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You really got a hold on me
件名 | : Re: You really got a hold on me |
投稿日 | : 2014/05/05 23:39 |
投稿者 | : 楓 |
参照先 | : |
時々、本当に時々であれLAKが出てくるので、日々監視しておかないと……
と、思ってしまいました。
私好みの甘さのお話の数々です。
今さらですがご馳走様でした…!
と、思ってしまいました。
私好みの甘さのお話の数々です。
今さらですがご馳走様でした…!
件名 | : Re: You really got a hold on me |
投稿日 | : 2014/04/20 04:05 |
投稿者 | : tamb |
参照先 | : |
> 「ありがとう。紅茶にする?コーヒー?」
> 「日本茶がいいね」
ポイントはここなんですよ。きっと。つまり、紅茶やコーヒーには砂糖を入れる(可能性がある)けれど、日本茶には入れない。アスカを引き立てることができるってわけですね。
舐めてるのはたぶんうなじでいいと思う。指を入れてるのは耳、と思ったけど、それじゃやっぱり筋が通らないので以下省略ということにw
タイトルミュージック。「身も心も」を貼ろうと思ったけど一応回避w
やっぱこれか。
http://www.youtube.com/watch?v=GDs-uPpYoBs
> 「日本茶がいいね」
ポイントはここなんですよ。きっと。つまり、紅茶やコーヒーには砂糖を入れる(可能性がある)けれど、日本茶には入れない。アスカを引き立てることができるってわけですね。
舐めてるのはたぶんうなじでいいと思う。指を入れてるのは耳、と思ったけど、それじゃやっぱり筋が通らないので以下省略ということにw
タイトルミュージック。「身も心も」を貼ろうと思ったけど一応回避w
やっぱこれか。
http://www.youtube.com/watch?v=GDs-uPpYoBs
件名 | : Re: You really got a hold on me |
投稿日 | : 2014/04/17 06:28 |
投稿者 | : タン塩 |
参照先 | : |
史燕さんありがとうございます。反応早っ!まあゲロ甘はいつもの
ことで。カヲル君には誘惑者がよく似合う。メフィストフェレスの
面影を感じますな。
タイトルミュージックを貼ろうと思ったけど、きっとCaluさんが
貼ってくれる!(丸投げ)
ことで。カヲル君には誘惑者がよく似合う。メフィストフェレスの
面影を感じますな。
タイトルミュージックを貼ろうと思ったけど、きっとCaluさんが
貼ってくれる!(丸投げ)
件名 | : Re: You really got a hold on me |
投稿日 | : 2014/04/16 09:06 |
投稿者 | : 史燕 |
参照先 | : |
ゲロ甘LAKですね。
しかもカヲルがかなりかっこいいという……。
>「いや、そんなに悪い気分ではないよ、空っぽなのは。これから、いろんなもの
で自分を満たしていけるからね」
>「とりあえず、今はアスカで満たしたいな」
>「だって、アスカ自身がこんなに甘いからね」
……甘い。
俗っぽく言うなら、「砂糖吐きそう」なくらい甘い。
でも、カヲルにとってはアスカというパートナーはそれこそ失うことが想像できないほど大切な相手なんだな。ということが、読んでいて伝わってきました。
しかもカヲルがかなりかっこいいという……。
>「いや、そんなに悪い気分ではないよ、空っぽなのは。これから、いろんなもの
で自分を満たしていけるからね」
>「とりあえず、今はアスカで満たしたいな」
>「だって、アスカ自身がこんなに甘いからね」
……甘い。
俗っぽく言うなら、「砂糖吐きそう」なくらい甘い。
でも、カヲルにとってはアスカというパートナーはそれこそ失うことが想像できないほど大切な相手なんだな。ということが、読んでいて伝わってきました。
件名 | : Empty Rooms |
投稿日 | : 2014/04/16 06:27 |
投稿者 | : タン塩 |
参照先 | : |
