キーンコーンカーンコーン・・・
「『ペルソナ様』って知ってるか?」
と、この学校で1,2を争う情報通の相田ケンスケがこう言ったのを僕ははっきりと憶えてる。
「知ってる、知ってるー。未来の自分が見えるっていうお呪いでしょ?何か最近流行ってるんだってー。B組にもやった子たちいるってさー」
と相田についで学校内のうわさ話に詳しい霧島マナが答えた。彼女の情報ソースは女の子同士の噂話がメインらしい。
因みに僕も『ペルソナ様』について名前くらいは聞いたことがある。
「それ私も聞きましたー。なんでも『女の子の霊』が現れたらしいですよー」
山岸マユミ、彼女は重度のオカルトマニアでこのての話は異常に詳しい。
「へー、あたしが聞いたのは『金色に光る蝶』が見えたって話だけど?そんな話もあったんだ 。流石マユミねー、その手の話はよく知ってるわね!」
とこれは僕の幼馴染の惣流・アスカ・ラングレー。小学校までは「アスカ」って名前で呼んでたけど、中学になってからは恥ずかしくて「惣流」って呼ぶようになった。だから時々名前で 呼んでしまうことがある。
「いえいえー、惣流さんもよく知ってらっしゃいますねー」
「たまたまよ、偶然人が話してるのが耳に入っただけ。それで相田?その『ペルソナ様』が 一体何だってのよ?」
まあ、惣流も交友範囲広いから知っててもおかしくはない。
「決まってるじゃないか!俺たちもやってみようぜって話さ」
「へえ、面白そうだね。興味に値するな」
と相田に賛同したのは渚カヲル君。
スポーツ万能、頭脳明晰で美少年と三拍子そろっているが、言動が少し怪しい・・・。
「こらっ!相田!渚君も!何馬鹿なこと言ってんのよ!私たちは文化祭の準備に来たんでしょ!遊んでる暇なんかないのよ!」
と、すかさず注意するのは我が2−Aのクラス委員の洞木ヒカリ。
彼女は真面目で先生からの信頼も厚く、いつも暴走する僕らの押さえ役をしてくれる頼れる委員長だ。2−Aで彼女に頭が上がるものはいない。
惣流や綾波でさえ例外ではなく、彼女の前ではおとなしくなる。
「そうそう委員長の言う通りだよ相田、早いところ片付けて帰ろうよ」
そう僕たちは授業中に騒ぎを起こした罰としていつものメンバーで文化祭の準備をしに空き教室に来ていた。
「そやそや!早よ終わらして、お好み焼きでも食いに行こうやないか」
この少し怪しい関西弁を話す黒ジャージの男は鈴原トウジ。
親は関西出身だが彼が生まれた頃にはもうこっちに引っ越していたので言葉も混ざってしまって変な関西弁になっている。
「そうよ!それに、第一そんなものやったって何も起こらないわよきっと」
「いやそうとは限らないかもよ?調べたところ結構何かを見たとか、不思議な体験をしたとか多いんだよ。だからさ、何か起こるか試しにやってみようぜ」
「私も興味ありますねー。一回くらいやってみたいですー」
「…時間の無駄」
綾波レイは相変わらずぶっきらぼうだ。それでも男子には絶大な人気があるらしい。
「私も反対!くっだらないったらありゃしない!」
「ふっ怖いのかい?惣流君?意外と繊細だったんだね君も」
「はっ、笑わせるわね。誰が怖いって?いーわ!やってやろうじゃないの。その代わり、何も起こらなかったら帰りにいつもの所でケーキセット奢りなさいよ!」
「ちょ、ちょっとアスカ何言ってるのよ!」
「だーいじょぶよヒカリ。どーせこんなの何も起こるわけないんだから!それにすぐ終わるわよ。その後準備すれば良いでしょ」
(ハア、また始まったよ)
「何か言った?バカシンジ!」
「い、いや何も言ってないよ!」
(相変わらずの地獄耳なんだから)
「ま、とにかく何か起こるっていう意見の奴は俺以外誰がいる」
「私もですー」
「僕も何か起こると思うな。ペルソナ、神秘的な響きがするね。そうは思わないかい?シンジ君」
