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LRSアンソロジー『calm days』&書籍版覆面企画『おでかけざんまい』
件名 | : Re: LRSアンソロジー『calm days』&書籍版覆面企画『おでかけざんまい』 |
投稿日 | : 2023/05/04(Thu) 23:24 |
投稿者 | : tamb |
参照先 | : |
素顔のままで/tamb
『calm days』所収
自作語りです。
この話は、気づいてる人は少ないかもだけど、はるか昔に掲示板にぶん投げて放置してた「Just the Way You Are」という連作に連なる話です。「Just the Way You Are」というのはビリー・ジョエルという人の楽曲タイトルで、邦題が「素顔のままで」だと、そういう流れです。
参考リンク。1が
http://ayasachi.sweet-tone.net/cgi-bin/bbs4c/read.cgi?mode=view2&f=421&no=1
2が
http://ayasachi.sweet-tone.net/cgi-bin/bbs4c/read.cgi?mode=view2&f=481&no=1
十年以上前だよ!
読まなくてもいいですが、ま、リンク貼ってるってことは読めってことなんですけど、要するに微エロ路線です。仲良しですね。
レイがシンジ以外の誰かに恋をするって発想は当時からあって、少しだけ書いてあったんですが、微エロにはならないので止めたって感じですかね。たぶん。なにぶんにも十年以上前の話なんで覚えてません。
そういうわけで、二人が進学したのは「第二東京海洋大学」なる大学です。なのでジャック・マイヨールとかが出てくるわけです。この辺がやや言葉足らず。
他に語ることはあんまりないです。話の中(と後書き)に全部書いてる。レイが失恋するっていうのは大人になるための儀式でも通過儀礼でも好きなように捉えてくれればいいかと。ラストのたぬきそばは20周年のアレ。
語ることはないとか書いたばっかですが、ちょっと蛇足を。普通であるというのがどういうことかは難しいです。14際の子供がエヴァに乗って使徒と闘うというのはどう考えても普通ではないですが、エヴァと使徒というのを抜かして世界中を見渡せば、稀有な話ではないです。もちろん悲惨な話で、止めたいと誰もが思うでしょうし、当然ながら普通と言ってはいけないことです。
東京ドームのステージに立って演奏するというのも普通ではないでしょう。同人誌を作って売るというのはどうでしょうか。誰しもがその人にしか出来ない経験をして大人になっていくわけで、同人誌は大人になってからも売り捌くことはあるかと思いますが、要するに普通であろうがなかろうが、幸せでさえあれば良いのです。
一方で彼が彼女にとって、あるいは彼女が彼にとって特別な存在なのは言うまでもないことです。だから特別でいいのです。スペシャルで。そういう想いは、込めたつもりです。後書きも込みで。普通という概念はなるべく幅広く持ちましょう。なるべくね。その上での「特別」です。
まぁこんだけ書いてもさあ読むかっていって読めないのがアレですが、まだ在庫はあるようなので下記よりお買い求めくださいませ。そのうち再録もします。そのうちね。
https://shien2136.booth.pm/items/4409411
『calm days』所収
自作語りです。
この話は、気づいてる人は少ないかもだけど、はるか昔に掲示板にぶん投げて放置してた「Just the Way You Are」という連作に連なる話です。「Just the Way You Are」というのはビリー・ジョエルという人の楽曲タイトルで、邦題が「素顔のままで」だと、そういう流れです。
参考リンク。1が
http://ayasachi.sweet-tone.net/cgi-bin/bbs4c/read.cgi?mode=view2&f=421&no=1
2が
http://ayasachi.sweet-tone.net/cgi-bin/bbs4c/read.cgi?mode=view2&f=481&no=1
十年以上前だよ!