「コンビニに寄っていってもいいかい」
「あんたがコンビニって珍しいじゃない」
「電池が欲しいのさ」
最近のコンビニは油断がならない。スイーツの新作が並んでいたりするからだ。
うっ、やっぱりあった。イチゴの赤が、生クリームの白があたしを誘惑する。ダ
メよアスカ、ここで負けてはダメ…
「買えばいいじゃないか」
「ばっ、な、何のことよ!?」
「鬼みたいな顔をしてお菓子を睨みつけてるじゃないか」
「ふ、不覚!」
「我慢は身体に悪いよ」
「ほ、ほっといてよ!」
「金を出せ!」
店内に響く声。レジを見ると男の背中。手にサバイバルナイフのようなもの。
「コンビニ強盗!?」
まさか強盗に出くわすなんて。こうしちゃいられない。そんなふざけた奴は…
顔を上げると、男の隣に見慣れた銀髪。
「いけないなぁ。やめた方がいいよ、そういうことは」
「なっ、何だてめえは!?」
ナイフを突き出す男。その先にはもう誰もいない。
「やれやれ、聞き分けのない子は嫌いだよ」
スニーカーの爪先が男の顎にめり込む。一件落着。
「……あんたって、つくづくいけ好かないやつよね」
「いきなりそれかい」
「なんであんなことするのよ!? 危ないじゃない!」
「だって、僕が行かなきゃ君が行ってたろう?」
「……」
「姫君はそんな手の汚れる仕事はしちゃいけないよ」
「…ホンっトにいけ好かないわ」
警察が駆け付けて、事情聴取だなんだと手間取り買い物しそびれたので、別のコ
ンビニでカヲルは電池を、あたしは『新発売!フルーツどっさりプリンアラモー
ド』を買った。結局、負けてしまった。
「寄って行くんでしょ?」
「もちろんさ。電池も買ったしね」
「電池って?」
「君の部屋のテレビのリモコンの電池が切れかかってたろう?」
「わざわざ、そのために…?」
「僕の部屋にはテレビなんかないからね」
そうだ。こいつの部屋は殺風景で、ほとんど何もない。ベッドがポツンとあるだ
けで、あたしが選んだ私服も部屋の片隅の段ボール箱に突っ込んでいたので、一
発蹴りを入れてから、クローゼットに掛けてやったっけ。
「電池、換えたよ」
「ありがとう。紅茶にする?コーヒー?」
「日本茶がいいね」
「…あんた、自分の部屋、もう少し何とかしなさいよ」
「なんとかって?」
「家具を買うとか、インテリアを考えるとか…」
「興味ないよ。一人でいるのは嫌いなんだ」
「嫌いって」
「分かってるだろう。僕は、空っぽなんだ。僕の中には何もない」
「空っぽって!」
「使徒タブリスだった僕の中には、アダムに帰ること以外何もなかった。使徒で
なくなってしまった今、もう何もない。空っぽなんだよ」
「そんなこと!」
「いや、そんなに悪い気分ではないよ、空っぽなのは。これから、いろんなもの
で自分を満たしていけるからね」
「……」
「とりあえず、今はアスカで満たしたいな」
「ど、どこ触ってるのよ」
「触れたいのさ、アスカに」
ああ、まただ。また甘い誘惑に負けてしまう。悔しい。悔しい。身も心も蕩ける
誘惑に、負けてしまう。
「アスカが甘いものが好きな理由が分かったよ」
「な、何よ」
「だって、アスカ自身がこんなに甘いからね」
「ちょ、舐めないでよ、そんなとこ」
「泊まっていっていいかい?」
「帰れって言っても帰らないくせに」
「一緒にいたいんだよ」
「し、仕方ないわね」
「アスカはやっぱり優しいね。だから好きなのさ」
「ば、馬鹿言ってるんじゃないわよ!」
「僕の居場所はここだよ。アスカが僕の居場所なんだ」
「……」
「特にここだな。この中にずっといたい」
「指を入れるなーっ!」バキッ
「グハァッ!」
【終】
「あんたがコンビニって珍しいじゃない」
「電池が欲しいのさ」
最近のコンビニは油断がならない。スイーツの新作が並んでいたりするからだ。
うっ、やっぱりあった。イチゴの赤が、生クリームの白があたしを誘惑する。ダ
メよアスカ、ここで負けてはダメ…
「買えばいいじゃないか」
「ばっ、な、何のことよ!?」
「鬼みたいな顔をしてお菓子を睨みつけてるじゃないか」
「ふ、不覚!」
「我慢は身体に悪いよ」
「ほ、ほっといてよ!」
「金を出せ!」
店内に響く声。レジを見ると男の背中。手にサバイバルナイフのようなもの。
「コンビニ強盗!?」
まさか強盗に出くわすなんて。こうしちゃいられない。そんなふざけた奴は…
