じゃないね、咳まで出てる。早く治さなきゃ」 「うん……」 「……綾波。知ってる?」 「なに、を……?」 「風邪ってさ、誰かに伝染すと、早く治るんだよ」 「――え?」 言うが早いが、彼の顔が、自分のそれと重なった。一瞬何をされているのか分からなくなる。やっとその行為の意味を知ったとき、レイの眸からもう一度、涙が溢れた。彼が、自分に…… レイはそれに応えた。弱々しく彼の首に手を回し、そっと抱き寄せる。熱に浮かされてるというのも原因の一つではあったが、それでもこれは、自分の願って止まなかったことだ。彼の唇のほのかな温かさが、不思議な眠気を誘った。 「分かった、伝染して、あげる……」 首に回した腕に力を入れると、彼は勢いよくレイの上に倒れこんだ。シンジの体重が少し息苦しかったが、嫌ではなかった。 「綾波、こんなに薄着してちゃ、だめじゃないか……風邪ひいても、自業自得だよ」 「なら、碇くんも……自業自得……」 シンジはふっと笑みをこぼした。 「そうだね、僕も、ばかだね……」 いつの間にか、彼の呼吸は眠っている人のそれへと変化していた。たまらなく愛しい気持ちになり、レイは彼の背中をそっとさすった。明日も休もう。彼のために、お粥を作ってあげよう。そしてもう一回、伝染してもらおう。 自分の左手を見てみる。彼の貼った絆創膏が、輝いて見えた。
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Re: 1111111ヒット記念企画 ( No.44 ) |
- 日時: 2010/06/19 04:27
- 名前: 何処
- ううむ…どうも俺には捻りが足りない…
他の皆の作品は真面目に甘いし…
何か意外な物は無いか…
なな…七…7…セブン…
そうだ!
7と言ったらこれでした。
『空想科学適当SF娯楽作品(嘘)』
「ぢゅわ!」
♪テーンテーンテテーテッテーテッテテーテッテテーーー♪
【アヤナミセブン】
「碇君…私、人間じゃないの。私はリリスの星からやって来た、アヤナミセブンなの。」
「は?何を言ってるの?だってアヤナミは綾波じゃないか。」
「時間だわ…行かなくちゃ。」
「行く…って何処へ?」
「赤木博士がピンチなのよ…」
「え!?ま、待って綾波!?」
「この夜空に明けの明星が輝く頃、藍色の空を流星が走る…それが私…」
「綾波!?そっちは窓…あ、落ちた。」
ピーポーピーポーピーポー…
「♪フンフンフンフン♪アヤナミセブン…今日こそ地球ごとシンジ君を渡してもらうよ…さ、赤木博士。貴女の発明したC-A-Tフィールド発生装置の埋設ポイントを明かして貰おう。」
「無駄ね…ネズミーシーからネルフ秘密ドッグへの海底トンネルは既に遮断済みよKヲル原人。貴方達のネルフ11攻略計画は破綻している。降伏するなら今の内よ」
「くっくっくっ…僕をロウスン星人やファミマー人と一緒にしてはいけないよ、赤木博士。」
「何ですって?」
「これを見たまえ赤木博士…」
「これは…まさか!あ、有り得ないわ!」
「人類の最大の敵…人の敵とはヒトさ赤木博士。」
「隊長!ネルフ11への侵入口確保しました。ですが装甲シャッターで…」
「ヤオイ兵を出せ!あの巨人なら一撃で崩せる!」
ギュヲ〜…グルル…ベチャッ
「腐ってやがる…性調が早すぎたんだ…」
「どうした!?それでも鎧武者や蹴球戦士を翻弄し吸血鬼すら使役した魔性の末の存在か!!」
カッ! キュボッ!