読まなくてもいいですが、ま、リンク貼ってるってことは読めってことなんですけど、要するに微エロ路線です。仲良しですね。
レイがシンジ以外の誰かに恋をするって発想は当時からあって、少しだけ書いてあったんですが、微エロにはならないので止めたって感じですかね。たぶん。なにぶんにも十年以上前の話なんで覚えてません。
そういうわけで、二人が進学したのは「第二東京海洋大学」なる大学です。なのでジャック・マイヨールとかが出てくるわけです。この辺がやや言葉足らず。
他に語ることはあんまりないです。話の中(と後書き)に全部書いてる。レイが失恋するっていうのは大人になるための儀式でも通過儀礼でも好きなように捉えてくれればいいかと。ラストのたぬきそばは20周年のアレ。
語ることはないとか書いたばっかですが、ちょっと蛇足を。普通であるというのがどういうことかは難しいです。14際の子供がエヴァに乗って使徒と闘うというのはどう考えても普通ではないですが、エヴァと使徒というのを抜かして世界中を見渡せば、稀有な話ではないです。もちろん悲惨な話で、止めたいと誰もが思うでしょうし、当然ながら普通と言ってはいけないことです。
東京ドームのステージに立って演奏するというのも普通ではないでしょう。同人誌を作って売るというのはどうでしょうか。誰しもがその人にしか出来ない経験をして大人になっていくわけで、同人誌は大人になってからも売り捌くことはあるかと思いますが、要するに普通であろうがなかろうが、幸せでさえあれば良いのです。
一方で彼が彼女にとって、あるいは彼女が彼にとって特別な存在なのは言うまでもないことです。だから特別でいいのです。スペシャルで。そういう想いは、込めたつもりです。後書きも込みで。普通という概念はなるべく幅広く持ちましょう。なるべくね。その上での「特別」です。
まぁこんだけ書いてもさあ読むかっていって読めないのがアレですが、まだ在庫はあるようなので下記よりお買い求めくださいませ。そのうち再録もします。そのうちね。
https://shien2136.booth.pm/items/4409411
件名 | : Re: LRSアンソロジー『calm days』&書籍版覆面企画『おでかけざんまい』 |
投稿日 | : 2023/03/12(Sun) 23:30 |
投稿者 | : tamb |
参照先 | : |
私達は、ここで生きたい/お魚徹甲
『calm days』所収
作者はいったいいくつなんだろう、と思う。若々しさと、老成したというか熟練の味を同時に見せる不思議な文体は、頻繁な視点の移動も相まって決して読みやすいわけではないけれど、かといって読みにくいわけでもない。これも不思議な感覚。
視点移動の多さは、最後まで読めばその意図がわかる。一定の効果は生んでいると思える。なるほどな、という感じ。
前にもどこかで書いた気がするが、メロンソーダというのはかつてはクリームソーダと呼んでいたはずで、幼少の頃の私は大好きだった。メロン色でメロンぽい味がするが、名称のどこにもメロンが入っていないのが不思議だった。
クリームソーダはアイスを入れていないとクリームソーダではないらしく、その点でメロンソーダとは違うものらしい。ならばメロンソーダフロートとでも言えば良いと思うのだが、まぁどうでもいい話ではある。
シンジ君がこの、果汁100%的な飲み物から最もかけ離れた物を選択した理由に興味が湧くが、それは無粋というものだろう。
女の子の髪型は、似合ってれば基本的になんでもOKなのだが、それはともかくとしてポニテは好きだ。それから短めの髪でツインテというか二つ結びも好きなのだが、個人的嗜好を披露しても仕方がない。レイちゃんに似合うかは微妙な気がするけど、一度見てみたいとは思う。
もっと別の綾波、という文がさらりと出てくるところにぞくりとする。彼は既に消化したということなのだろうか。あるいはその逆か。
レイは間接キスとかあまり気にしないイメージはある。特に相手がシンジなら。ルージュも引いてはいないだろう。男の子はドキドキするけどね。
日常とは逸脱と驚きの繰り返しで、いつかはその逸脱も日常になる。そしてまた逸脱が訪れて、そうして少年も少女も少しずつ大人になってゆくのだけれど、その歩みの新鮮さみたいなものは、くすぐったさも含めてよく表現されてると思う。
どこまで歩いたか、妄想が膨らむのは事実だけどねw
『calm days』所収