顔を上げると、男の隣に見慣れた銀髪。
「いけないなぁ。やめた方がいいよ、そういうことは」
「なっ、何だてめえは!?」
ナイフを突き出す男。その先にはもう誰もいない。
「やれやれ、聞き分けのない子は嫌いだよ」
スニーカーの爪先が男の顎にめり込む。一件落着。
「……あんたって、つくづくいけ好かないやつよね」
「いきなりそれかい」
「なんであんなことするのよ!? 危ないじゃない!」
「だって、僕が行かなきゃ君が行ってたろう?」
「……」
「姫君はそんな手の汚れる仕事はしちゃいけないよ」
「…ホンっトにいけ好かないわ」
警察が駆け付けて、事情聴取だなんだと手間取り買い物しそびれたので、別のコ
ンビニでカヲルは電池を、あたしは『新発売!フルーツどっさりプリンアラモー
ド』を買った。結局、負けてしまった。
「寄って行くんでしょ?」
「もちろんさ。電池も買ったしね」
「電池って?」
「君の部屋のテレビのリモコンの電池が切れかかってたろう?」
「わざわざ、そのために…?」
「僕の部屋にはテレビなんかないからね」
そうだ。こいつの部屋は殺風景で、ほとんど何もない。ベッドがポツンとあるだ
けで、あたしが選んだ私服も部屋の片隅の段ボール箱に突っ込んでいたので、一
発蹴りを入れてから、クローゼットに掛けてやったっけ。
「電池、換えたよ」
「ありがとう。紅茶にする?コーヒー?」
「日本茶がいいね」
「…あんた、自分の部屋、もう少し何とかしなさいよ」
「なんとかって?」
「家具を買うとか、インテリアを考えるとか…」
「興味ないよ。一人でいるのは嫌いなんだ」
「嫌いって」
「分かってるだろう。僕は、空っぽなんだ。僕の中には何もない」
「空っぽって!」
「使徒タブリスだった僕の中には、アダムに帰ること以外何もなかった。使徒で
なくなってしまった今、もう何もない。空っぽなんだよ」
「そんなこと!」
「いや、そんなに悪い気分ではないよ、空っぽなのは。これから、いろんなもの
で自分を満たしていけるからね」
「……」
「とりあえず、今はアスカで満たしたいな」
「ど、どこ触ってるのよ」
「触れたいのさ、アスカに」
ああ、まただ。また甘い誘惑に負けてしまう。悔しい。悔しい。身も心も蕩ける
誘惑に、負けてしまう。
「アスカが甘いものが好きな理由が分かったよ」
「な、何よ」
「だって、アスカ自身がこんなに甘いからね」
「ちょ、舐めないでよ、そんなとこ」
「泊まっていっていいかい?」
「帰れって言っても帰らないくせに」
「一緒にいたいんだよ」
「し、仕方ないわね」
「アスカはやっぱり優しいね。だから好きなのさ」
「ば、馬鹿言ってるんじゃないわよ!」
「僕の居場所はここだよ。アスカが僕の居場所なんだ」
「……」
「特にここだな。この中にずっといたい」
「指を入れるなーっ!」バキッ
「グハァッ!」
【終】
件名 | : Re: You really got a hold on me |
投稿日 | : 2012/08/27 07:42 |
投稿者 | : タン塩 |
参照先 | : |
■tambさん
ありがとうございます。タイトル曲は予想通りのこれ。前作と違って、先にタイ
トルが浮かんで作品が後。お題は『ビートルズのカバーソング』でした。タイト
ルがタイトルゆえ、ゲロ甘は自然の成り行きかと。『Twist and Shout』では無
理でした(爆)
http://www.youtube.com/watch?v=aklA-iwKkHE
ありがとうございます。タイトル曲は予想通りのこれ。前作と違って、先にタイ
トルが浮かんで作品が後。お題は『ビートルズのカバーソング』でした。タイト
ルがタイトルゆえ、ゲロ甘は自然の成り行きかと。『Twist and Shout』では無
理でした(爆)
http://www.youtube.com/watch?v=aklA-iwKkHE
件名 | : Re: You really got a hold on me |
投稿日 | : 2012/08/26 20:34 |
投稿者 | : tamb |
参照先 | : |
ゲロ甘である(笑)。
唐突に話を変えるけど、いちいち「ゲロ尼」と変換され、「甘」は「あま」からだとなかなか
候補に出てこないので単語登録した。さて「ゲロ甘」というのは品詞はなんであろうか?