「まーたナルシスホモが始まった!いい加減シンジにちょっかい出すの止めなさいよ!」
「フッ、嫉妬しているのかい?僕とシンジ君の仲に」
「あーもうナルシスホモは黙ってなさいよ!それで何も起こらない派は?」
「こんなん何も起こらんのとちゃうか」
「わ、私も何も起こらないと思うなー」
「マナも起こらない気がするな。何か起こって欲しいとは思うけどさ。綾波さんは?」
「…碇君に従う」
「アンタ馬鹿ぁ?それぐらい自分で決めなさいよ!いつもいつもシンジの言うことにばっかしたがってないでさ!」
「…じゃあアナタの反対」
「くっ、いちいちむかつくわねー。で?シンジはどっちなの?とーぜん答えは決まってるわよね ?」
(うっアスカ怖いよ)
「…碇君は私と一緒」
(綾波も・・・)
「何馬鹿なこと言ってるのよ!」
「あ、あのさ本当にやるの?」
「あんた何今頃言ってるのよ!もうとっくの昔にやるって決まってるのよ!!さあどっちなの ?」
「碇君、私と一緒よね?」
(あ、綾波までーシクシク)
「わ、わかったよ。えっと、じゃあ僕も何か起こるほうで良いよ」
「シ・ン・ジ?何て言ったのかしら?よく聞こえなかったんだけれど」
「フッ、猿には人間の言葉がわからないようね。碇君は私と一緒と言ったの」
「ムキーー!何ですって!!」
「そ、惣流、落ち着いて」
「そうそう落ち着けよ、惣流。まあ取り敢えずこれで賭けは成立だな。負けたほうが勝ったほうに加持さんの店でケーキセットを奢るということで。ちょっと人数に偏りがあるけどしょーがないないか」
「それじゃあ始めようか?ところでその『ペルソナ様』という遊びは一体どうやるんだい?」
「それはですねー。いたって簡単で、まず電気を消して暗くして教室の四隅に一人づつ立つんです。それから『ペルソナ様、ペルソナ様おいで下さい』とお呪いを唱えながら、隅から隅へ一人づつリレーして移動するんです」
「でもさーそうすると最初の一人がいた所には誰もいなくなっちゃって続かなくなるんだけどいいの?マユミちゃん?」
「ええ、それでですねー、その最初の一人がいた所に『ペルソナ様』が現れるんだそーです」
「ふーんマユミあんたよく知ってるわねー」
「でもこれって、結構古くからあるらしいですよー。ミサト先生が学生の頃も流行ったって言ってましたからー」
「ま、いいから早くやってみようよー時間無くなっちゃうよ」
「そうね、じゃ早くやりましょ。ほら鈴原・相田・カヲル・シンジ早くしなさいよ」
「えっ、僕がやるの?」
「当然でしょ?あんた何か起こるほうに賭けたんだから」
「う、うんわかったよ」
「俺はやるほうじゃなくて記録するほうにまわりたいんだけど」
「それじゃあ私が参加しますね」
その後順番でまた少し揉めたんだけど(やっぱり最後は嫌だよね)結局鈴原、山岸、渚君、僕の順番でやることになった。
「『ペルソナ様』、『ペルソナ様』来とくんなはれ」
「『ペルソナ様』、『ペルソナ様』おいで下さい」
「『ペルソナ様』、『ペルソナ様』いらっしゃい歓迎するよ」
「『ペルソナ様』、『ペルソナ様』来て下さい」
そう言いながら僕たちは一人づつ順番に移動していって四人目の僕は最初に鈴原がいた、誰もいない隅に歩いていったんだ。
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
3分くらい無言で待ってたけど何も起こる気配はなかった。
「あ、あれ?変だな?」
「何よやっぱり何も起こらないじゃない。馬っ鹿みたい。まあいいわ、さあ約束通りケーキセ ット奢ってもらうわよ」
「え、ちょ、ちょっと待ってくれよ!もう1回だけやらせてくれよ」
「何よ!?男らしく負けを認めてケーキセット奢りなさいよ!!」
そのとき僕はまた始まったかと思いながら二人から目をそらしたんだ。
その次の瞬間…
「そ、惣流、相田?」
「「何(だ)よ!」」
ゴスッ!ボクッ!