作者はいったいいくつなんだろう、と思う。若々しさと、老成したというか熟練の味を同時に見せる不思議な文体は、頻繁な視点の移動も相まって決して読みやすいわけではないけれど、かといって読みにくいわけでもない。これも不思議な感覚。
視点移動の多さは、最後まで読めばその意図がわかる。一定の効果は生んでいると思える。なるほどな、という感じ。
前にもどこかで書いた気がするが、メロンソーダというのはかつてはクリームソーダと呼んでいたはずで、幼少の頃の私は大好きだった。メロン色でメロンぽい味がするが、名称のどこにもメロンが入っていないのが不思議だった。
クリームソーダはアイスを入れていないとクリームソーダではないらしく、その点でメロンソーダとは違うものらしい。ならばメロンソーダフロートとでも言えば良いと思うのだが、まぁどうでもいい話ではある。
シンジ君がこの、果汁100%的な飲み物から最もかけ離れた物を選択した理由に興味が湧くが、それは無粋というものだろう。
女の子の髪型は、似合ってれば基本的になんでもOKなのだが、それはともかくとしてポニテは好きだ。それから短めの髪でツインテというか二つ結びも好きなのだが、個人的嗜好を披露しても仕方がない。レイちゃんに似合うかは微妙な気がするけど、一度見てみたいとは思う。
もっと別の綾波、という文がさらりと出てくるところにぞくりとする。彼は既に消化したということなのだろうか。あるいはその逆か。
レイは間接キスとかあまり気にしないイメージはある。特に相手がシンジなら。ルージュも引いてはいないだろう。男の子はドキドキするけどね。
日常とは逸脱と驚きの繰り返しで、いつかはその逸脱も日常になる。そしてまた逸脱が訪れて、そうして少年も少女も少しずつ大人になってゆくのだけれど、その歩みの新鮮さみたいなものは、くすぐったさも含めてよく表現されてると思う。
どこまで歩いたか、妄想が膨らむのは事実だけどねw
件名 | : Re: LRSアンソロジー『calm days』&書籍版覆面企画『おでかけざんまい』 |
投稿日 | : 2023/02/20(Mon) 22:45 |
投稿者 | : tamb |
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いとしいきみと/史燕
『calm days』所収
何度も書いていることだけれど、私は大藪春彦というハードボイルド作家を敬愛している。同意する人は少ないかもしれないけれど、強い影響下にあると私自身は思っている。確か五木寛之に、こんなに書いているのにあんまり文章が上手くならないのが凄いとか言われてた気がするが、まぁそれはそれ。
大藪春彦は細かいディテールにこだわるという特徴があって、例えば馬の蹄鉄が石に当たって火花が散る、という所まで書く。これは想像だけではなかなか書けない。実体験がものを言う部分である。それがリアリティを増しているのは間違いない。
冒頭の料理の場面は、そういうことなのではないかと思う。ここまで詳しく書く必要があるかと言えば、必ずしも必要ではないだろう。だが絵は浮かぶ。それは物語の深みに繋がる。その意味では、やはり必要だと言えるのかもしれない。いずれにしろ私には書けないシーンではある。
例えば水着姿を彼氏に見られるのは恥ずかしいけれど、全然知らない人に見られるのはなんとも思わない、という女の子がいた。作中でのレイは、シンジにならだらしない姿を見られても構わないと思っている。どちらの気持ちもわかるようなわからないような、という感じではあるけれど、コインの裏表かなという気もする。
そう言えばレイの寝起きが悪いのは定石のひとつで、私の書くレイも寝起きは悪い。というか寝ぼけていることが多い。寝癖なのかアホ毛なのかはあれだが、そのままウロウロしてるのも、まあかわいいわな。
スーツを着てキリリはミサトさんですな。
週一でレントゲンを含めた検査というのは客観的に見れば明らかに過剰で、彼女の身体の弱さがうかがえる。だが極端に心配している様子はない。それは、文字通りそれが日常であるということもあるだろうし、か弱い女の子の範疇にたどり着いた、ということでもあるだろう。子供が欲しいと思えるくらいの体調に、ようやくたどり着いた。
好きな人の子供を産み育てるということだけが女性の幸せだとはさすがに思わないけれど、選択肢の一つとしてあるのは普遍的だと思う。それを選択肢の一つとして取り得るというのは、やはり前進なのだろう。