話を戻す。
冒頭の会話で恐らくゲロ甘だろうと予想し、だが雰囲気が甘くなる前に
> 「さっき二回もしたじゃない」
二回もしたのかよ! と思わず突っ込んでしまうのである(笑)。
> 「……泊まっちゃダメって言ったじゃない」
朝起きて、彼がいなかったらいなかったで不機嫌になると思われる(笑)。こういう女の子って
可愛いけど、まあ正直に言えば手に負えませんな。私が手に負う必要はないんだけど。
なんというか、久々に「あーもー」とか言いながらゴロゴロ転がりたくなる感覚を味わってし
まいましたw
唐突に話を変えるけど、いちいち「ゲロ尼」と変換され、「甘」は「あま」からだとなかなか
候補に出てこないので単語登録した。さて「ゲロ甘」というのは品詞はなんであろうか?
話を戻す。
冒頭の会話で恐らくゲロ甘だろうと予想し、だが雰囲気が甘くなる前に
> 「さっき二回もしたじゃない」
二回もしたのかよ! と思わず突っ込んでしまうのである(笑)。
> 「……泊まっちゃダメって言ったじゃない」
朝起きて、彼がいなかったらいなかったで不機嫌になると思われる(笑)。こういう女の子って
可愛いけど、まあ正直に言えば手に負えませんな。私が手に負う必要はないんだけど。
なんというか、久々に「あーもー」とか言いながらゴロゴロ転がりたくなる感覚を味わってし
まいましたw
件名 | : Re: You really got a hold on me |
投稿日 | : 2012/08/24 00:50 |
投稿者 | : タン塩 |
参照先 | : |
「何を怒ってるんだい?」
「怒ってない」
「怒ってるじゃないか」
「怒ってない」
「やれやれ」
そう、怒ってるわけじゃない。ただ、自分にいらついてるだけ。弱い自分に。
【A Taste of Honey】 by タン塩
「あれだけいっぱいキスしたのに、まだ許してくれないのかい?」
「関係ない」
許すも許さないもない。カヲルに腹を立ててるわけじゃない。
「困ったな、わからないんだ。意地悪しないで教えてくれないか」
「だから怒ってない」
「怒ってる」
「怒ってない」
困り顔のカヲル。こいつにこんな顔をさせられるのは多分あたしだけ。そう思う
とちょっと優越感もあるけれど、わざと彼氏を困らせる趣味はあたしにはない。
クラスの女の子の中にはそんな話を自慢げにする子もいるけれど、バカだなと思
う。人の心を弄ぶやつは必ず報いを受ける。
「あんた、帰らなくていいの?終電なくなるわよ」
「終電よりアスカが大事だからね」
「ゴマをすっても泊めないわよ」
こいつはすぐに泊めろと言い出す。そうそういつも甘やかしてはいられない。
「さっき二回もしたじゃない」
「僕がアスカを求める心はそんなものではおさまらないよ。抱きしめるほどにな
お、求める気持ちは高まるのさ」
「だめ」
「心の赴くままに求めるのがリリンというものじゃないのかい?」
「欲望に溺れる者は身を滅ぼすのが人間よ。節度を持たなきゃいけないわ」
自分で言っておいて驚いた。これじゃまるでヒカリだ。あの子のお堅い倫理感に
知らず知らず影響を受けてるのかな。いいえ、多分カヲルのせい。こいつがあま
りにもフリーダムだから、自然にあたしにブレーキ役が回ってくる。
ヒカリも、彼氏がジャージだと苦労してそうだな。あんなやつのどこがいいんだ
ろ。いや、お互い様か。ヒカリとおしゃべりしててカヲルが絡んできた時とか、
さすがに口には出さないけれど、ヒカリの声なき声が聞こえる。『アスカ、そん
な変わった人のどこがいいの?』って。ほっといてよ、ヒカリ。
「いや、冗談だよ。アスカを怒らせたまま帰るわけにはいかないからね」
「だから、怒ってない」
「なら、どうして笑ってくれないんだい?」
「……」
