レイの心模様

第7話     嫉妬


レイはぼんやりと窓の外を見ている

あの敗戦から3日、シンジは学校を休んで訓練をしている

あの少女と一緒に・・・

レイは胸に針を刺されるような痛みを感じた

それは彼女が来てから、時々感じる痛み

彼女とシンジが仲良く話しているところを見ると、胸の中にもやもやとしたものが沸き起こる

レイは、そんな感情を持て余していた

だから、窓の外を見る

自分の心の平穏を保つために

レイは、シンジが居ない事を悲しいと思う

シンジに会えない事に胸が締めつけられる感じをいつも感じていた

それが、彼女が来てから更に強くなったのだ

レイはまだ、自分が寂しがっている事に気づいていない

それを悲しみと思っているから





放課後、レイはネルフに向かう

今日は記憶のバックアップを取る日だから

シンジが家に来るようになってから、何時も嫌だと思っていたこの作業も今日は歓迎できた

気分を換える事が出来ると思って・・・

ネルフから帰る時、ゲートにミサトが立っていた

彼女はレイを見つけると微笑みかけて、近寄ってきた

そのまま、ミサトの車に押し込まれるレイ

レイは無表情を保っていた

だが、心の中はこれからシンジに会えるだろう期待でいっぱいだった





ミサトの家でユニゾンの特訓を無表情に見つめるレイ

その視線の先にはシンジとアスカが居る

巧くいっていないのか、アスカとシンジの表情は冴えない

だが、それでもお互いを励まし合い練習をする二人にレイの心の痛みは更に強くなった

そんな時だった、ミサトから声が掛かったのは

レイはその言葉に胸を弾ませる

シンジの横に静かに立つと、音楽のスタートを待った

始まるユニゾン訓練

シンジの心とレイの心が重なる

その心地よさに陶酔しながら踊るレイ

踊り終えたレイの心は昂揚感に包まれる

二人を誉めるミサト、クラスメートも感嘆の溜息を吐いた

その時、アスカが、飛び出すように出ていった

後を追おうと、駆け出そうとするシンジ

それを見たレイは、シンジの腕にしがみつく

そんな自分の行動に驚くレイ

ミサトたちが呆然としているのが分かる

そんなレイの頭を、誰かが撫でた

驚いてシンジを見ると、優しく微笑むシンジの顔が見えた

何となく、くすぐったいような、逃げ出したいような感覚を覚えてシンジの腕を離すレイ

あっという間に飛び出していくシンジ

その後姿をレイは悲しそうに見ていた





二人が帰ってきてからの訓練は、今までの事が嘘だったと思わせる程に息がぴったりと合っているようにレイには見えた

レイの胸の痛みが更に強くなる

その日の訓練後、シンジに送ってもらって帰途につくレイ

その途中、レイは遂にシンジに今の心境を明かした

驚いた様に自分を見るシンジに真摯な目を向けるレイ

シンジの顔に悲しみが宿る

そんなシンジの表情を見たくなくて、先を歩き出すレイ

途端にシンジに抱きしめられた

その暖かさに今までの負の感情が全て溶け出して流されていく様に感じる

そして、シンジの一言に嬉しさがこみ上げてくる





第7使徒との再戦で、見事にユニゾンで勝つシンジとアスカ

レイは心に痛みを感じながらもこれからの事に思いを馳せていた


後書き


タッチです

第7話 嫉妬 です

これで、瞬間、心、重ねての三部作終了です

如何でしたでしょうか?

シンジがレイに言った一言・・・・

お分かりだと思いますが、一応次回お楽しみにと云う事で

それでは




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