そんな風に、あるかもしれない将来、希望を取り止めもなく語れる日常というのは、やはり美しいと思う。
そんな風に、愛しいひとと歩いてゆける日常というのは、幸せという言葉がよく似合うのだろう。
焦らすゆっくり、一緒に歩いて、かけがえのない日常を楽しんで欲しい。
そんな事を思わせるお話でした。
『calm days』所収
何度も書いていることだけれど、私は大藪春彦というハードボイルド作家を敬愛している。同意する人は少ないかもしれないけれど、強い影響下にあると私自身は思っている。確か五木寛之に、こんなに書いているのにあんまり文章が上手くならないのが凄いとか言われてた気がするが、まぁそれはそれ。
大藪春彦は細かいディテールにこだわるという特徴があって、例えば馬の蹄鉄が石に当たって火花が散る、という所まで書く。これは想像だけではなかなか書けない。実体験がものを言う部分である。それがリアリティを増しているのは間違いない。
冒頭の料理の場面は、そういうことなのではないかと思う。ここまで詳しく書く必要があるかと言えば、必ずしも必要ではないだろう。だが絵は浮かぶ。それは物語の深みに繋がる。その意味では、やはり必要だと言えるのかもしれない。いずれにしろ私には書けないシーンではある。
例えば水着姿を彼氏に見られるのは恥ずかしいけれど、全然知らない人に見られるのはなんとも思わない、という女の子がいた。作中でのレイは、シンジにならだらしない姿を見られても構わないと思っている。どちらの気持ちもわかるようなわからないような、という感じではあるけれど、コインの裏表かなという気もする。
そう言えばレイの寝起きが悪いのは定石のひとつで、私の書くレイも寝起きは悪い。というか寝ぼけていることが多い。寝癖なのかアホ毛なのかはあれだが、そのままウロウロしてるのも、まあかわいいわな。
スーツを着てキリリはミサトさんですな。
週一でレントゲンを含めた検査というのは客観的に見れば明らかに過剰で、彼女の身体の弱さがうかがえる。だが極端に心配している様子はない。それは、文字通りそれが日常であるということもあるだろうし、か弱い女の子の範疇にたどり着いた、ということでもあるだろう。子供が欲しいと思えるくらいの体調に、ようやくたどり着いた。
好きな人の子供を産み育てるということだけが女性の幸せだとはさすがに思わないけれど、選択肢の一つとしてあるのは普遍的だと思う。それを選択肢の一つとして取り得るというのは、やはり前進なのだろう。
そんな風に、あるかもしれない将来、希望を取り止めもなく語れる日常というのは、やはり美しいと思う。
そんな風に、愛しいひとと歩いてゆける日常というのは、幸せという言葉がよく似合うのだろう。
焦らすゆっくり、一緒に歩いて、かけがえのない日常を楽しんで欲しい。
そんな事を思わせるお話でした。
件名 | : Re: LRSアンソロジー『calm days』&書籍版覆面企画『おでかけざんまい』 |
投稿日 | : 2023/02/12(Sun) 00:04 |
投稿者 | : tamb |
参照先 | : |
大切なこと/レイカ
『calm days』所収
こういうすれ違いは難しいなと思うけど、ぶっちゃけた話が二人ともとてもかわいい。こんなの喧嘩するような話じゃないんだよと思うけど、こういう感覚は男女の壁を乗り越えるのは困難なのかもしれない。まさに、彼女とは彼方の女と書く、の言葉通り。年頃の女の子が私の下着とお父さんの下着を一緒に洗濯しないでというのとはまた違う感覚なんだろうし、妄想だけれど、私のパンツと彼のパンツが洗濯機の中で一緒にくるくる、にトキメキを覚えたりする女の子がいるかもしれない。そんなのは人それぞれだ。外野がとやかく言う話じゃない。
シンジ君も洗濯機にぶち込む時に気づかなねえかなとか思うけど、いずれにしても話の本質はそこにはない。
仲直りの方法は月並みなもので、今まではどうしてたんだろうと考えると際限なく深読みはできるけれど、それは無粋というものかな。
でもたぶん、二人が仲良くしていたいという意思があればそれでいいっていう、そういうことなんじゃないかなと思う。その意味では、すれ違いのテーマに選んだ題材の巧妙さが光る。そんな作品でございました。
『calm days』所収