「一日の最後に見る君の顔は笑顔でなきゃ納得いかないね。不機嫌な顔の残像を
残したまま帰って一人ぼっちで眠るなんて嫌だ」
「別に、そんな…」
「笑ってくれるまで帰らないよ」
突然の抱擁。口づけ。甘い甘い、口づけ。
『キスは蜜の味』なんて誰が言ったんだろう。そんなわけないでしょ、と思って
た。だけど、間違いだった。この感覚は説明できないけれど、蜜の味というのは
うまい表現だと思う。脳の芯で何かが溶けていくような、自分がいなくなってし
まうような、この感覚。すべての悩み事や迷いが溶けて流れていく、この感覚。
ああ、そうだ。なんでイライラしていたか思い出した。どんな怒りや不満も、こ
いつのキスひとつでごまかされてしまう安上がりな自分にいらついてたんだ。
自分はそんなに安い女じゃないはずだと思っていらついてたんだ。ならこのあと、
またイライラするんだろうか。わからない。今はわからない。溶けてしまいそう
だから、わからない。
「おはよう」
「……泊まっちゃダメって言ったじゃない」
「もう朝だよ。朝ご飯、僕が作ろうか」
「あんたは変なものしか作らないからだめ」
「ひどいなあ」
「…あんた、朝から機嫌がいいわね」
「夕べ、アスカが笑ってくれたからね」
「……覚えてない」
「とても素敵な笑顔だったよ」チュッ
「あ、だ、だめよ。学校に行けなくなるでしょ」
「大丈夫さ。僕がアスカを学校まで背負っていくから」
「バカ言ってないで離して!」
「嫌だ」
「せいっ!」バキャッ
「グハァッ!顔面に頭突きは…ひどいよ……」
【ヘッドバット終】
「怒ってない」
「怒ってるじゃないか」
「怒ってない」
「やれやれ」
そう、怒ってるわけじゃない。ただ、自分にいらついてるだけ。弱い自分に。
【A Taste of Honey】 by タン塩
「あれだけいっぱいキスしたのに、まだ許してくれないのかい?」
「関係ない」
許すも許さないもない。カヲルに腹を立ててるわけじゃない。
「困ったな、わからないんだ。意地悪しないで教えてくれないか」
「だから怒ってない」
「怒ってる」
「怒ってない」
困り顔のカヲル。こいつにこんな顔をさせられるのは多分あたしだけ。そう思う
とちょっと優越感もあるけれど、わざと彼氏を困らせる趣味はあたしにはない。
クラスの女の子の中にはそんな話を自慢げにする子もいるけれど、バカだなと思
う。人の心を弄ぶやつは必ず報いを受ける。
「あんた、帰らなくていいの?終電なくなるわよ」
「終電よりアスカが大事だからね」
「ゴマをすっても泊めないわよ」
こいつはすぐに泊めろと言い出す。そうそういつも甘やかしてはいられない。
「さっき二回もしたじゃない」
「僕がアスカを求める心はそんなものではおさまらないよ。抱きしめるほどにな
お、求める気持ちは高まるのさ」
「だめ」
「心の赴くままに求めるのがリリンというものじゃないのかい?」
「欲望に溺れる者は身を滅ぼすのが人間よ。節度を持たなきゃいけないわ」
自分で言っておいて驚いた。これじゃまるでヒカリだ。あの子のお堅い倫理感に
知らず知らず影響を受けてるのかな。いいえ、多分カヲルのせい。こいつがあま
りにもフリーダムだから、自然にあたしにブレーキ役が回ってくる。
ヒカリも、彼氏がジャージだと苦労してそうだな。あんなやつのどこがいいんだ
ろ。いや、お互い様か。ヒカリとおしゃべりしててカヲルが絡んできた時とか、
さすがに口には出さないけれど、ヒカリの声なき声が聞こえる。『アスカ、そん
な変わった人のどこがいいの?』って。ほっといてよ、ヒカリ。
「いや、冗談だよ。アスカを怒らせたまま帰るわけにはいかないからね」
「だから、怒ってない」
「なら、どうして笑ってくれないんだい?」
「……」
「一日の最後に見る君の顔は笑顔でなきゃ納得いかないね。不機嫌な顔の残像を
