レイの心模様

第2話     寂寥


その日もレイは、窓に映るシンジを見ていた

けだるい午後の授業

そんなレイに思いもよらない事が起こった

シンジがネルフに呼び出されたのだ

自分は呼び出されていない、これは如何言うことなのか

だが、それよりももっと重要な異変が起こっていた

レイが自分を襲う感情に困惑しているのだ

シンジが居なくなった事に切なさを感じる

シンジが居なくなった事に胸が苦しくなる

シンジが居なくなった事に涙が出そうになる

そんな感情を一纏めにして何といえば言いのか分からない

そんな感情に翻弄されるレイは思わず呟いた

「・・・この感じは・・・何?」

余りにも小さな呟きだった為に、殆ど誰もが気づかなかった

だが、一人だけ気づいた者が居た、ヒカリだ

ヒカリが何か話し掛けてくるが、答える必要は無いと判断したレイはそのまま思考の海へ沈んでいった

それは、レイが初めて行った己の感情を理解する為の行動

それが今の己から脱する一つの楔となった





学校が終わると、レイは急いでネルフ本部へと向かった

この胸の中に沸き起こる感情を抑えるためにはシンジの傍に居るのが一番良いと思ったから

今までの、他人に興味を示さなかった少女には考えられない行動

レイの変化の兆しを示す一つの形が今現れた

本部に着いたレイは、発令所に向かわず更衣室に向かった

更衣室前で鉢合わせるシンジとレイ

レイの目に飛び込んでくるのは驚いた表情のシンジ

驚きの表情がやがて笑顔に変わる

シンジの笑顔に安堵するレイ

そんな自分の心にまたしても戸惑うレイ

何かを感じて目を前に向けると、手があった

それはシンジの手

レイはその手に恐る恐る手を重ねる

シンジに連れられるように歩き出すレイ

その心は、困惑と安堵・嬉しさに満たされる

シンジの暖かい手に触れることによってレイは、シンジとの絆を感じた

それはレイの錯覚かもしれなかったが、今はその事に満足している

学校で感じた様々な感情が、シンジと会う事で消えていた

レイが考えていた通りに・・・

レイは思う、シンジの傍にいる事が、あの不可解な感情を感じないための唯一の手段なのだと

新たな一歩を踏み出したレイ、その心は未だ、成長を始めたばかり・・・


後書き


タッチです

レイの心模様第2話です

巧くレイの寂しさが表現できていたでしょうか?

こう言う書き方だとやはり文が短くなってしまいますね・・・(汗

次は、彼女の来日です

さて、どんな感情がレイを待ちうけているのか(笑

第三話お楽しみに



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