こういうすれ違いは難しいなと思うけど、ぶっちゃけた話が二人ともとてもかわいい。こんなの喧嘩するような話じゃないんだよと思うけど、こういう感覚は男女の壁を乗り越えるのは困難なのかもしれない。まさに、彼女とは彼方の女と書く、の言葉通り。年頃の女の子が私の下着とお父さんの下着を一緒に洗濯しないでというのとはまた違う感覚なんだろうし、妄想だけれど、私のパンツと彼のパンツが洗濯機の中で一緒にくるくる、にトキメキを覚えたりする女の子がいるかもしれない。そんなのは人それぞれだ。外野がとやかく言う話じゃない。
シンジ君も洗濯機にぶち込む時に気づかなねえかなとか思うけど、いずれにしても話の本質はそこにはない。
仲直りの方法は月並みなもので、今まではどうしてたんだろうと考えると際限なく深読みはできるけれど、それは無粋というものかな。
でもたぶん、二人が仲良くしていたいという意思があればそれでいいっていう、そういうことなんじゃないかなと思う。その意味では、すれ違いのテーマに選んだ題材の巧妙さが光る。そんな作品でございました。
件名 | : Re: LRSアンソロジー『calm days』&書籍版覆面企画『おでかけざんまい』 |
投稿日 | : 2023/02/05(Sun) 21:16 |
投稿者 | : tamb |
参照先 | : |
書き込みはいつでも大歓迎です。
にぎやかしでも何でもOKでございますー。
というか、感想の書き込みにクオリティも何もないとマジで思います。
私なんざ時にエッセイじみたことを書くことすらある! 読んでそう思ったのだからそう思ったことをそのまま書くのだw
つか、『calm days』と『おでかけざんまい』のスレなのだから、どちらに収録されてる話なのかは書くべきだったな……。
にぎやかしでも何でもOKでございますー。
というか、感想の書き込みにクオリティも何もないとマジで思います。
私なんざ時にエッセイじみたことを書くことすらある! 読んでそう思ったのだからそう思ったことをそのまま書くのだw
つか、『calm days』と『おでかけざんまい』のスレなのだから、どちらに収録されてる話なのかは書くべきだったな……。
件名 | : Re: LRSアンソロジー『calm days』&書籍版覆面企画『おでかけざんまい』 |
投稿日 | : 2023/02/05(Sun) 11:29 |
投稿者 | : れい |
参照先 | : |
書き込み失礼します。
【LRS覆面企画 おでかけざんまい収録】
『Confession』レイカ
冒頭から、舞台が史燕さんの喫茶店であることや明かされない客、二人きりのシンジとアスカなど、多くの疑問符が浮かびます。序盤の情報開示が少ない構成で、これらの疑問と解答への期待を抱えたまま、この短編の世界に惹き込まれていく感覚が楽しいです。
言及したい部分を抜き出して都度感想を書く手法をよく取りますが、今回の話の場合、シンジくんが去ってからのマスターとアスカのやり取りがもう全文好きです。コーヒーの交換からお御籤クッキーのくだりまで、鮮やかな展開と描写で、二人のキャラクターがより魅力的に見えます。マスターの口調も、違和感なくトレースされていて驚きました。何より、私はレイカさんの書くアスカがとても好きです。
同じ書き出しから始まる、史燕さんの定番喫茶店シリーズですが、作者さんが変わることでまた違った色が出る点が面白いと思います。他作者さんの作風に寄せて書く試みは覆面企画ならではのものですし、史燕さんの仰っていた、テーマを同一にしたり自分の癖を隠そうとすればするほど、隠しきれない作者さんの魅力や“らしさ”が際立つ企画の性質を体現したものになっていると思います。
作者さんから許可をいただき、twitterと同じ内容になりますが、書き込ませていただきました。背中を押していただいた史燕さん、レイカさんに再度この場で感謝を述べさせていただきます。
【LRS覆面企画 おでかけざんまい収録】
『Confession』レイカ
冒頭から、舞台が史燕さんの喫茶店であることや明かされない客、二人きりのシンジとアスカなど、多くの疑問符が浮かびます。序盤の情報開示が少ない構成で、これらの疑問と解答への期待を抱えたまま、この短編の世界に惹き込まれていく感覚が楽しいです。
言及したい部分を抜き出して都度感想を書く手法をよく取りますが、今回の話の場合、シンジくんが去ってからのマスターとアスカのやり取りがもう全文好きです。コーヒーの交換からお御籤クッキーのくだりまで、鮮やかな展開と描写で、二人のキャラクターがより魅力的に見えます。マスターの口調も、違和感なくトレースされていて驚きました。何より、私はレイカさんの書くアスカがとても好きです。