残したまま帰って一人ぼっちで眠るなんて嫌だ」
「別に、そんな…」
「笑ってくれるまで帰らないよ」
突然の抱擁。口づけ。甘い甘い、口づけ。
『キスは蜜の味』なんて誰が言ったんだろう。そんなわけないでしょ、と思って
た。だけど、間違いだった。この感覚は説明できないけれど、蜜の味というのは
うまい表現だと思う。脳の芯で何かが溶けていくような、自分がいなくなってし
まうような、この感覚。すべての悩み事や迷いが溶けて流れていく、この感覚。
ああ、そうだ。なんでイライラしていたか思い出した。どんな怒りや不満も、こ
いつのキスひとつでごまかされてしまう安上がりな自分にいらついてたんだ。
自分はそんなに安い女じゃないはずだと思っていらついてたんだ。ならこのあと、
またイライラするんだろうか。わからない。今はわからない。溶けてしまいそう
だから、わからない。
「おはよう」
「……泊まっちゃダメって言ったじゃない」
「もう朝だよ。朝ご飯、僕が作ろうか」
「あんたは変なものしか作らないからだめ」
「ひどいなあ」
「…あんた、朝から機嫌がいいわね」
「夕べ、アスカが笑ってくれたからね」
「……覚えてない」
「とても素敵な笑顔だったよ」チュッ
「あ、だ、だめよ。学校に行けなくなるでしょ」
「大丈夫さ。僕がアスカを学校まで背負っていくから」
「バカ言ってないで離して!」
「嫌だ」
「せいっ!」バキャッ
「グハァッ!顔面に頭突きは…ひどいよ……」
【ヘッドバット終】
件名 | : Re: You really got a hold on me |
投稿日 | : 2012/01/30 02:24 |
投稿者 | : tamb |
参照先 | : |
いいと思う。私の中のカヲルのイメージもこんな感じに近い。要するに、すさまじい偏見に
基づいたイタリア人というか(笑)。照れくさいことをすんなり言わせるとカヲルっぽくなる。
そしてあんまり常識がない(笑)。ネタとして、さっさと下校しようとするアスカにカヲルが駆
け寄ってきて
「ねえアスカ」
「なによ」
「女の子にも性欲ってあるの?」
アスカは無言で全体重を乗せた手刀を叩き込む。
ってのがあるんだけど、話が展開しないw
逆に言うと、そういう部分じゃない所での「変」さが書けるとカヲルが掴めるんだとは思う。
本編登場あたり、あるいはののさんのGrowing Comedianの葬送とかのカヲル。もちろん私にも
書けないわけだがw
> 楓さん、是非絵にしていただけないでしょうか(願)?
14歳微乳美少女処女に対して何というセクハラ発言を!(爆)
待てよ。14歳微乳美少女処女が14歳微乳美少女処女に大してこのような発言を行った場合で
もセクハラになるのだろうか? わからんからならないことにしよう(笑)。
というわけで、せっかくだから楓さん、最近姿の見えないtama姉さん、ねもさん、そして絵
が描けると発覚したくろねこさんその他、隠れを含め絵師全員でハイキックアスカの競作だ!
無謀だ!(爆)
基づいたイタリア人というか(笑)。照れくさいことをすんなり言わせるとカヲルっぽくなる。
そしてあんまり常識がない(笑)。ネタとして、さっさと下校しようとするアスカにカヲルが駆
け寄ってきて
「ねえアスカ」
「なによ」
「女の子にも性欲ってあるの?」
アスカは無言で全体重を乗せた手刀を叩き込む。
ってのがあるんだけど、話が展開しないw
逆に言うと、そういう部分じゃない所での「変」さが書けるとカヲルが掴めるんだとは思う。
本編登場あたり、あるいはののさんのGrowing Comedianの葬送とかのカヲル。もちろん私にも
書けないわけだがw
> 楓さん、是非絵にしていただけないでしょうか(願)?