「何て奴等だ!味方ごと撃ちやがった!」
「第一、第二装甲シャッター融解!」
「戦腐、第3ゲート突破!」
「増援が来るまで後二時間…アスカ、マリ、戦腐の進行をなんとか食い止めて!」
「病み上がりに何て無理言うのよあんたは…やってやろうじゃない!」
「増援って…レイは未だ動けないしワンコ君なら無理よ?バイク車検で足が…まさか?」
「あたしが迎えに行くわ。」
「「駄目!ミサトそれで何回(シンジ)(ワンコ)を再起不能寸前まで追い遣ったのよ!?ミサト!ミサト?ミサト!?」」
「あの牛女…」「切りやがった…」
「大変!?エヴァ発進口が塞がれたわ!?」
「「ちょ、どうやって出ろってのよ!?」」
「碇…何処へ行く…」
「…明日を探しに…後はお願いします冬月先生…」
「そうか…ユイ君に宜しくな…」
「二人共聞こえるか?構わん、ゲートを破壊して出撃せよ。後は私が食い止める」
「「碇司令!?」」
ギュキャキャ!コウン!クヮワーーン…
キキキキキキキキーッッッ!
「こ…この音はまさか…」
「はぁ〜い♪シンちゃん、レイ、ちょっち非常招集よん♪あら?レイはどうしたの?」
「レイなら今そこの窓から…」
「…ここ5Fよね…」
「…まあ、レイの事だから全て終わった頃に包帯巻いてひょっこり現れると思いますけど…ミサトさん、今日俺公休日…」
「マリっぺとアスカだけで今戦腐の対応してる…もう動けるのは貴方だけなのよ。」
「いや、それ無理。第一バイク車検中でってミサトさん、何故に僕の手に手錠…嫌だーーーっ!ミサトさんの運転は嫌だーーーっっ!!」
「シンジ君…二択よ、このまま車に乗せられてネルフへ行くか、それともシンジ君が運転してネルフへ行くか…」
「に…逃げていいよね逃がしてくれるかな逃がしてくれないよね逃げてえでも無理っぽいよね逃げて捕まった後が大変だよね逃がしてくれないかな…」
「…有給二日+休日出勤手当…」
「逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ…」
「…成功報酬にレイ、アスカ、マリのプラグスーツ生着替え撮影映像…」
「!やりまっ!?い、いやミサトさんそれって死亡フラグ!そんなの貰ってあの三人が見逃す訳ないでしょ!?僕に死ねって言うんですかミサトさん!?」
「相変わらず追い詰められると『僕』なのねシンジ君…今からあたしの手料理食べる?」
「乗ります。僕がネルフまで運転します。」
「くっくっくっ…エヴァンゲリオン発進口は塞いだ。さあ、残るはアヤナミセブン、君だけだ!さあ出て来るがいい!」
「くっ…アヤナミセブンはあなたなんかに負けはしないわ!」
「ふっ…赤木博士、現実を見ればいい、既にネルフ11は陥落寸前、頼みのエヴァは発進すら出来ない…後は僕の望みをいつも妨害するアヤナミセブンを葬るのみ…そして見よ!エヴァンゲリオンすら一蹴するこの怪獣再生アンノンのパチスロハンドにかかればアヤナミセブンなぞ筐体の中のフィギュアに過ぎないのさ。あははははっ!」
「くっ…」
「さあ、出て来いアヤナミセブン!そしてこの怪獣再生アンノンの餌食となるがいい!ふふっ、どうやってこの僕の完璧な計画を破るアヤナミセブン!」
「…こうする。」
ぼぐっ
「…不様ね…」
「…赤木博士、無事でしたか。」
「あ…有難うアヤナミセブン、助かったわ…」
「ぐっ…い、いつの間に…」
「ちっ、まだ生きてたのね…」
「な、何故だアヤナミセブン、君は窓から落ち救急車で…」
「は?」
「救急車?私が何故落ちなければいけないの?」
「ううっ…考えて見れば空飛べる存在が落ちる訳が…冒頭のサイレンはフェイクだったか…」
「?」「?訳解らない…」
クォン!ギュキャキャ!ガウン!クォォォ…
「ちっ!発進口が塞がれてる!」
「pi…シンジ君、今から発進口をクリヤしてエヴァが自力発進するわ、距離を開けて。」
「え?」
ドキャ!ズズン!
