マナとシンジの休日

EVA外伝第参話 その3

「(チュ)シンジ、起きて♪」
「(がばっ!)マ、マナ!?何でここにいるの!?」
「えへへ……シンジのお母さんに入れてもらったんだ」
「母さん……」

シンジは天を仰ぐと、自分の母親を呪った。うぶなシンジがキスで起こされたのだ。そのショックはとてつもないものがあった。

「もうしたことあるんだからいいんじゃない」
「そういう問題じゃなくて…」
「まあまあ。それより今日は3連休の最終日だし。どこかに遊びに行こうよ!昨日と一昨日は綾波さん、アスカさんと出かけてたんでしょ?今日ぐらい私とデートしてくれるよね?」
「な、何でそれを!?」

キスまでした仲であるマナがいるのに(アスカともキスはしているのだが)他の女子と2人で遊びに行ったことは一応気にしていたらしい。

「ふふ〜んだ。シンジのことは何でも知ってるもんね〜」
「あ…そう」
「でも、ちょっと寂しかったかな…」
「ご、ごめん」
「良いよ。シンジがほかの人好きだったとしても、私は諦めないからね!」
「あ、あはは……」

シンジの引きつった笑みと乾いた笑い。鈍感なシンジにも分かるほど、マナの周囲からは普段と違ったオーラが出ていた。

(僕、こんなにいろんな人のこと好きになれる人だったんだな…)

人を好きになる、ということがあまりなかったシンジにとって、今の自分が前の自分より良くなったのか、悪くなったのか。判断しかねるところであった。

「考え事してないで早く着替えてよ!今日はたっぷり遊ぶつもりなんだから!」
「あ、ごめん。すぐ準備するから、下で待っててよ」
「ここで着替え見てちゃ駄目?」
「だ、駄目に決まってるでしょ!」
「シンジは私の裸見たことあるのに〜。けち!」
「そ、それとこれとは別問題!」
「ちぇ〜……じゃ、早く来てね。待ってるから」

裸まで見たのに他の女子が気になると幸せ者シンジ。ケンスケやトウジが知ったら袋叩きにあうことは決定的である。

「一応準備できたけど…もう行く?」
「うん!早く行かないと1日が勿体無いから早く行くよ!」
「ちょ、ちょっと待って、どこに行くのさ〜」
「い・い・と・こ♪」
「シンちゃん、遅くなってもいいけど家で寝るようにね〜」
「か、母さん!当たり前のこといわないでよ!!」
「シンジくんお借りしますね〜。それじゃ行ってきま〜す」

シンジは半ば引きづられるようにして家を出て行った。

「3連休全部違う女の子とデートなんて青春を堪能してるわね〜」
「うむ。今しか出来ないことだ」
「貴方、昨日と一昨日のデータと今日のデータをMAGIに送って誰と付き合う可能性が一番高いか調べるように頼んでおいて」
「ああ。すでに赤木くんに頼んである」
「まだ赤木博士と仲が良いのね?」
「ユ、ユイ!それは違うぞ!?」

ユイ相手にはさしものゲンドウもたじたじであった。以外と尻にしかれるタイプらしい。

「くしょん!」
「な〜にリツコ、風邪でもひいたの?それとも誰かが噂してたのかしら?」
「分からないわ…そんなことより、ミサトはシンジくんが誰を選ぶと思う?」
「完全に三つ巴よね〜……誰を選ぶかは分からないけど、シンちゃんがどうなるかなら予想つくわ」
「それは私もよ」

シンジが尻に敷かれる。これだけは決定事項らしい。シンジとゲンドウは変なところで似た親子と言えるかもしれない。

感想を是非霧さんにどうぞ。
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