14歳微乳美少女処女に対して何というセクハラ発言を!(爆)
待てよ。14歳微乳美少女処女が14歳微乳美少女処女に大してこのような発言を行った場合で
もセクハラになるのだろうか? わからんからならないことにしよう(笑)。
というわけで、せっかくだから楓さん、最近姿の見えないtama姉さん、ねもさん、そして絵
が描けると発覚したくろねこさんその他、隠れを含め絵師全員でハイキックアスカの競作だ!
無謀だ!(爆)
件名 | : Re: You really got a hold on me |
投稿日 | : 2012/01/22 20:16 |
投稿者 | : calu |
参照先 | : |
タン塩さん
ふと思ったんですが、アスカってどんな匂いなんでしょう?
レイはtamb閣下のimprintingで脳内にイメージが出来上がってるんですが。
>ベッドもソファーもアスカの匂いがする。君は香水なんかつけなくて
も、とてもいい匂いがするからね」
それにしてもエンディングテーマ、グッドチョイスです。
これ以上ぴったりの曲は無いですね(笑)。
スペイン語の訳がより直接的でいいですー。
ps.ここらあたりで、LAK総帥(aba-m.a-kkvさん)に登場いただけないですかねー。
ふと思ったんですが、アスカってどんな匂いなんでしょう?
レイはtamb閣下のimprintingで脳内にイメージが出来上がってるんですが。
>ベッドもソファーもアスカの匂いがする。君は香水なんかつけなくて
も、とてもいい匂いがするからね」
それにしてもエンディングテーマ、グッドチョイスです。
これ以上ぴったりの曲は無いですね(笑)。
スペイン語の訳がより直接的でいいですー。
ps.ここらあたりで、LAK総帥(aba-m.a-kkvさん)に登場いただけないですかねー。
イライラするのは好きじゃない。好きな奴はいないか。
あたしだって、できれば毎日穏やかに過ごしたい。パリで見た鈴蘭祭のように、
派手ではないけれどなんとなく華やかな、そんな気分でいられたらどんなに素敵
だろう。なのに、あたしはイライラしてる。
窓の外は、まるで五月のパリみたいな爽やかな天気。なのにここはパリじゃない。
第二新東京市の高校の窓からは、マロニエの並木道もシテ島の橋も、鈴蘭の花売
り娘も見えない。
「あ、あの、アスカ」
「何?」
「ぼ、僕らの班の課題だけどさ、一応まとめておいたから目を通してくれない?」
何をおどおどしてるのよバカシンジ。いえ、わかってる。今のあたしはイライラ
オーラを全身から発散してるにちがいない。
「碇、くん」
シンジの後ろからあの女が顔を出す。ポーカーフェースのようでいて、どことな
く柔らかい空気を漂わせて。ああイライラする。
「はいはい、見とけばいいんでしょ」
シンジの差し出すUSBメモリを引ったくり、あたしは尋ねた。
「…あいつはどこに行ったの」
「あいつって?」
「やっぱりいい」
「あ、カ、カヲル君!?カヲル君なら昼休みに帰っちゃったよ、鞄持って」
やっぱり。あたしのイライラはもう頂点。
「碇くん」
「あ、ゴ、ゴメン綾波」
「あんたら、これからデート?」
「デ、デートなんてそんな。ただ一緒に本屋に寄って、それからお茶…」
「帰る」
なんてザマだろう。この眩しい陽射し、爽やかな風に吹かれながら、あたしは一
人トボトボと下校中。こんな気持ちのいい日に、こんな気分でいなきゃいけない
なんてバカみたい。バカシンジとあの女はますます人をイライラさせるし。
違う。あたしは嫉妬していたんだ。あの女に。あの柔らかい雰囲気に。あれは、
好きな人がそばにいる安心感。
「やあ」
いた。人の部屋に上がり込んで、勝手にシャワーを浴びたのか、上半身裸でタオ
ルを首に掛けて、しかも人のジンジャーエールを勝手に飲んで。
「上がらないの?」
「……何してんのよ」
「午後の授業は気が乗らないから、ここで少し昼寝してシャワーを浴びたのさ」
見れば、朝きっちりメイクしたベッドが寝乱れてグチャグチャ。
「…せいっ!」