同じ書き出しから始まる、史燕さんの定番喫茶店シリーズですが、作者さんが変わることでまた違った色が出る点が面白いと思います。他作者さんの作風に寄せて書く試みは覆面企画ならではのものですし、史燕さんの仰っていた、テーマを同一にしたり自分の癖を隠そうとすればするほど、隠しきれない作者さんの魅力や“らしさ”が際立つ企画の性質を体現したものになっていると思います。
作者さんから許可をいただき、twitterと同じ内容になりますが、書き込ませていただきました。背中を押していただいた史燕さん、レイカさんに再度この場で感謝を述べさせていただきます。
件名 | : Re: LRSアンソロジー『calm days』&書籍版覆面企画『おでかけざんまい』 |
投稿日 | : 2023/01/29(Sun) 19:24 |
投稿者 | : tamb |
参照先 | : |
隣の風景/はるさきのへび
普通に摂津が嫌な奴だよな(笑)。
今どき、という前提を入れれば、男女の上司と部下が二人で飲みに行くとか有り得ないと思うんだけど、どうなんだろう。少なくとも私の周りでは無い。
ただ、摂津氏が単にレイを口説こうとしているなら、頭から否定するのは難しい話になる。好きになったら彼氏がいるかどうかは関係ないというか、彼氏がいるとわかってても好きになってしまうことはあるわけだし。だとすれば冒頭二人で現れたシーンは宣戦布告になるわけだ。
女性側に全くその気がないなら、私を性的な目で見ない男マジ貴重ってな話になるんだろうけど、まぁ普通に断ればよろしいでしょう。
一方の初瀬さんはもう少し、というよりはっきりとストレート。まあかわいいと言えばかわいい。これもシンジの側に「二人で行くのか」という躊躇があってしかるべきだけど、レイもそうだけれどこれが若さというものなのかもしれない。あるいは幼さと言ってもいいかもしれない。
で、ちょっとストップ、となると。なってもらわないと困るわけだが。
お互いに後ろめたさを抱えつつも「会いたい」になるところがかわいいよなー。ま、部屋に行って溶けるほどちゅーしてどんとはらいどんとはらい、ということでよろしいのではないでしょうか。しかしお互いモテるんだといろいろ面倒ですなー。
133p後半、不燃質。意味はなんとなくわかるけど、こういう使い方は初見で、斬新な気がする。
「お皿……でか…」が異常にかわいい。こういうのすきw
普通に摂津が嫌な奴だよな(笑)。
今どき、という前提を入れれば、男女の上司と部下が二人で飲みに行くとか有り得ないと思うんだけど、どうなんだろう。少なくとも私の周りでは無い。
ただ、摂津氏が単にレイを口説こうとしているなら、頭から否定するのは難しい話になる。好きになったら彼氏がいるかどうかは関係ないというか、彼氏がいるとわかってても好きになってしまうことはあるわけだし。だとすれば冒頭二人で現れたシーンは宣戦布告になるわけだ。
女性側に全くその気がないなら、私を性的な目で見ない男マジ貴重ってな話になるんだろうけど、まぁ普通に断ればよろしいでしょう。
一方の初瀬さんはもう少し、というよりはっきりとストレート。まあかわいいと言えばかわいい。これもシンジの側に「二人で行くのか」という躊躇があってしかるべきだけど、レイもそうだけれどこれが若さというものなのかもしれない。あるいは幼さと言ってもいいかもしれない。
で、ちょっとストップ、となると。なってもらわないと困るわけだが。
お互いに後ろめたさを抱えつつも「会いたい」になるところがかわいいよなー。ま、部屋に行って溶けるほどちゅーしてどんとはらいどんとはらい、ということでよろしいのではないでしょうか。しかしお互いモテるんだといろいろ面倒ですなー。
133p後半、不燃質。意味はなんとなくわかるけど、こういう使い方は初見で、斬新な気がする。
「お皿……でか…」が異常にかわいい。こういうのすきw
件名 | : Re: LRSアンソロジー『calm days』&書籍版覆面企画『おでかけざんまい』 |
投稿日 | : 2023/01/23(Mon) 22:11 |
投稿者 | : tamb |
参照先 | : |
そんな日も、日常/ADZ