「無茶苦茶だよ…」
「何て事だ!ゲートを自ら破壊して発進するなんて!?リリン…恐るべし…」
「カヲル原人、貴方の負けよ、大人しく降伏しなさい…」
「今なら解剖は勘弁してあげるわ。」
「「をい」」
「シンジ!初号機の準備は出来ている!早く乗れ!」
「司令!?」「父さん…」
「どうした?乗らんのなら帰れ!」
「乗ります!」
「くっ!僕の願いを又もや阻止するか呪われしエヴァンゲリオン、忌まわしきアヤナミセブン…ええい行け再生アンノン!」
「!?」「死ぬ気!?」
「僕の死と共にこの基地は自爆する!この基地ごと死ぬがいいアヤナミセブン!」
「赤木博士、私に捕まって!」
「怪獣出現!」
「ちっ!こんな時に…」
「まずい、こっちに直進して来る!」
「ぬう…」
ギュゴォン!
ヘアッ!
「「「アヤナミセブン!?」」」「…来たか…」
「ワンコ君、アヤナミセブンの援護へ!」
「あたし達でここは大丈夫!行ってシンジ!」
「二人共…」「…」
「判った!アスカ、マリ、後は頼む!父さん、ミサトさんを宜しく!」
ヘアッ!
べきばきドキャ!
ギュゴォン!
げしっ!
ヂュワッ!?
「ぬうっ!?」 「何て奴だ、アヤナミセブンをパワーで圧倒してやがる…」 「まずいぜこいつは…」 「大丈夫ですよ、アヤナミセブンは必ず勝ちます!」
「シンジ君聞こえる?」
「赤木博士!?無事でしたか!」
「あの怪獣…どうやら前回のアヤナミセブンとの戦闘の後強化されたらしいわ。このままでは私達に勝ち目は無い。」
「ちっ!一体どうすれば…」
「推測だけれど、あの怪獣は視力が低いかも知れないわ…それにいくら強化したと言ってもこの短期間ならそれは一部分だけの筈よ!」
「ん?そうか!聞こえるかアヤナミセブン!奴の動きを十秒止めてくれ!」
!?ダーッ!
ガシッ!
ギュゴォン!
「これでどうだ!」
ひょいっ
ガガガガ!?
「上手い!」「奴の眼鏡を狙うとは!」「あ、探してる探してる眼鏡探してる」
ギュゴォン!
ドカーン!
「同士討ち!?」「眼鏡を外され敵味方が判らないのだ…」
「戦腐、撤退していきます!」「よっしゃあ!」「マリ!アスカ!」 「判ってるわ!」「追撃よ追撃!」 「…勝ったな…」
げしっ!
ギュガガガガン!?
「!シンジ君!今の見たわね!?」 「!?アヤナミセブン!奴の弱点はサンダルからはみ出た小指だ!」
!?ヘアッ!
ドキャ!
「うわ…」「箪笥ラッガーの直撃…」「痛そう…」
ドッカーン!
「「「やったー!」」」「うむ、やったな!」
…ジュワ!
キーーーン…
「戦腐の掃討完了しました」「今から帰還します」
「終わったわね…」「ああ…」
「お疲れ様シンジ君…あら?」
「碇君!」
「あ、綾波ー!そっちはゲートの破口部…あ、落ちた。」
「…て夢を見たの…」
「綾波…疲れてない?」
「そう…かしら…そうかも知れない…」
「あらシンジ君、レイちゃん、朝から一緒なのね?今日のテストは先輩の代理に私が担当するわ、宜しくね…ってどうしたの?」
「マヤさん…制服が違う番組…」
「セブン違い…トレッキー大喜びしそう…」
「は?」
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Re: 1111111ヒット記念企画 ( No.45 ) |
- 日時: 2010/06/21 18:03
- 名前: タピオカ
- 少々捻り過ぎな気がしないでもない……(笑)
効果音で意味不明なものが多いですがそれも面白さの一部って事で(*^□^*)
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