レイは、料理をしているシンジの姿をじっと見つめている
何処か暖かく、何か叫び出したくなるようなそんな感情を覚えながら
それは、シンジが教えてくれた嬉しいという感情
ただ、あの時とは比較にならないほどその感情は強かったが・・・
レイは、今日の午後の出来事を振り返る
4時限目が終わると生徒達は、それぞれお弁当と言う御飯やおかず等料理の入った箱を持って仲の良い人達同士で集まる
シンジも、トウジとケンスケの居るところに行って一緒に食事を採る
何時もの風景を見ながら、レイはビタミン剤などの栄養補助食を取り出すと、水を求めて席を立った
その時、レイはシンジに呼び止められた
振りかえると、驚いた表情のシンジが居る
「何?」
シンジの表情に何故か胸苦しくなりつつも、話し掛けられた事を嬉しいと感じたが、なんとか何時も通りの表情を保って問うレイ
そんなレイの態度にしどろもどろになりながらも、シンジは弁当の事について訊ねてきた
今までのレイなら「貴方には関係無いわ」と言って立ち去ってしまっていたのだろうが、今のレイにそれは出来なかった
だからレイは答えた
「赤木博士が、これで生きていくのに十分な栄養は摂取できるからって・・・食事は3食ともこれよ」
と
更に驚愕するシンジに、胸苦しさが強くなる
この前感じたのとは違う、胸を締めつけられるような痛み
だがレイは、そこで信じられないような言葉をシンジから聞いた
だから、レイは笑みを浮かべた
それは、振りかえったシンジが驚き、顔を赤くするほどの綺麗な微笑み
レイにとって今日の放課後は、新鮮で刺激的であった
シンジと共に買い物をして、シンジが作った料理を食べる
初めて食べる食事は、シンジと一緒という事もあってかとても有意義に感じられた
レイは、寝るまで微笑みを絶やさなかった
シンジが帰ってしまった事に切なさを感じはしたが、それ以上にシンジと過ごした時間が、レイに喜びを与えていた
それは、木の成長を促す水や栄養のように、レイの心を成長させる時間となった
後書き
レイの心模様第三話公開です
本当はアスカ来日で、一人残るレイの心理を書こうかと思っていたのですが・・・
この話を入れる事で、シンジがいない事に寂しさだけじゃなく、悲しさをも感じられる様に出来ると思いこの話を書きました
という事で、次はアスカ来日によって一人残るレイの悲しみを書いてみたいと思います
タッチでした