「おっと、危ないなぁ。君の左ハイキックは凶器だよ」
「姿が見えないと思ったら人の部屋に上がり込んで勝手放題、キックぐらい当然よ!」
「僕の部屋よりここの方が学校から近いしね」
「だからって、ちょっとは遠慮とかないの!?」
「鍵をくれたのは君じゃないか」
「ぐっ」
「それに、自分の部屋よりアスカの部屋の方が落ち着くのさ。アスカの匂いが染
み付いているからかな」
「え」
「自分の部屋は好きじゃない。だって自分しかいないからね。この部屋にはアス
カがいる。ベッドもソファーもアスカの匂いがする。君は香水なんかつけなくて
も、とてもいい匂いがするからね」
「な、何言ってるのよ」
「ほら、こんなに」
そう言って人を勝手に抱きしめる。裸の胸に頬が埋まる。
「いい匂いで、軽くて、柔らかくて。君は本当に魅力的だ」
「……なら」
「え?」
「なら一人ぼっちにしないでよ!いつも一緒にいてよ!」
「…アスカ」
「あんたはいつもそう!フラッとどこかに行ったまま帰って来ないで。残されて
一人でいるのは嫌なのよ!」
「ごめん」
抱きしめる腕に力がこもる。裸の胸に顔が埋まる。
「そうだったね。僕は君の心を見るのを忘れていたよ。そんなに寂しかったなん
て気付かなかった。ごめん」
「……」
「僕はもうリリンになったんだ。それは自分で選んだことなのに、未だにリリン
の生き方に慣れない。君にそんな思いをさせるつもりじゃなかったんだ」
そうだ。初めて会った時、こいつは虫が好かなかった。多分、嫉妬していたんだ。
あたしはずっと束縛されていた。ママが死んでから、最後の戦いまで。飛び級で
大学を卒業して、訓練を受けて、エヴァに乗って。最大の目標だったエヴァへの
搭乗。それさえもが多分、どこかのずるい大人に誘導されたものだった。全てが
終わった時、あたしはそれを悟った。
そこにこいつが現れた。達観したような醒めた目つきで飄々と。あたしはほとん
ど生理的な嫌悪感すら感じた。面と向かって『あんた、いけ好かないのよ!』っ
て言ってやったっけ。それなのにこいつと来たらキョトンとして、それから嬉し
そうな顔をして『それが怒りという感情かい?初めて見た』なんて言うからます
ますムカついて、ひっぱたいてやった。今思えば、こいつが漂わせてた『自由の
匂い』に反発してたのかも知れない。
だけど、こいつを知るにつれて、そういう感情は薄れていった。こいつには演技
も芝居もない。根っからそういう変な奴なんだとわかってバカバカしくなった。
いつからだろう。こいつを束縛してやりたいと思うようになったのは。小鳥のよ
うに気ままに飛び回るこいつを、あたしの傍に縛り付けてやりたいと思うように
なったのは。こいつを束縛できる、世界で唯一の存在になりたいと思ったのは。
だけど、結局は逆。こいつは相変わらず自由で、あたしはこいつに身も心も搦め
捕られて身動き取れない。悔しい。悔しい。
「…えい!」
「痛っ!足を踏むなんてひどいよアスカ」
「さっさとシャツを着なさいよ!風邪引くわよ」
「大丈夫さ。アスカはあったかいから」
「……一つ聞いていい?カヲルはいつ、あたしを好きになったの?」
「さあね。強いて言うなら、初対面で君に叩かれた時かな」
「…あんたマゾ!?」
「初めてだったんだ。叩かれたのも、他人に怒りを向けられたのも。そして、激
しい感情を見せた君に興味を持った。もっと君を知りたいと思った。
結果は予想以上だったね。君の表情はクルクル変わる。笑い、泣き、怒る。豊か
で激しい感情。それこそ僕の欲しかったものだった。それを持った君はとてつも
なく魅力的で、独り占めにしたいと感じた。だから、そうした。それだけさ」
「…ふーん」
「それに、今日もまた一つ、アスカの新しい面を知った。意外とかわいいものが
好きってことさ」
「かわいいものって、なんかあんたに見せたっけ?」
「スカートでハイキックはやめた方がいいね。でないと、かわいいクマちゃんの
パンツが見えてしまうよ」
「……ていっ!」
「ぐはぁっ!裏拳は…反…則……」
【終わり】