シンジ :・・・お疲れ様で〜す。ペルソナエヴァ、略してペルエヴァの第1話でした。
アスカ :しかし短いわね〜!しかも私が全然活躍してないじゃないの〜。作者は何処に行ったのよ!?
レイ :仕方ないわ「ペルソナ」をやったことがある人ならわかると思うけど、此処でストーリー的に丁度区切りがつくし。主役は碇君らしいし(ポッ)
ヒカリ :作者なら次回の台本作るからって帰ったわよ。「司会進行を碇君に任せる」って言ってたわよ
アスカ :何で私が主役じゃないのよ〜!あの男には一遍世の中の仕組みというものを教えてあげなくちゃならないよーね
ケンスケ:「ペルソナ」は主人公の性別を選べないゲームだから仕方ないだろう?我慢しろよ 、それに今回は一番目立ってただろ?
マナ :そうだよ〜私なんかセリフ殆どなかったんだよ!
ヒカリ :私もよ!・・・流石に9人もいると出番が減るわね
アスカ :大体何で技術もないくせに9人同時に出すのよ!
ヒカリ :作者も初めて書くから・・・記念っていうのもあるし、色々やってみたいことだらけの時期なのよ。わかってあげなきゃ!
マナ :そーそー、それに最近は忙しくてこんな機会でもないとみんなに会えないじゃない?
マユミ :でもこれからは9人全員というのは少ないそうですよ。今回大変だったらしいですから。次回からはグループ毎に行動するみたいです。
アスカ :ふ〜ん、まあ、いいけど。ところでさっきからシンジたちが静かだけど、何してるの?
トウジ :ああ、差し入れもろうたんでな。ほんま作者はええやっちゃの〜。少しくらい作品に出番が少のうても差し入れがあれば許したるわ!
シンジ :そうだね〜アスカも食べれば?美味しいよピザ
アスカ :アンタね〜司会進行なんだからちゃんとやりなさいよ!
シンジ :いや、アスカの方が適任だからね〜あっ、トウジ、ピザ全部食べないでよ!
アスカ :・・・まあいいわそれじゃ今回はこれくらいでいいわね(喋ってたら全部食べられち ゃうわ!)ヒカリ!後は任せたわ・・・こら〜あたしの分も取っときなさいよー!
ヒカリ :まったくアスカも仕様がないんだから・・・。ねえ相田君、次回はどうなるの?
ケンスケ:次回はシンジがメインということしか聞かされてないんだよ。まだ台本できてないみたいで・・・
ヒカリ :ふ〜ん。それじゃマナちゃんとマユミさんたちは今回の作品に関して何かある?
マナ :そうね〜やっぱりシンジとラヴラヴな話を希望するわ!
マユミ :まだ碇君のことあきらめてなかったんですか?碇君とレイさんが付き合い始めてもう 3ヶ月ですよ?
マナ :シンジ〜!!
ヒカリ :(無視して)そういえばカヲル君は?
ケンスケ:「楽屋」開始と同時に綾波と惣流にやられて気絶してる・・・
ヒカリ :そ、そう・・・まあ、いいわ。それじゃあ次回も・・・
サービス!サービス!
うーむ。実は第1話と第2話分けるかどうか考えたんですが、分けました。
なので次回はもっ と短いです。すいません。
その分続きを早く書きますので許してください。
こんな小説でも読 んでくれた方に感謝します。
この作品に関するご意見ご感想をお待ちしてます。