レイの心模様

第6話     焦燥


モニターには波打ち際に姿を現した使徒が映っている

使徒をみつめながら、レイは拳を握り込む

二人が話している所を見るたびに、心が掻き毟られる

二人が笑顔を交わす度に、悲しくなる

自分が、戦いに出られない事でシンジとの間が遠のくように感じる

戦いに出られない事は仕方の無い事

シンジを助けた、シンジに助けられた時の光景が今でも色鮮やかに思い浮かべられる

それは、シンジとの絆を確かめるための一種の儀式

レイ一人だけの神聖な儀式

今までは、戦いに出られない事に申し訳なさは感じたが、しょうがない事と思っていた

だが、今は状況が変わってしまった

自分からシンジを奪い取りかねない少女が出現したからだ

画面には、見事なコンビネーションで使徒を両断した初号機と弐号機が映っている

サブモニターには笑顔を交わす二人が・・・

レイはそんな光景を見て、何故自分はここに居るのかと自問する

そんなレイの耳にシンジの悲鳴が届く

モニターに目を向けるとそこには分裂した使徒によって、海中に突き立てられた初号機の足が映っていた

そんな光景に、シンジを助けられなかったレイは唇を噛み締めた





ビデオによって先程の戦いが繰り返される

その戦闘に対してのE計画責任者のコメントが入る

その言葉に、怒りを覚えるレイ

自分達はただ、傍観していただけに過ぎない

なのにその言葉は何なのだと

副司令が二人に何か言っている

その言葉に俯く二人

更に、司令が二人に問い掛けている

それにぴったり同じ答えを返す二人

レイの胸に痛みが走る

そして、戦いに出られない自分に対して苛立ちが募る

シンジが遠くに行く感じが強く感じられてしまう

早く戦線復帰をしないとと思うレイ

だが、まだ零号機は修理及び改修が済んでいない

その事が、更にレイの苛立ちに拍車をかける

だが、彼女には戦線復帰するための手だてが何ら見つからなかった


後書き


タッチです

三部作パートU、6話 焦燥 です

タイトルは焦燥というより、苛立ちの方が適切な気もしましたが、この際無視します(笑

これで、三部作最後のパートのみです

不安、焦燥ともに、何時もの最後の救いがありませんでしたが、7話であります(笑

しかも、皆さんにやっぱりと言われそうな救いが(爆

と云う事で、7話、お楽しみに

それでは



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