昨今のライトノベル事情には疎い、というより全くわからないのだけれど、ライノベのイメージって私にとってはこんな感じ。つまり、適度な文体の軽さと読みやすさ。これは真面目に追求しようとすると結構難しい。そして、じゃあライノベとは何かという問題に立ち入ると、そのレーベルから出てればそうだとしか言いようがなくなるらしい。コバルト文庫から出てた山尾悠子の「オットーと魔術師」なんか、そんなに読みやすくはないし軽くもない(彼女としては硬くない方だけれど)。だから適度に文体が軽くて読みやすければライノベだと言えるというわけでもない。
例えばライノベだからどう、純文学だからどうというジャンル分けに意味は感じないし、もちろん優劣があるとも思わないけれど、その物語が要求している文体というものはあり得ると、この作品を読んで強く思った。中学生には中学生なりの、二十歳には二十歳なりの軽さと重さがある。もちろん五十だって六十だってそうだ。誰だって常に思い悩んで生きているわけではないし、まいっかーと流して生きているわけでもない。そういう部分が良く書けてると思う。
一人称で書くことの難しさというのはやはりある。というか、一人称で書くというのはどういうことなんだろうと思った。
まずよく言われている通り「私」が知らないことは書けないわけで、ではどうするかという問題。状況説明で逃げるというのは、私は基本的には避けてるんだけど、やっぱ説明はあった方がわかりやすくていいよね、と誰かが書いてて(ハルさんだったかな)、なるほどそりゃそうだわなとはちょっと思った。具体的には115P前半の状況説明なんだけど、ベストとまでは言わないけれど悪くないし違和感はない。これは私には書けず、たぶん地の文で書くだろうけれど、そうすると彼女が誰かにその話を聞かされていなければならないわけで、そこは問題になる。どっちがいいかは書いて見ないとわからない。
もうひとつ、121P後半「逆光のためその顔がよく見えず」とある。この状況下では、意識の上では、顔が良く見えない、逆光のせいだ、という流れになるはずで、「逆光のため」が先に来るということは時間が圧縮されているということになる。ここから次ページの「安堵となる」までが一瞬で、もっと言えば不安を感じた瞬間は時間が止まっている。それがこれだけで表現されている。これは凄まじい。その意味では「この数年で」の字下げが傷になっているともいえるけれど、まぁ大した問題ではない。
もうひとつ感嘆したのは6/だ。レイの意識が変わっている。ちゃんと大人になっていて、それが一人称の文体として完全に表現されている。一瞬(本当に一瞬だけ)、誰の視点なんだろうと思ったほど。時間軸の行き来が生かされている。これも凄い。
ペンギンのぬいぐるみを抱えて転がってる綾波さんは見てみたいです。それもまた日常なので、日常的に転がっているものと思われます。
おしまい。
昨今のライトノベル事情には疎い、というより全くわからないのだけれど、ライノベのイメージって私にとってはこんな感じ。つまり、適度な文体の軽さと読みやすさ。これは真面目に追求しようとすると結構難しい。そして、じゃあライノベとは何かという問題に立ち入ると、そのレーベルから出てればそうだとしか言いようがなくなるらしい。コバルト文庫から出てた山尾悠子の「オットーと魔術師」なんか、そんなに読みやすくはないし軽くもない(彼女としては硬くない方だけれど)。だから適度に文体が軽くて読みやすければライノベだと言えるというわけでもない。
例えばライノベだからどう、純文学だからどうというジャンル分けに意味は感じないし、もちろん優劣があるとも思わないけれど、その物語が要求している文体というものはあり得ると、この作品を読んで強く思った。中学生には中学生なりの、二十歳には二十歳なりの軽さと重さがある。もちろん五十だって六十だってそうだ。誰だって常に思い悩んで生きているわけではないし、まいっかーと流して生きているわけでもない。そういう部分が良く書けてると思う。
一人称で書くことの難しさというのはやはりある。というか、一人称で書くというのはどういうことなんだろうと思った。
まずよく言われている通り「私」が知らないことは書けないわけで、ではどうするかという問題。状況説明で逃げるというのは、私は基本的には避けてるんだけど、やっぱ説明はあった方がわかりやすくていいよね、と誰かが書いてて(ハルさんだったかな)、なるほどそりゃそうだわなとはちょっと思った。具体的には115P前半の状況説明なんだけど、ベストとまでは言わないけれど悪くないし違和感はない。これは私には書けず、たぶん地の文で書くだろうけれど、そうすると彼女が誰かにその話を聞かされていなければならないわけで、そこは問題になる。どっちがいいかは書いて見ないとわからない。
もうひとつ、121P後半「逆光のためその顔がよく見えず」とある。この状況下では、意識の上では、顔が良く見えない、逆光のせいだ、という流れになるはずで、「逆光のため」が先に来るということは時間が圧縮されているということになる。ここから次ページの「安堵となる」までが一瞬で、もっと言えば不安を感じた瞬間は時間が止まっている。それがこれだけで表現されている。これは凄まじい。その意味では「この数年で」の字下げが傷になっているともいえるけれど、まぁ大した問題ではない。
もうひとつ感嘆したのは6/だ。レイの意識が変わっている。ちゃんと大人になっていて、それが一人称の文体として完全に表現されている。一瞬(本当に一瞬だけ)、誰の視点なんだろうと思ったほど。時間軸の行き来が生かされている。これも凄い。
ペンギンのぬいぐるみを抱えて転がってる綾波さんは見てみたいです。それもまた日常なので、日常的に転がっているものと思われます。
おしまい。
件名 | : Re: LRSアンソロジー『calm days』&書籍版覆面企画『おでかけざんまい』 |
投稿日 | : 2023/01/23(Mon) 22:11 |
投稿者 | : tamb |
参照先 | : |
■ありやすさん
>それに今回は覆面では無い上にお題が「日常」と来ればいつも通りの
>碇レイさんを書けと言ってる様なもんじゃないですか(笑)
確かに(笑)。
>それに今回は覆面では無い上にお題が「日常」と来ればいつも通りの
>碇レイさんを書けと言ってる様なもんじゃないですか(笑)
確かに(笑)。
件名 | : Re: LRSアンソロジー『calm days』&書籍版覆面企画『おでかけざんまい』 |
投稿日 | : 2023/01/14(Sat) 00:58 |
投稿者 | : ありやす |
参照先 | : |
>ありやすさんの書いた話、という印象が凄まじく(笑)
このゲロ甘スタイルで、やらせて貰ってますから(笑)
それに今回は覆面では無い上にお題が「日常」と来ればいつも通りの碇レイさんを書けと言ってる様なもんじゃないですか(笑)
>何気ない日々の中にも幸せはある。
そうなんです。そこなんです。碇家の皆さん、特にレイさんは何気ない日々の中にある幸せの一つ一つを大事にそして大切にして噛み締めながら、生きているのです。(少なくとも作者はそのつもりで書いております。)
このゲロ甘スタイルで、やらせて貰ってますから(笑)
それに今回は覆面では無い上にお題が「日常」と来ればいつも通りの碇レイさんを書けと言ってる様なもんじゃないですか(笑)
>何気ない日々の中にも幸せはある。
そうなんです。そこなんです。碇家の皆さん、特にレイさんは何気ない日々の中にある幸せの一つ一つを大事にそして大切にして噛み締めながら、生きているのです。(少なくとも作者はそのつもりで書いております。)
ネタバレあり、書き手も読み手も自由に語ってください。
(ただし良識の範囲内で)
現在はBOOTHにて通販しておりますので、まだお手に取られていない方はぜひともご覧になっていただければと思います。
https://shien2136.booth.pm/
テーマは「理想のLRSな日常」
「理想の」が大事です。なぜなら、理想はそれぞれ違うものを胸に抱くものだから。
なにげない日々を、二人で、あるいは家族や友人と。
もしかしたら山あり谷あり、だけどそれも大切な日々。
そんな世界をみなさんに描いていただきました。
総勢15名、漫画1編、小説14編の珠玉の作品群。
ぜひともお楽しみいただければと思います。
◆ご参加いただいたみなさま
表紙イラスト:れい
作品執筆 :蒼波零
柳井ミレア
アールグレイ
dragonfly
春日希望
スマトラ
ハル
ありやす
B市
ADZ
はるさきのへび
レイカ
お魚徹甲
tamb
主 催 者 :史燕
また、8月13日のコミックマーケット100にて頒布した書籍版覆面『おでかけざんまい』についても語っていただければと思います。
◆ご参加いただいたみなさま
表紙イラスト:れいさん
作品執筆 :アールグレイさん
ADZさん
ありやすさん
お魚徹甲さん
くろねこさん
スマトラさん
tambさん
dragonflyさん
ののさん
ハルさん
はるさきのへびさん
レイカさん
主 催 者 :史燕
みなさんどんどんお話ししましょう。